(カッコ内は現学年)

   数年前まで、立大は黄金期を築いていた。2015年に女子はインカレ3連覇、2014年には男子は5連覇を達成。その時代を知る最後の世代が、今年の4年生。「インカレで優勝したい」。どの選手にインタビューしても必ず返ってくる言葉には、並々ならぬ思いが込められている。王座を奪還すべく、1年間努力を続けてきた選手たち。ついに開幕するインカレに先立ち、その軌跡を振り返る。

〜これまでの軌跡〜

2016年10月  インカレ  すべてはここから始まった
  勝利は、これほどまでに遠いものなのか――。決して実力で劣っていたとは思えない。個人の実力・チーム力ともに全力は出し切ったはずだ。それでも、優勝の2文字は遠かった。
  決勝戦、女子は専大と対決。パックの支配率やシュート量は圧倒的に、立大が上。しかし、一人のGKにすべて阻まれた。延長戦でも試合は決まらず、代表者によるFS戦・7打目を相手が決め死闘に決着がついた。男子は長年のライバル・国学院大との一戦。チャンスで得点できない苦しい展開。最後まで懸命にパックを追うも、無情にも試合終了のホイッスルが鳴る。国学院大の選手が喜びを爆発させている横で、選手たちは天を仰いだ。
  男女共に準優勝。当時3年生だった宮城(理4)は「させてしまったよね、引退を。もう本当に残念ですよ。優勝して泣かせて慰めてやるって思っていたのに、大丈夫だよって慰められちゃって…」と悔しさをにじませた。尊敬する先輩たちは引退を迎えた。次は自分たちの番だ。「今回の結果の気持ちを忘れずに、来年ここに戻ってきたときにいい試合ができるように、もう一回1から作り直していきたいと思います」(福山=営4)。全員がこのリンクでのリベンジを強く誓った。

11月  クラブ対抗戦  動き出した新チーム
チームの攻撃力の要である深澤
  あの敗戦から1カ月、新チームが動きだした。今のチームが現段階でどれほど通用するのか、確認の意味を込めた大会であるクラブ対抗。男子は宮城・深澤(観4)・中川(済4)・GK並木(コ4)ら、4年生と共に経験を積んできたメンバーが核となった。ところがチームとしてはまとまっておらず、東洋大相手に辛勝。高い個人技を使いつつ、チーム力を高めていく必要を感じさせられた。
  一方女子は福山とGK菊地(コ4)が中心となるも、経験の浅いメンバーがほとんどを占める。「先輩達と比べると実力不足が浮き彫りになり、苦しく思っていた」と渡部(現3)。国学院大Bに対して粘り勝つも、4年生の抜けた穴の大きさを痛感させられることになった。それでも歩みを止めるわけにはいかない。「チームで戦えるっていうのを大切にしていきたい。メンバーに入っている人も入ってない人も、みんなで戦う雰囲気を作りたい」(福山)。個人の技術の底上げとチーム力をつけることを今後の目標に掲げ、大会を終えた。

11月〜12月  新人戦  芽生えた自覚
  2年生が主役の新人戦が開幕した。女子Aは昨年果たせなかった優勝を目指していた。初戦、インカレ決勝で敗れた専大と対峙。渡部がこぼれ球を押し込み勢いづくとその後も得点を重ね、見事勝利を収めた。「今までは先輩に迷惑をかけないことだけを考えてプレーしていた」と多田(文3)。最初はぎこちなかったチームも、試合を追うごとに成長。点を取るビジョンが見えないチームから、形が見えるチームへと成長を遂げた。自分たちで主体的に考えてプレーすることで、一つ一つのプレーに責任感が芽生え、同期と一緒に力をつけた大会となった。ところが国学院大Aに大敗を喫し、結果は2位。多田は「技術不足が原因で、相手と対等に戦えなかったです。これからはチーム内でもっとライバル心を持ってやらないと」と、先の試合に向けて決意をにじませた。
  男子は連覇をかけた大会。インカレメンバーに一人も絡めなかっただけに、実力を出し切りたいところだ。東洋大、国学院大Bを相手に2試合連続2桁得点を達成。星(済3)や高殿(済3)、キャプテンを務めた浅木(社3)を中心に力を見せつける。ところが、専大・国学院大Aに敗れ結果は3位。焦りでペースを崩し、上手く立て直すことができなかった。「謙虚さを取り戻しました。これを続けていたら周りに迷惑かかるし、もっとたくさん練習しないとダメだなって分かりました」と高殿。男泣きする選手たちからは、悔しさがにじみ出ていた。「自分たちがしっかりしていなきゃいけない」(星)。これからチームの柱になるという自覚と、改善すべき課題を抱え2016年を終えた。

