アメリカンフットボール部

日米友好の懸け橋―TOMODACHI BOWL―


  3月9日、厚木米軍基地内のReid Fieldにて、アメリカンフットボール日米親善試合である「TOMODACHI BOWL」が開催された。2008年から行われている親善試合を前身とした今大会は日米間でのU-19の試合であり、日本チームには毎年2校が選抜される。
  三回目となる今年は立大、慶大の1年と両校付属高校の選手が合同となり「Team Rising Sun」を結成。米軍基地などのアメリカンスクールの選抜メンバーである「Team USA」と対峙(たいじ)した。

  日米ともに多くのオーディエンスが見守る中、試合はキックオフ。フットボールの本場であるアメリカの選手たちは、持ち前の強じんなフィジカルを用いた豪快なプレーで会場を沸かせる。対する日本勢はシリーズごとに立大と慶大が交代してプレーを行い、クイックネス、丁寧さを武器に奮闘を見せた。
  前半はアメリカに終始圧倒されていた日本勢だったが、時間がたつにつれ徐々に相手の動きに対応していく。第4Q、立大はランプレーで堅実にボールを前に進め、着実に陣地を伸ばしていく。残り3y地点までたどり着くと、QB#32田中(観1)はパスを選択、投じられたボールはエンドゾーン内にいたWR#10鈴木理央(立教新座高)の手の中に。代表としての意地を見せ、日本勢初のTDをもぎ取った。
  その後には慶大もTDを決めるなど巻き返しを見せたが、結果は13―68で敗北。「この悔しさをばねに、自分たちが今後主力になるぐらいのレベルになれれば」と立教のチームリーダーであるDB#49小松(法1)はこの試合を糧に成長を誓った。

  この大会が「TOMODACHI BOWL」と呼ばれるようになったのは3年前の東日本大震災に起因する。
  震災発生の三日後、米軍は延べ4万人もの被災地支援部隊を東北に派遣し、人命救助や物資支援に尽力した。そのような日本に対する復興支援の名称は「トモダチ作戦」。アメリカの誠意ある活動への感謝を忘れないために、翌年の2012年に、以前までの「カメリアボウル」から「TOMODACHI BOWL」へと名称を変えボウルゲームが行われるようになった。


  震災から3年が経った今も、日米友好の懸け橋として――。「TOMODACHI BOWL」によって、あの時の記憶は今後も紡がれていく。
(3月15日・塩田将平)




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