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春季リーグ戦直前

野球部智徳寮インタビューD


黒沢康太× 坂本憲吾× 両角優


学生コーチ対談


   立大野球部の陰の立役者、学生コーチをご存じだろうか。彼らがいなければ立大の強さ は保てない。縁の下の力持ちである3人にコーチとしての気持ちを聞いた。

◆黒沢康太(コ4=本庄東)◆
◆坂本憲吾(社4=桐光学園)◆
◆両角優(社4=佐久長聖)◆


―昨年日本一になった。コーチとして携わっていかがでしたか。
:自分と坂本は、市原さん(17年度卒=富士学苑)のサブポジションみたいな感じだったから、キャンプとか帯同させてもらって、チームの一体感が出ていく過程を見られたのは良い経験になったかなと思います。
:学ぶことが多かったかなという感じです。今年のチームにどう生かすかを、昨年の段階から考えて動いていました。
:自分は正直に言うと…グラウンドにいる時間が長かったです(笑)
:下級生として、朝の一番最の練習から最後に練習までいたからね。自分らの代から(黒沢、坂本)2人体制で色々なことをやらせてもらったから、フレッシュリーグの監督とかもやらせてもらって、就任2か月後の経験でとても良い経験でした。
:本当に色々な経験をさせていただいた一年だったね。
:自分は、色々な日課(練習)を見せてもらって、いろんなコーチの特徴を見せてもらい、リーダーシップの方法なり指導法なり、良い部分をたくさん学んだ年だったと思います。
:色々な仕事を与えていただくことが自分たちの成長につながりました。つまりは色々なことが経験できた一年でした。

―今までの会話にありました、「今年に活かすべきこと」とは何でしょうか。
:新しく試みたこととして、冬場はバットしか振らないということと、今は1?4軍まであるけれど、学年別の練習をする機会を設けて、というようなことがあります。
:学年別練習は良かったです。去年とかも、縦のつながりはあったのですが、横のつながりに関して、1年生の頃は補助などで団結するので関わりがあるのですが、学年が上がるにつれて横のつながりがなくなります。それが問題としてあって、4年生は就活があり、本当にバラバラなチームだったのですが、今回新しく取り組んで。中身は技術練習とかよりは楽しい練習をやって、最後にミーティングをやって今後どうしていくべきか、というのを考えました。手ごたえとして、良かったと思います。

――ありがとうございます。では、お三方に学生コーチになった当時のことを思い出していただきたいです。
:監督に最初に学生コーチになってくれないかと言われた時に、「チーム作りの柱となる存在」になってくれないかと言われていて、「チーム作りの4番を任すから」と言われて。学生コーチになるうえで一番求められているところが、アドバイス云々ではなくてチームがどうやってまとまっていけるか、同じ方向を向けるようにしていくかというところだと言われていて、とにかく皆の前に立って、「リーグ戦優勝」という目標に向かってやっていけるかが使命だと思ってやっているので、技術指導は二の次でも良いと言われていて、そういう意味でチームをどう一つにできるか、まとめられるようになりたいと思っていました。
:監督が良く言ってくださる言葉に、「理想は高く持て」という言葉があります。学生コーチの理想以上のチームは作れないと思っているので、リーグ戦優勝して日本一になるうえでの理想のプレーというか、妥協してはいけないラインがあると思うので、常に上を見て、プレーしているところを見て判断しなければならないかなと思っているので、自分にも周りにも厳しく、時には優しく、そのメリハリをちゃんとつけて、コミュニケーションをとった中で、そのラインを下回った時に強く言わなければならないと思っているので、そのメリハリは意識していました。
:この2人に呼ばれて学生コーチやらないか、と言われて。その前までは肘を怪我していて、何かしらの形でチームの力になりたいと思っていたから、その時はもうそれだったらという形で深く考えることなく即決でスタッフやろうと思えたので、その時に、投手は個人の時間が長くて、中でも自分の練習の時間が長いからメリハリをつけないとサボる人が出てくるので、そういうのを許してしまうとチームの底が下がってしまうと思ったので、底上げしなければならないなと思っていました。先輩とかも、そういうところは厳しく言っていたので、そこは難しかったですが…

―今年からは学生コーチ「チーフ」になりましたが、学生コーチチーフになり、仕事内容は変わるものですか?
:変わりはしないけれど、そこに責任が加わるというか。
:今までは学生コーチチーフに言われてやっていたことを、今はチームのことを考えて自分たちが指示するというか、最終的にそれができていなかったら責任は自分たちに来ますし、行動の一つ一つに責任を感じるようになりました。

―日々の活動を理解することが出来ました。ではその中で、コーチならではの楽しみはありますでしょうか。
:試合が楽しみということは選手の頃にはなかったので、今試合が楽しみというのが新鮮です。
:選手の時は、チームとして勝つのもうれしいけど個人としての成果を求めている部分があって、ヒット打ったりしたときの方がうれしかったりしました。今はチームの勝利に喜びを感じて、それは個人の喜びよりうれしいから、それが何かすごく楽しみとして感じるかな、という。今も練習などしていて、これでリーグ戦勝ったらうれしいだろうなと思ってやっていて、そういうところを感じています。
:この立場、自分の成績ではチームに貢献することはできないから、リーグ戦も楽しみだし、他の選手の活躍を見るのが今は楽しみだし、それはこの立場でしか楽しめないことなのかなという…。
:裏方に回って楽しいことは、自分、結構打撃が得意だったのですが、選手から特に今で言ったら藤野とか、リーグ戦前に打撃について聞いてきてくれて、そういうやつが活躍するというところが、学生コーチの喜ぶポイントの高いこととしてあるのかなと思うし、自分としても選手に託している部分も強いので、その選手が活躍してくれると嬉しいという気持ちはありますね。

