軟式野球部

先発エース・佐藤の描く「物語」


   春季リーグ戦が開幕し、勢いに乗りたい軟式野球部。躍動の鍵を握るのは先発エースの佐藤(文3)だ。開幕戦では7回途中まで1失点の好投で勝利に貢献。ゲームを作る役割をしっかりと果たしている。

   佐藤の投球スタイルを一言で表すなら「器用」だ。力のあるストレートを活かしながら多彩な変化球で打者を手玉に取るその投球術は「技巧派でも本格派でもない」(佐藤)。

   幼少時代から野球と共に人生を過ごしてきた佐藤。ポジションもずっとピッチャーだ。本人も「投手しかできない」と投手へのこだわりをあらわにした。中でも彼がこだわるのは「先発投手」。

   「ゲームは物語。先発投手は物語を紡ぐ役割。自分には、誰かが書いた物語の続きから書くことは緊張するし、難しいので」。そう笑う佐藤からは、まっさらな、まだ誰も立っていないマウンドに対する熱い気持ちが伺える。「いつ、どのタイミングで、どういう球を投げるか。そういうことを意識する事で、物語を作り上げる。そこに投げる楽しみを強く感じている」。

   彼が投球術を繰り広げる上で、チームのサポートも欠かせない。「周りのみんなが試合を楽しんでいて、それで自分も盛り上がれる」。野球というスポーツで投手がゲームを創りあげる。その過程において最も重要な役割を果たすのは仲間であるに違いない。「チームの雰囲気がとてもいい」。それは彼のストーリーをより明るく、楽しいものにしている。

   チーム一丸となって優勝を目指す彼ら。佐藤のつづる毎試合の物語が明るくなればなるほど、リーグ戦というストーリーはハッピーエンドへ駒を進めるに違いない。

(4月8日・川村亮太)





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