「戮力同心」

秋季リーグ戦直前

野球部智徳寮インタビューH


熊谷敬宥主将、江波戸龍星副将


    彼らが、チームを作った。彼らがチームを勝利に導いた。彼らが、まさに日本一。チームの命運を担った主将#10熊谷敬宥、副将#12江波戸龍星。間違いなく、立大野球部の歴史に名を刻んだ2人であり、連覇に向け、彼らの作るチームは間違いなく六大学の注目の的であろう。大学野球最後のシーズンとなる秋。最後のシーズンに賭ける2人の気持ちに迫った。

◆熊谷敬宥(コ4=仙台育英)◆

一昨年の新人戦春秋連覇。そして、東京六大学

優勝。熊谷主将は、まさに優勝請負人だ

――日本一おめでとうございます。激動の春季、疲れもあるのではないでしょうか
  嬉しかったのはパレードにあれだけの人が来てくれたのが一番嬉しかったですね。(――ご自身が主将を務めた一昨年の新人戦も春秋優勝。熊谷選手が主将のチームは全て優勝していますね)特に意識はしてないですけど、同じ学年同士ではそういう話をしたり。「もし勝ったら俺ら合計四連覇じゃん」という話にはなるんですけど、ふざけて冗談では話しているんですけど、そのくらいですね。

――ご自身の成績を振り返って、何が1番誇れる数字になりますか
  誇れる…盗塁ですかね。エラーは1でもしちゃいけないので。盗塁9個出来たというのは、打ってない割にはしてるんじゃ無いかなと自分でも自信が付きましたし、もう少し後は打てればな、って感じですね。(――どの盗塁が1番印象に残っていますか)刺された方が記憶に残っていますね。郡司(慶大2年=仙台育英)に刺された、あれは印象に残っているなというのはありますね(―仙台育英の先輩後輩に当たりますが、何か話されたりは)いや「走りすぎ!」って言われたぐらいで(笑)自分がその前に「走るから」というのは言ってたので、警戒はしていたんじゃないかなと思います(笑)

――激動の2か月間。一番記憶に残る試合はありますか
  慶大戦、自分の中では慶大戦が一番印象に残っているというか、ターニングポイントだったなと思います(―具体的には)笠松(コ4=大阪桐蔭)も抜けて、自打球当たって。で主力がいない中で戦うことになって、結局1イニングに二桁得点されて。すごい自分らが一番落ちたというか、実力の無さを感じた試合でしたし。けどたまたま次の週が空き週だったので、そこで気持ちの切り替えが出来て東大戦を迎えられたって言うのは、今までそういう経験が無かったので、自分らが1個下の代からやってきて。ああいう負け方をして、気持ちを切り替えて東大戦を迎えられたって言うのはすごい大きかったんじゃ無いかなと思います。!

――全日本では地方の他大学と戦ったわけですが、いつもとは違う大学と戦ってみて。改めて立大の強みはどのあたりになると思いますか
  最後まで諦めないで戦うというところが立教らしさだったんじゃ無いかなって思って。たぶんリーグ戦も選手権も僅差の試合が何回かあって、そういう部分で勝ち切れたって言うのはすごい自信にもなったと思いますし、自分らが目指してきた場所というか、目指してた野球が出来たんじゃないかなと言うのはすごい実感しましたし。ほんとに守備からリズム良く攻撃につなげられてたって言うのも、そういう粘り強い野球につながったんじゃないかと思います。

立教らしさは「最後まで戦う」姿勢。

連覇のかかる秋も、その姿勢を貫いてほしい

――春季を通じて毎イニングの円陣が象徴的でしたが、どのようなことを話しているのでしょうか
  まずは1点取らないと何も始まらないと言うことを自分が言うので(笑)まずは本当に1点焦らずに取りに行こうと言うことを心がけて言ってましたし、あとは?高田とかがすごい盛り上げてくれてるのでありがたいなと思います。

――主将から見る春季のMVPを教えてください
  誰だろうな…4年生じゃないですかね。誰っていうのではなくて、4年生がすごいチームを引っ張って行ったから、後輩達も付いてきてくれた感じがするので。1人では無く4年生がベンチワークもそうですけど、4年生中心になってやっていたので、ベンチに入っていない他の4年生だったり、あとは就活とかあっても応援に来てくれた4年生であったりとか、そういう部分では4年生全員がMVPじゃないかなと思います。

