彼が柔道を始めるきっかけとなったのは、柔道をする姉の背中を見てだという。現在は、弐段を取得している実力の持ち主だが、国弘は一般入試で現役合格。柔道だけでなく、勉学に対しても地道な努力を怠らない性格がうかがえる。入部後は、毎日積極的に練習に参加するなど、部活に対して向上心の高い姿勢がみられる。日々の練習の証として、柔道着によるすり切れから指にも血がにじむほどの努力家である。また、試合に応じて、自らで食事管理を行い減量・体重維持をこなすほどの高い意識も持っている。 このような努力の成果が発揮される場所となったのが、7月3日に東京武道館で行われた東京都ジュニア柔道体重別選手権大会だ。本学からは国弘が唯一の出場者となり、73`級に出場した。試合直前は精神統一をおこない、いつにも増して他をよせつけないほどの緊張感が漂っていた。組み合わせの都合上、二回戦からの出場となるも、強豪大学の数々の選手を倒し勝ちあがって行く。惜しくも準決勝で有効を取られ敗退となったが、見事三位に輝き、全日本ジュニア大会の出場権獲得という素晴らしい成績をおさめた。本学柔道部での全日本の個人出場は、一昨年の勝又に続き国弘が三人目となる快挙である。 また、今回の素晴らしい結果の裏には先輩方の献身的な協力もあった。釼田(つるぎだ=済3)は対戦相手の情報をしいれ、結城(文2)は技の練習のため自らの体をかすなどと、後輩思いの先輩に恵まれていることも、大きな支えとなっていたのだ。試合後のインタビューでも「先輩方のサポートには本当に感謝している」と話す国弘選手だったが、試合結果については「実力だけではなく、運もあった」とあくまで謙虚な姿勢でインタビューに応じていた。 今回は一人での出場ということもあり、かなりの緊張もあったようだが、そのような緊張に打ち勝つきっかけとなったのは、高校の時の後輩の存在だったという。後輩が福岡のジュニア大会で優勝したことから、自らも負けられないと感じ、階級はちがうものの互いに全日本で会うためにも負けてはいられないと精神を奮い立たせ、いい刺激となったようだ。 そんな彼の今後の課題は、精神力を鍛えることと、実力をつけて少しでも上に行けるようになることだと話してくれた。モチベーションも高く、熱い闘志を抱く国弘選手に今後も目が離せない。 (8月2日・堤美佳)
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