レスリング部

〜主将・増田賢太郎〜


  11月12・13日に岐阜県中津川市で行われた第37回内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権。立大レスリング部から今大会に出場した選手は主将・増田(コ4)、ただ一人だった。結果は初戦敗退。彼は今大会で引退を迎えた。
試合に向かう増田
  その4年間は決して平たんな道のりではなかった。部の慢性的な人数不足、特に重量級選手の欠員に悩まされ、団体戦では常に階級を上げての戦い。練習も満足にはできず、自身の出身校や他大学へ出稽古にいく日々。リーグ戦では3年連続で2部準優勝。毎年1部との入れ替え戦には進むものの、昇格を逃し続けてきた。
  他大学からの誘いもあった中での立大進学。そしてぶち当たった環境という壁。彼自身、後悔したこともあったという。それでも彼は「(練習を)さぼってもやること無いんだよね。暇で仕方ない。レスリングしかやってきてないから」と笑いながら語った。その言葉こそ、逃げることなく、レスリングという競技に誠実に向き合ってきた証だろう。
  「"主将として"より"選手として"を意識しやってきた。一人で出稽古にも行っていた」という増田。しかし、4年間共に歩んできた坂東マネジャー(コ4)は「みんなを引っ張っていってくれる主将だった」とそのリーダーシップを高く評価している。増田が引退した後、新主将には吉田(観3)が就任。チームをまとめる立場にありながらも、「一匹狼的なところ」(増田)が増田と似ているという。増田は「主将という立場で立大レスリング部を優先しすぎた。責任はあまり気にしない方が良い。どこかに行くならみんなで。一人で行きたくなる気持ちもわかるけどね」とアドバイスを送った。
  人数不足という苦しい状態は変わらないが、増田のレスリングと真剣に向き合う姿勢を引き継ぎ、吉田新主将の下、立大レスリング部はさらなる成長を見せてくれるに違いない。来春こそ、1部昇格を成し遂げるだろう。
(11月21日・石谷香菜子)








Copyright (C) 立教スポーツ編集部, All Rights Reserved.