5月11日、関学大にて今年の初戦であるオールミッションが開催された。立大はライバル・明学大に勝利するなど快進撃を見せ、34年ぶりの3位に輝いた。
立大のメンバーの中には、約1年ぶりにエースの姿があった。松尾祥希(異3)である。明学、青学との試合では盤石の柔道で勝利。さらに同大会優勝の関学大戦では、体格で上回る相手に引き分けるなどエースとしての存在感を示した。 日本とは異なり、米国の大学には柔道部が存在しないのが一般的だ。松尾の留学先の大学も例外ではなかった。そこで松尾は知人の紹介を受けの町道場に通うことに。練習パートナーは、子供から大人までの現地の米国人。競技人口が少なく、柔道の実力では日本にはるかに劣る米国だが、柔道に対する研究熱心な態度や礼儀を重んじる姿勢は一流のものがあった。そんな彼らとの練習は柔道の原点に立ち返るきっかけとなる。 「技の掛け方とか熱心に聞いてくるので教えるのですが、そこで自分が普段どこに気をつけてやっているのかが分かったのでよかったですね。自分にとっていい基礎練習になりました」。「彼らは道場に入る前も、終わった後もしっかり礼をします。また人を敬う気持ちもあるので、柔道としっかり向き合っているなと思いました」。 全米選手権を制すなど、出場した大会全てで優勝した松尾。確かな成長の証を手土産にチームに帰ってきた。 松尾の目標は、自らのラストイヤーである来年に1部に昇格すること。そのために今年は、2部大会で3位以内に入って、来年にいい形でつなげたいと意気込む。昨年、不甲斐ない1年に終わった柔道部。復活そして飛躍へ、帰ってきたエースがチームを導いていく。 (6月23日・小原覚)
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