―ありがとうございます。では次に、話をチームの内容に移します最後の一年、チームとして今年の立大はいかがですか
:練習は沢山しました。入部してから今までの練習と比べて、3、4倍ぐらいは練習しました。
:自分たち入って来た時とか、大学の練習ってこれしかしないのというほど練習内容薄くて、こんなんでいいのかなって思って。本当に高校の時は朝から晩までめちゃめちゃきつい練習やらされていました。それの1日の濃さが10分の1とか、それくらい薄い内容で。こんなんでいいの?と本当に思っていましたが、最近は結構やり込めているのかなって思います。
:これだけやったからっていう自信はみんな持っています。監督もこの前激励会があって、これ程練習して勝てなかったら監督の責任だと言っていたので、本当に今までにないくらい練習はしてきました。
:夜間練っていうのがあって、そこが一番大きかったというのはあります。
:今までだと絶対やらなかったです(笑)
:あとはチームとして明るくなりました。
:雰囲気を大事にしている感じはあるかなっていうところが。今年のスローガンがやりきったりとか積極的にいったりとかそういうものです。最近だと試合中でも点取られたらみんなシュンってすることもありますが、まあそこで誰かがばっと声出して、「ここでいかないといかれるぞ」みたいな、もっと前向きにみたいな所に関して、去年のチームにないところがあるかなと思います。
:あといい意味で監督さんたち首脳陣と選手の壁が薄くなっているのかなっていうのがあって、割と雰囲気の良さは出やすいのかなって思います。怖いところのチームだと、上の顔色伺ってプレーすることがありますが、立教だと全くそういうのがないから、それは結構立教の持ち味でいいところかなって思いますし、入ってきたころには絶対なかったチームカラーだから、そこはいいところかなと思います。
:選手だったら副将の種田君(営4=大垣日大)が一番変わりましたね。下級生の頃はひどかったですからね。今ではあいつが結構率いてくれるので、兄気質というか、後輩の面倒見がすごくいいので、それで野球もすごく知っているので、自分たちよりも教えることに関して絶対うまいし。そこらへんで後輩たちを引っ張ってくれたからこそ、チームが苦しいとき乗り越えられたかなと思いますね。
:じゃあ副将のもう一人も言っておく?林田(観4=島原)は人間的に素晴らしいやつで、目立ってわあわあやるやつではありませんが、的確な指示を出すなど、どちらかというと背中で引っ張るタイプですね。
:いい優等生って感じだよね
:Aに4年生が一人?田崎(済4=長崎西)もいますけど、内野は一人で、敬宥(熊谷=現阪神)さんが抜けた後を…
:あ、まって。飯迫(社4=神戸国際大附)がいる(笑)
:でも本当に内野を引っ張ってくれているので。
:野手で言ったら全力疾走と、投手が打たれた時のベースカバーですね。そこに関しては見てもらって、大丈夫かなと思いますね。
:言っちゃって大丈夫かな?
:いいでしょ。言ってしまえばやらなくてはいけなくなるという意味も含みます。
:ベースランニングに関しては、オーバーランなどのフライの走り方とかすごいですよ。

―では、次に具体的に春季リーグ戦の戦力分析をお願いします
:投手だと手塚(コ3=福島)、中川(コ2=桐光学園)、誠也(田中。コ3=大阪桐蔭)が主力で、先発の二人は変わらずですが、後ろの投手で橋本(済4=大分上野ヶ丘)、江口(営3=浦和学院)などが力つけてきたので、そういうところで第4、5になりうる選手が出てきているので、そういうところを見てほしいなと思いますね。
:寺山(社4=神戸国際大附)、飯迫、藤野(営3=川越東)くらいは去年からやっていたメンバーで、今も固まっているかというのはなくて…
:本当に皆でどうにかやっていく感じだと思いますね
:野手は選手層厚くない?
:そう、選手層が厚いです。調子が悪かったら代わるというような起用法だと思いますが、それでもレベルは高いと思います。
:良い意味で底上げができているから、だれが出るかわからないのがそれはそれで面白いかなと思います。
:調子よいやつが出るという感じになるよね
:でも僕は、寺山、飯迫に期待しています。学部が同じで、あいつら若い時から出ているので。
:授業も一緒に履修してきたしね。
:あとは三井(コ2=大阪桐蔭)です。4番で打つので。守備はしょうがないので、3割打って本塁打4本くらい打ってくれれば。



―チーム作りに欠かせない3人の対談、いかがでしたでしょうか? 彼らの言葉からは、日ごろチームのことを最優先に考えているからこその説得力がにじみ出てきていました。インタビューへのご協力、ありがとうございました!

第6回は、同じくチームを支える幹部、副将の2人です。種田真大副将(営4=大垣日大)、林田景太副将(観4=島原)は、最高学年となる今年のチームをどう占うのか? お楽しみに!


(3月31日 取材・川村健裕/編集・佐藤美櫻)

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