ボート部

〜優勝へのこだわり〜


   「優勝しか見ていない」。インカレに向けて、そうさらりと言ってのけたのは立大のエース栗山(済4)だ。
  2年次には新谷(11年度卒)と共にインカレ男子ダブルスカルで3位に、また同年日本選手権では男子シングルスカルで8位に入賞するなど、これまでも大舞台で輝かしい成績を残してきた栗山。そんな彼は部のムードメーカーでもある。3年次からは部の副将にも就任し、持ち前の明るさとその実力で部を牽引(けんいん)してきた。
  立大ボート部は例年5〜6月に行うシートレースの結果でインカレに出場するクルーを組んでいく。しかし今年、栗山は男子シングルスカルでのエントリーを監督に直談判した。その裏にあったのは優勝へのこだわりだった。栗山の今一番ほしいもの、それは「インカレ優勝」というタイトルだ。10年間ボートを続けてきたが、未だ全国規模の大会での優勝経験がない。最後に、どうしても「優勝」というタイトルが欲しい。ボート人生の集大成とするべく、自身の力でしっかりとけじめをつけるつもりで申し出た。
今年4月お花見レガッタ表彰後の栗山
  今シーズンの栗山は、5月に一度調子を落としたものの、6月の東日本インカレで優勝、7月の東日本選手権でも2位に入り復調した。しかし「インカレで優勝するためにはあと一段階、二段階上がらなきゃいけない」。冷静に現状を分析した上でこの夏のテーマに設定したのは、自分自身への厳しさを持って漕(こ)ぐこと。「チームなら他の人が漕いでるからどんどん漕げる。シングルだと自分次第。やりたくなきゃやらなくていいし、止まりたきゃ止まれる」。昨年までは自身に負けてしまうこともあったという栗山だが、今年こそ打ち勝ってくれるだろう。
  エースのラストイヤーもいよいよ大詰め。インカレ最終日には、表彰台の一番上から最高の笑顔を見せてくれるに違いない。
(8月1日・石谷香菜子)





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