スケート部スピード部門

〜「メダカを見守るカメラマン」〜


  「謙虚で純粋、今の日本ではメダカのように絶滅危惧かもしれない」。あるプロカメラマンはそう日本ショートトラック界(選手)を表現する。


先頭を目指し、滑る河合
  名古屋で国民体育大会冬季大会が行われるということで"氷上の競輪"と呼ばれるショートトラックの取材に行ってきた。普段は写真撮影の許可が容易なのだが、国体だからなのか、今大会は一苦労。目的や経緯を話し、承諾を得るまで時間がかかったものだった。会場の外では特産品や国体限定商品などが販売されており、県全体で盛り上がりを見せる。中でも多くの観客が声援を送り、日本代表・伊藤(トヨタ)や日本代表・酒井選手(岐阜ク)が優勝を果たし、熱い試合が繰り広げられた。立大からは河合(文3=埼玉県代表)が出場。500M、1000Mともに準々決勝敗退という悔しい結果に終わったが、「いろいろ勉強になった」と大会を振り返っていた。今後に期待したい。
  2014年にソチ五輪が控える現在、日本のショートトラック界は大きなチャンスを迎えているのではないか。あるコーチが女子選手らはレベルが高いと話すように、世界戦でも結果を残し、メダルを十分狙える位置にきている。昨年女子サッカー日本代表はW杯で優勝を果たし、世間の評価を180度変えて見せた。また昨年ショートトラックとフィギュアスケートは同時期に全日本選手権が行われたのだが、注目はフィギュアスケートにあった。浅田真央や高橋大輔など世界で活躍する選手の結果の差であると強く感じた。


コーナリングで勢いをつける菊池
  そんな今、立大からソチ五輪選手が誕生するかもしれない。今大会は怪我のため出場を見送った菊池悠希(営3)である。W杯や世界戦の選考会であった全日本距離別で9位、全日本選手権でも10位(上位6名が日本代表)と年々レベルアップを遂げている。彼女自身も「もうワンランク上がれる気がする、ソチ五輪まで頑張りたい」と手応えを感じた表情で先を見据えていた。
  結果を残すことで、きっと世間の目は変わってくるだろう。「素敵な写真を撮り、発信・発表し、1人でも多くスタンドがいっぱいになれば、選手のモチベーションも上がり、アドレナリン効果で日本にメダルラッシュ!」と語るあるカメラマンには、その日が見えているのかもしれない。
(2月6日・石井文敏)





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