――ご自身の目指す主将像には近づけましたか
  まだまだですかね。思ってたよりもどういう声をかければ良いのかも分からないですし、試合中とか。ですけど自分がプレーで引っ張るって言ってもなかなか守備でもそんなに機会無いですし、バッティングでも良い結果が出てこなかったのでなかなか難しかったですけど、ある程度というか、理想よりはまだまだですけれど、少しはキャプテンらしくなったんじゃないかなとは自分でも思いますね(笑)

――春季は野球を楽しみたい、とおっしゃっておりましたが、走攻守のどれが一番楽しいですか
  守備っすかね(笑) 守備は一番楽しいし、やっぱり一番かっこいいかな〜って(笑) 魅力を感じて野球をやったのも守備のあれですし。守備がすごい魅力あるなと思って野球やり始めましたし、ショートって言う大事なポジションを守れてるっていうのはすごい楽しいことなんで、守備が一番楽しいかなって思います

――秋季はご自身にとっても大事なシーズンとなると思いますが、スカウトの視線等は気になるものですか
  春はすごい気になって良い結果が出なかったので、秋はそんなに気にしないですね、たぶん。もう秋は勝ちたいっていう気持ちしか無いので、その結果が良い結果につながれば良いですし、春はすごい打たないと、自分の人生がかかっていたので、「打たないと」とか「守らないと」っていう違うプレッシャーもあったので、そうなっていくとだんだん良い状態なのに打てなかったりするので、なるべく考えないようにしたいなと思います。

――秋は研究されて臨むシーズンとなることが予想されますが、連覇のために鍵となることは何だと思いますか
  もう慢心しないことだと思いますね、1番は。1番怖いのは、優勝してるから勝てるだろうって言う気の緩みが一番怖いので、ほんとに優勝した次のリーグ戦っていうのが自分の中でも注意しないといけないなと。高校の時もそうだったんですけど、自分ら高校の時神宮(大会)優勝して、秋の王者としてセンバツ出たんですけど、結局それが抜けきれなくて負けたりしたので、ほんとにこの秋は「優勝したから」っていう気持ちを捨てないと、怪しいんじゃないかなと思います

――秋は泣いても笑っても最後のシーズンとなります。立大での3年間で学んだことは何でしょうか
  自己管理は一番学んだというか、練習もそんな多くやる方ではないですけど、自主練習でどれだけ自分を追い込めるかがすごい大事だなと思いましたし。自分は初めての寮生活だったんですけど、体調崩したりとかもしましたけど、本当に良い選手は風邪とかもひかずに自己管理がしっかりしている選手が良い選手だと思っているので、そういう面で自己管理がちゃんとしないと試合にも出られないし、と言うのはすごい学べたなと思います。

春季同様、秋も厳しい戦いが予想される。やはり、飯迫

の言う通り最後は「気力」が大事になることであろう

――では、最後に応援して下さるファンの皆さんに一言お願いします
  自分らの目標は連覇ですけど、連覇するまでにすごく厳しい試合が続くと思うので、まずはほんとに目の前の一戦だったり、目の前の一球に集中して、全力で戦いたいと思います。春優勝できたのも応援してくださった皆様のおかげだと思っているので、また良い思いが出来るように、ファンの皆さんと自分らと、また優勝してパレードして良い思い出が出来れば良いと思うので、応援宜しくお願いします!

――どうもありがとうございました!



◆熊谷敬宥(くまがい・たかひろ)1995年11月10日宮城県生まれ。コミュニティ福祉学部4年。右投右打/内野手/仙台育英/175a72`


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◆江波戸龍星(コ4=成田国際)◆?