2017年3月  文京区民大会  春の訪れ
  長い冬を越えて、選手たちはたくましくなった。女子はキャプテン福山が不在の中、現3年生が中心となったチーム編成で挑んだ。初戦の国学院大には新人戦で大敗を喫した苦い記憶がある。敗れたものの0−1と最小失点。実力がついていることが目に見えた瞬間だった。3位決定戦では専大相手に1−0で勝利。「みんなで上に上がっていこうという気持ちで、良い雰囲気を作れた」と西(済3)。3年生も戦えるということを証明し、収穫の多い大会になった。
  男子は3年生がチームに加わった初めての大会。初戦東洋大に勝利すると決勝戦専大と対峙。星が先制点を取ると中川・深澤が追加点を取り、ダメ押し打を星が決めるという理想的な形で得点を重ねていく。時間帯とメンバーによって役割が違うため、戦略的に交代をすることができる。去年の主力メンバーがベンチで待っているという面でも、選手層に厚みが出てチームの完成度は高いと言える。「3年生のことは安心して見ていられるし、今日みたいな雰囲気でしっかり輪を大事にしつつ、時間帯の分担にも磨きをかけていければ良いなって思います」と深澤。男子は見事このチームで初めてのタイトルを手にし、インカレ優勝へと期待が高まった。

5月〜6月  東日本学生男子  立ちはだかる試練
  順風満帆に思えたチームだったが、ここで試練が訪れる。初戦で男子Aが男子Bに敗北。文京区民大会での優勝が悪い方向へと影響し、気の緩みが結果として現れてしまったのだ。チームの雰囲気は最悪だった。そこでミーティングを実施。「もう一度やり直そう」と気持ちを引き締める。その後立ち直ったチームは専大・国学院大に順調に勝利を重ねるも、C点の末東洋大に敗れ、結果は3位。優勝を目指していただけに、インカレに向けてチームの改革を迫られることになった。

6月〜7月  東日本女子  チーム力で目標達成
絶対的守護神の菊池
  東日本学生では2位だった女子チームは、「社会人に勝つ」という目標を掲げて今大会に挑んだ。初戦の東洋大に圧勝すると、今大会女王のSt.nを相手に善戦するも敗北。3位決定戦に駒を進めた。相手はたんぽぽ。高い個人技を持つ相手に、組織的な攻撃・守備で対抗した。試合の中で安原(理2)や、GK渡辺(コ2)といった若い力も台頭。チーム力の底上げに成功し、3−1で見事3位入賞を果たした。

8月  全日本  完成していくチーム
スーパーセーブを連発する並木

  社会人と対戦するのはこの全日本で最後。女子は東日本でも対戦したSt.nと対戦。延長戦の末に敗北。あと一歩のところまで追いつめたが、届かなかった。しかし、東日本では0−2だったが今回は延長戦までもつれ込み、成長をスコアに反映させた。その中でも福山・菊地・多田の3人は女子日本代表に選ばれ、夏休みに南京に遠征した。ますますパワーアップした彼女たちにも期待がかかる。
  男子Aは初戦、志村ローラークラブに対して5−0と圧勝。完全に前半で試合を決め、後半は2年生も試合に出場するなど、どの選手も経験を積むことができた。続く練馬DKには敗北したものの、インカレ前に修正すべきポイントを見つけた大会だった。



ーそしてインカレへー
  残す大会はあと一つ、インカレのみとなった。チームというものは頼もしく、時に煩わしく、力強い味方であり重圧である。この1年間、何度もぶつかり合い、互いに嫌気がさしたこともあっただろう。だが、今までやってきたすべての経験は、何一つ無駄ではないはずだ。すべての経験を糧にして、今まで苦楽を共にした仲間を信じて、努力した自分を信じて。悔いのないよう、最後のリンクを駆け抜けてほしい。



◆試合日程◆
10月6日〜8日 長野・リバーフロントスポーツガーデン




(10月5日/取材・編集=越智万悠子)





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