空手部

全員で楽しく


観客席から声援を送る部員たち

   11月23日、大阪の地にて行われたインカレをもって、宮武(コ4)組の1年が幕を閉じた。結果は男女共にベスト16。目標としていたベスト8の壁は超えられなかったものの、男女揃って16強入りした大学は全国でも8校しかない。強豪校に名を連ね、結果を残した立大空手部のメンバーには常に「全員で楽しく」という意識があった。
   新チーム始動にあたり、主将の宮武はミーティングを行った。個人と部全体の目標を立て、目標達成シートを作成。実現に向けたアプローチを行った。選手はもちろんのこと、マネージャーと留学生にもミーティングに参加してもらった。「なぜ全員呼んだかと言うと、立大の空手部は人数も多くないし、ずば抜けて強い人がいるわけでもないと。だから試合に出る出ないは関係なく、全員でやらなきゃ勝てないよねと。そこで全員で楽しく勝っていこうねと話をした」(宮武)。そこから「全員で楽しく」という意識がチーム全員に芽生えた。
   それぞれが役割を自覚し、戦ってきた1年間。男女、学年、レギュラーなどの垣根を超えて、他の大学にはない団結力を作り上げた。その集大成がインカレでの男女ベスト16入りだ。2年生ながら男子の主力である希代(文2)と鈴木(済2)の言葉が、チームの1年間を象徴していた。「1年間、みんなで戦う、みんなで作ろうという風にやってきて。最後にみんなで本当に気持ちをひとつにして戦えた」(希代)。「みんなで目標を共有して頑張って来れて。そうしてなかったら、逆にべスト16にも来れていなかったのかなと思う」(鈴木)。
声を掛け合う女子

   団結力を作り上げることに尽力したのは、宮武だけではない。幹部である4年生が協力し合ってきた。副将の染谷(文4)は「自分が納得している姿をみんなに見せることで、宮武が言いやすくなる環境がある」と、自らの背中で後輩を導いた。「気持ちや雰囲気作りは一緒に」と女子主将の茂木(観4)も足並みを揃えた。主務の塚本(文4)は「後輩とご飯に行ったり遊びに行ったり、色々聞ける機会としては良いかなと思って」と積極的に後輩と交流した。「みんな個性的で、とてもバラバラな感じはするんだけれども。実は仲も良いしつながっていて、バランスも取れている」。それぞれ違う特徴を持ちながらもお互いをフォローし合ってきた同期のことを、宮武はこのように語った。先日の幹部交代式で、池田監督(1995年卒)は今年のチームのことを次のように語ったという。「今まで色々なチームを見てきたけれど、このチームはその中でもまれに見る良いチームだったよ」。4年生が作り上げたチームの雰囲気は、後輩のみならず監督にもしっかりと認められていた。
試合前に気合いを入れる男子

  その上で宮武が後輩たちへ期待したいこととして掲げたのは、「立教の今まであったチームの中でももう敵わないです、ってチームを作ること」。自分たちのような達成感を後輩たちにも味わって欲しい、という思いがあった。しかし、先輩の背中を追うだけではいけない。新しいチームの理想を見つけ、掲げ、目指すことが求められる。

   後輩たちとしては、先輩たちが築き上げてきたものを大切にしたいはずだ。「本当に1年間楽しかったなと思いました。こういうチームの色が好きだったからこそ、絶やしたくないなというのはすごくあります」(希代)。「全員で楽しく」という先輩の色は受け継ぎつつも、新たな目標を模索することになっていくだろう。下級生の頃から主力としてチームをけん引してきた4年生の抜けた穴を埋めることは簡単ではない。より強固な団結力や、自分たちなりの目標の設定が必要だ。「責任感もあるし、頑張り屋。」茂木は後輩たちをこのように評する。先輩も認める努力家な一面と、今年1年間チーム作りを側で見続けた経験を糧に、立大空手部はこれからも良いチームであり続けるだろう。
(12月14日・糸瀬裕子)




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