「戮力同心」

秋季リーグ戦直前

野球部智徳寮インタビューE


大東孝輔選手、中川颯選手


    全日本選手権。彼らの活躍なくして、日本一はありえなかったであろう。最高殊勲選手賞に最優秀投手賞。投打に立大を支えた2人に話を伺った。4年生#13大東孝輔の打撃論を探り、天才打者ならではの打撃論が展開されれば、1年生#15中川颯からは先輩への感謝の気持ちが――。この2人の春季を振り返らなければ、日本一は語れない。秋季リーグ戦も近づく今、必見である。

◆大東孝輔(コ4=長良)◆

日本一を語る大東。長嶋氏に褒められたエピソード

を話す彼は、自然と笑顔になっていた

――日本一おめでとうございます。快挙から約3か月、反響はありますか
  ありがとうございます。地元の高校とか中学校の野球部にはいろいろ祝ってもらいました。印象的なものは、やはり長嶋さんに褒めてもらえたことです。褒められることはすごいなと思いますし、秋も頑張れよと言ってもらえることはうれしいことだと思います。

――飛躍の春季を振り返って。ご自身の成績はいかがでしたか
  60点くらいですね。(――厳しめですね。何か理由があるのでしょうか)リーグ戦は2割ぐらいしか打っていないので、スタメンで慶大戦にでたんですけど、その時は笠松(コ4=大阪桐蔭)の代わりをできなかったというのがあったので、スタメンで出たときにちゃんと打って、チームに貢献できるようにしたいです。

――今までに優勝のような快挙の経験はありますでしょうか
  ないです。中学校の時に県大会優勝とかなので、あんなに人が入った中でというのはないです。

――春季はレギュラー奪取を狙って臨みました。その点での悔しさはありますか
  リーグ戦前のオープン戦でレギュラーつかみきれなかったので、リーグ戦では左ピッチャーの代打としてチームに貢献できるように、一打席一打席を大事にしようと思いました。

打席に立てば打てるかどうかが分かるという

大東。その一言は、まさに天才の言葉であった

――その代打では見事な成績を残しました。大事にしていたことはありますか
  練習のフリーバッティングで監督から「5球中5球、しっかりジャストミートしろ」と言われていて、練習中から試合の一球と思って捉えようとしてきたので、試合では甘いと思った球はどんどん振っていこうと思って打席に立ちました。

――数ある今季の殊勲打の中で、1番の一本を上げるとしたらどのヒットになりますか
  早大戦のサヨナラ打ですね。同点の時に打てたので良かったです。それまで全然打てていなかったので、何としてでも打ちたいという気持ちで打席に立って、なんとか結果が出たのもよかったです。

――その打席ですが、打球は右中間に飛びました。どのような気もちで打球を見ていましたか
  超えてくれっていう(笑) 感触は良かったんですけど、ライトがうまかったら捕られるかなっていうか。でも抜けてくれてよかったです。

――ご自身の打撃スタイルはどのようなものと捉えていますか
  低い打球で野手の頭を抜く感じですかね。低い打球で強い打球を打つっていうのが自分のいい時です。(――ホームランは良くないということでしょうか)良くないわけじゃないですけど、自分はホームランバッターじゃないので、低くて強い打球を打てるようにしています。日ごろの練習では、打席立って構えたときになんとなく打てるかわかるので、打てる状態にするというか、ウエイトやバランスボールでトレーニングして、体幹を鍛えるように意識しています。

秋季の自身が連覇に貢献するポイントは「目付け」。

打撃に、守備に、最後のシーズンで、大東は燃え尽きる

――秋が学生生活最後のシーズンとなります。同期に対して、特別な想いはありますか
  学生コーチは自分の時間を削ってまでチームのためにやってきたので、キャンプの時もバッティングピッチャー等を体がボロボロになるまでやってくれたので、その同期の思いで優勝できるように頑張りたいです。恩返しというか、付き合ってもらったので。

――では、最後に応援して下さるファンの皆さんに一言お願いします
  春季は応援ありがとうございました。秋季も応援よろしくお願いします!

――どうもありがとうございました!