春季リーグ戦は「どんどん強くなった」と語る江波戸。

4年目にしてようやくの栄冠。喜びも増していることであろう

――日本一から3か月が経ちました。日本一、いかがでしたか
  初戦から、接戦というか引き分けだったのですが、負けなかったのが良かったのかなと思ってて。山根(営4=浦和学院)の1本のおかげなんですけど。そこから始まって、ほんとにドラマチックというか毎回毎回接戦をものにして。最後の明治戦も笠松(コ4=大阪桐蔭)のサヨナラで勝ったんですけど、本当に戦っていく中でどんどん強くなったのかなと思います。

――副将として優勝は自信につながりましたか
  試合にはあまり出られていないので、プレーで貢献できたかどうかは分からないですけど、一応ブルペンキャッチャーとして出て行くピッチャーをサポートできたのでは無いかなと思います。 ――バッテリーを統括する立場として、下級生中心の投手陣はどのように見えていましたか 
  (田中)誠也(コ2=大阪桐蔭)にしても手塚(コ2=福島)にしても中川(コ1=桐光学園)にしても、2年と1年なんですけど、思い切りが良いというか。そんなにマウンドで動じないで投げていたので、すごいなと思いましたね。

――ご自身はリーグ戦1試合の出場のみに終わりましたが、悔しさはありますか
  悔しかったですね。藤野(営2=川越東)が2年生で出てるので、自分ももっと活躍したいなと思ったんですけど…。やっぱり悔しかったですね。(――キャッチャーは争いが激しかったですが、キャッチャー陣として意識したことはありますか)藤野も2年生で初のリーグ戦なので、一応自分は去年からベンチには入っていたので「思いっきり行けよ」とか。高田もベンチから良く藤野に声をかけてましたし、藤野がやりやすいように4年生の自分が声かけは意識してやっていたのではないかと思います。

優勝できればそれでよい。副将として、

その言葉には連覇を目指す覚悟が垣間見えた

――春季は全日本選手権もあり、長いシーズンとなりましたが、体感的にはどのようなシーズンでしたか
  リーグ戦の期間はすごい長く感じて、一戦一戦。2回勝たないと勝ち点ってもらえないじゃ無いですか(笑) だから毎週毎週長く感じたんですけど、全日本は結構トントン拍子というか、リーグ戦の勢いのままに逆転勝利も何回もありましたし。勢いというか、なんか勝っちゃいましたね(笑)

――夏季キャンプ、秋季オープン戦等を見ていて、注目の選手はいらっしゃいますか
  笠松と、あとは種田(営3=大垣日大)はかなりあがってきてます。今は1番、2番で良い状態にあがってきているので、期待しています。

――秋季はご自身にとっても最後のシーズンとなりますがいかがですか
  もちろんチームの優勝ですね。自分はどんな形にしても貢献できるように、代打にしても、ブルペンキャッチャーにしても。優勝できればそれでいいです。(――秋季のイチオシの投手はいらっしゃいますか)そうですね…だれかな。自分は橋本(済3=大分上野丘)という3年生がいるんですけど、あいつは頑張って欲しいなと思っていて。結構良い真っ直ぐも持ってますし、東京ヤクルト戦でも投げてましたし。春は中川と誠也と手塚で勝てたんですけど、秋はもっと研究されると思うので、もう一人でも二人でも短いイニング投げられるピッチャーが出てこないと勝てないと監督さんもおっしゃっていたので、そこでやっぱ橋本とかが投げられると良いんじゃないかなと思います。比屋根(営1=興南)も結構良いんですけど。(―比屋根投手の良いところとは?)やっぱり見たことの無いような投げ方というか、特殊なので相手のバッターも結構混乱してくれるんじゃ無いかなと。トルネード投法に加えて、コントロールも良くなったので、ポンポンポンポン投げられれば短いイニングだったら抑えられるんじゃ無いかなと思います。

連覇に向け、最後に必要な「執念」。大学野球最後のシーズン。

江波戸の執念を見せた、優勝に導くプレーが神宮で見たい

――それでは最後に、応援してくださるファンの皆さんに一言お願いします
  ファン!?(笑)そうっすね、秋も連覇できるように全力を尽くして頑張ります!

――どうもありがとうございました!

◆江波戸龍星(えばと・りゅうせい)1995年8月22日生まれ。コミュニティ福祉学部3年。右投右打/捕手/成田国際/176a78`


第10回(最終回)は、日本一の指揮官、溝口智成監督(90年度卒=湘南)です。お楽しみに!?



(8月31日、9月5日 取材・入江萌乃/編集・川村健裕)