バレーボール部

"立大バレーボール部"の形



  現部員数が選手9人、マネジャー3人の計12人。立大バレー部は少人数というハンデを持ちながら上位リーグ相手に奮闘していた。しかし、今年の春季リーグ戦では、くしくも3部降格。悔しさを噛みしめながらも、すでに気持ちは秋季リーグへと向かっている。数の少なさというハンデを補うほどの、彼らの強みは「チーム力」だ。

  「基本的に細かいことはすべて部員でやるように言っています」(根本監督=79年度卒)。この言葉通り、立大バレー部は学生主体でのチーム作りが行われている。チームの雰囲気や人数状況を考慮し、部員たち自らが決めた練習メニューをこなしていく。この夏は新たにトレーナーを呼んでのトレーニングを練習に組み込んだ。「筋力と持久力のアップをして、技術的な面以外のところで高めていけたら」(岩間=コ4)と、春季リーグで浮かびあがった課題を皆で話し合った結果である。部員たち一人一人が意見を出し合い、チームを作り上げていた。

  また彼らは個人個人で自らの役割を認識し、日々の練習に励んでいる。エースである井祐(営2)は「練習のための練習にならないように」と、練習中でも常に試合の中での動きをイメージ。嫌われ役を背負ってでも「厳しさを持ち合わせた、チームに良い緊張感を持たせるような存在」でいたいと話した。4年の岩間は「今いる選手に来年のことをしっかり考えさせたプレーを」と、自身が引退した後のことを考えての行動を心掛けているという。各自が「部のために何ができるのか」という考えで動き、チームの士気を高めていた。

  夏からは新たなメンバーも増えた。高校からバレーをやっていた須崎(理1)が入部。東郷(法3)は「最後の2年間ぐらいは本気でバレーボールをやろう」と、バレー同好会から体育会へと転部してきた。「夏の間に少しでも今のポジションに慣れられたら」(須崎)、「闘志や熱意を取り戻して、なるべくみんなを助けられるプレーを」(東郷)と、即戦力となりうる2人がチームに新たな風を吹き込んでいく。

  「考え方が違う彼らがいろいろ試みた結果、自分たちで方向を決めていく。そういうのが本当の体育会活動だと思います」(根本監督)。大人たちは「支える立場」であり、部員たちの主体性を第一とするのが立大バレー部の形であった。そのような中、部員たち自ら定めた目標は「3部全勝優勝、2部復帰」。今季で引退の主将・野間(済4)は、「最終的な形として、後輩を2部に上げられたら」と目標達成に向けての決意を語った。
(8月24日・塩田将平)




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