◆大東孝輔(おおひがし・こうすけ)1995年7月4日岐阜県生まれ。コミュニティ福祉学部4年。右投右打/内野手/長良/171a73`


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◆中川颯(コ1=桐光学園)◆

大学野球初めてのシーズン。振り返る中川の顔

には確かな自信が宿っていた

――日本一から3か月が経ちました。やはり反響はすごいものですか
  嬉しかったです。特にというのはないですが、お祝いのなかでうれしかったというか、パレードは本当に感動しました。

――激闘の春季を振り返って。ご自身の中での収穫はどのあたりになるでしょうか
  リーグ戦というものが初めてだったので、今までとは違う野球、大学野球の厳しさってものは実感して、体力面であったり精神面であったりとかそこは結構収穫もあり、成長もできたかなと思います。

――初めて臨んだ大学野球のシーズン。何か違うところがあったのですか
  注目度は高校野球のほうがすごくあって、全国よりも神奈川の高校野球の方が注目度はありました。横浜スタジアムも満員になるぐらいだったので、高校野球だと自分打って投げて、だったんですけれども、大学入ってからはそれぞれの役割がいっぱいあって、気持的には楽でした。

――春季は公式戦初安打も放ちましたが投手と野手、どちらか好きな方があるものでしょうか
  自分はピッチングですね。元々バッティングはそんなに本気でやっていたわけではないので、ピッチングメインで。そのほうが打てていましたし、どちらか一本に絞ると悩んで打てなくなるので。

夏季のオープン戦で、憧れの投手と対面したという

中川。秋季に向け、成長の機会を得たようであった

――全日本選手権も含め、たくさんの試合を経験しましたが、大学野球への慣れはありましたか
  何となくつかめてきたかなという感じ、学年が上がったら上がったで感じることも変わると思いますし、違うだろうし、責任感とかもあるだろうし、それはその時に分かればいいかなといった感じです。(――全日本選手権はいつにない大舞台でしたが、リーグ戦と全日本選手権。何か違うところはありますか)全国、特に地方になってくると打線にむらがあるとういうか、六大学の場合は、思いっきり投げて抑える感じだったのですけれども、全国は力を抜くところもあれば入れるところもあればでメリハリが出来ました。六大学のレベルの高さを痛感しました。

――全日本選手権では最優秀投手賞。長嶋氏も称賛していましたよ
  聞きました、光栄です!すごい人から言われて、自分自身、(長嶋氏の)現役のプレーを見たことないし、凄い選手ということは知ってはいますが…でも父と祖父がすごく喜んでいたので、それくらいの人に評価してもらったんだなと思っています。

――秋季に向けて。夏のオープン戦を振り返って収穫や課題はありますか
  新日鉄住金かずさマジックと対戦させていただいた時に、相手に渡辺俊介さんがいらっしゃって、結構話させてもらって、その中で気づいたこともあって、自信にもなりました。大学野球の動画も見てくださって、いろいろアドバイスもらって、頑張ろうと思いました

自身が大切にしているという「志」こそ、連覇に必要と

あげた中川。秋季も、大暴れしてくれることであろう

――秋季は4年生が最後のシーズンとなります。特別な想い入れがあるのではないでしょうか
  春に藤田さん(営4=県岐阜商)と投げられなくて、よくかわいがってもらったので秋はなんとか一緒に投げたかったです。秋は藤田さんの分まで絶対に結果を残して優勝したいです。

――最後に改めて秋季に向けての目標、そして応援してくださるファンの皆さんに一言お願いします
  春季応援してくださった方の声援が自分を支えてくれました。おかげでこういった結果が生まれたと思っています。秋もなる以上に応援が必要になってくると思うので、応援よろしくお願いします!

――どうもありがとうございました!

◆中川颯(なかがわ・はやて)1998年10月10日神奈川県生まれ。コミュニティ福祉学部1年。右投左打/投手/桐光学園/184a79`


第7回は、井上浩太主務(コ4=福岡大大濠)、市原一樹学生コーチチーフ(コ4=富士学苑)です。お楽しみに!



(8月31日 取材・入江萌乃、川村健裕、、久保田美桜、山口史泰/編集・川村健裕)