射撃部

〜ミリの世界で競うスポーツ〜



 銃を構え標的を狙う武田
  ミリの世界で競うスポーツ、それがライフル射撃だ。
  信じられるだろうか?10a四方の標的の、さらに中心の1ミリにも満たない白い10点の"点"。その点が10メートル離れた場所から発射された弾によって打ち抜かれていく、その正確さを。
  「いかに10点を取っていくかではなく、いかに10点をはずさないか、なんですよね」。そう語ったのは、主将の内田(法4)。彼が束ねる立大射撃部は、富士見グラウンド内の射撃場でAR(エアーライフル)の練習(※)をしている。この射撃場、ただの射撃場ではない。分析装置という、構えた銃の揺れの大きさをミリ単位で分析し、x、y軸を用いてデータ化する高度なシステムも備わっている。銃を構えたその姿勢、一見動きが止まっているように見えても、銃口には小さな揺れが存在する。揺れをいかに少なくし、その揺れの中でトリガーを引くタイミングを合わせることが、「10点をはずさない」重要な要素だ。
一円玉と比べると、標的の小ささがよく分かる
  右の写真を見てほしい。左が発射前、右が発射後の標的の写真である。見事10点の点を撃ち抜いただけではなく、9点の円の中に弾が納まっている。このときの射手は武田(異4)。高校から競技経験があり、部を引っ張っているひとりだ。数年前まで立大射撃部は「経験者がいない」というデメリットがあった。しかし、経験者が入部してきたことで選手層が厚くなり上位を狙える雰囲気になってきたという。
  5月に行われた春季関東大会では、男女とも団体総合では思うような結果が残せなかった。しかし、男子種目別団体で3位、個人では舘(観3)が6位入賞を決め、自己ベストを更新する選手が続出するなど、着実に全体のレベルは上がっている。次の試合は、9月に行われる秋季関東大会。全日本大会出場がかかった大一番だ。
  ミリ単位の調整に精神を研ぎ澄ます立大の射手たち。彼らはもうすでに、全日本という"頂点"に、照準を合わせている。
(8月2日・三浦美紀)

※ライフル射撃には、AR(エアーライフル)とSB(スモールボアライフル)の2種類がある。立大射撃部は、ARの練習を富士見グラウンド内射撃場で、SBの練習を埼玉県長瀞総合射撃場で行っている。







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