フェンシング部

〜足りないのは部員だけ〜


   1年で最も重要な試合であるリーグ戦直前。貴重な練習時間を犠牲にして、新歓活動を行う選手たちの姿があった。フェンシング部の一番の悩みである「部員不足」。現在部員数は男子7名、女子2名。フルーレ、サーブル、エペと3つあるフェンシングにおいて、この部員数は非常に少ない。特に団体戦は1チーム最低3名必要になるため、メンバー調整は火の車。女子に至っては1名メンバーが足りないため、45点マッチのうちの15点をハンデとして背負わないといけない。

リーグ優勝を決め喜ぶ2人
  5月のリーグ戦。女子の佐藤(コ3)、逆瀬川(法2)は2人でエペ3部リーグに挑んだ。結果は15点のハンデをものともせず、見事にリーグ優勝。2部との入れ替え戦に駒を進めた。迎えた青学大との入れ替え戦。本来攻めるのは得意ではない2人だが、序盤から積極的にポイントを稼ぐ。ハンデをものともせず一時はリードも奪った。しかし、終盤に力尽き43−45で惜敗。3部残留が決まった。試合後に「悔しい」と語った2人。3回目のリーグ戦でまたしても昇格を逃してしまった佐藤からは大粒の涙が流れていた。しかし、8分間の長いインタビューでハンデを言い訳にすることは一度もなかった。「自分のプレーがダメだった」。
  苦しい状況に立たされているフェンシング部。しかし、この部の雰囲気は非常に明るい。試合前の彼らの表情は常に明るく、どんな時でも笑顔が絶えない。我々取材班に対しても気さくに話しかけてくれる。私自身、この部の取材を2年以上続けてきたが、部員の悪口を聞いたことがない。それくらい彼らの信頼関係は厚いものなのだろう。
  実力はある。チームワークも良い。足りないのはプレーヤーだけ。「なんとかして3人で(リーグ戦に)出られるように」(佐藤)。少しでもフェンシングに興味のある方は、彼らの練習場に顔を出してみてはいかがだろうか。
(7月5日・古谷駿太郎)





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