重量挙部

〜ウエイト体験記〜


  重量挙のバーベルを持ったことがある人はどれくらいいるだろうか?おそらくほとんどいないだろう。私も大学生活でそのような貴重な体験をするとは夢にも思わなかった。
  私は「立教スポーツ」編集部の部員として重量挙部の取材に足を運ぶうちに、重量挙というスポーツに興味を持ち始め、競技を見る側だけでなく、競技をする側の体験もしてみたいと感じるようになった。部員の方々が快く練習に誘ってくれたこともあり、私にとって人生初のウエイト体験が実現した。
  久しく袖を通していないジャージに着替え練習開始。まずは、ウォーミングアップでなまり切った体をほぐしていく。準備運動を終えると、シャフトというバーベルの棒の部分を持たせてもらった。フォームを教わりながらバーベルを挙げる動作を何度も繰り返す。シャフトの重さは20kg、運動不足の私でも全く問題のない重さだ。隣では私と体重が同じくらいの深谷(異2)が70kgのバーベルで私と同じメニューをこなしている。女子選手の桐山(コ3)も重いバーベルを軽々と挙げている。(案外いけるんじゃないか?)。私は自分を過信していた。しかし、後にそれは愚考であったと思い知らされることに。

  練習にだいぶ慣れてきたところで、私はクリーン&ジャークで自分の限界に挑戦することになった。重量挙は2つの種目の合計記録で順位を争う。一気にバーベルを持ち上げるスナッチと一度肩に乗せてから挙げるクリーン&ジャーク。後者は初心者でも比較的簡単にできる種目だ。まずはシャフトを使ってクリーン&ジャークの一連の動きを練習する。技術的なことを教わり反復練習が十分できたところでいよいよ本番。
  まずは30kg。(なんだ、楽勝じゃん)。入念に動きを練習していたので難なく挙げることができた。続いて35kg。(うん、問題ない)。「まだまだ余裕だね」とおだてる主将の播木(コ4)、「余裕です」と調子に乗る私。バーベルの重さは40kgに。(うーん、まだ大丈夫かな?)。クリーンが多少きつかったが余力を残して成功。しかし、私の笑顔は引きつっていた。迎えた45kg。全身全霊をかけてクリーンに臨む。(あれ?クリーンできない)。驚くべきことに5kgの増加で重量感が全く違った。しゃがみこみ何とかクリーンし、ジャークに挑んだが失敗。その後アドバイスをもらってなんとか挙げることができたものの、これが自分の限界だと思い知ったため挑戦は終了。そして天狗の鼻は見事に折られてしまった。
  練習を終えた後はみんなで昼食。ムードメーカーの播木が食卓(床で食べたけど)に笑いを届ける。運動をした後のご飯は最高においしかった。

  今回のウエイト体験では、多くのことを学ぶことができた。見る側からは決してわからない重量挙の楽しさ、難しさ、奥深さ、バーベルの重さを感じて初めてわかる選手の努力の重み。今回の経験はきっとこれからの重量挙取材、いや、「立教スポーツ」編集部の全ての活動の糧となることだろう。
  ありがとう、重量挙部。これからもよろしくお願いします。

(4月25日・高野佑太)





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