ホッケー部男子 武田祥太

   各部の中で1人の新入生を取り上げるセントポールズルーキー企画。今回は、秋季リーグへ期待がかかるホッケー部男子を取り上げる。グランドホッケーはスティックと呼ばれる棒を芝生のグランドに沿わせながら、球を打ち、ゴールにシュートするという競技でオリンピック種目にもなっている。私自身、大学に入学してからこの競技に出会ったが、今では試合中に選手たちが繰り広げる熱きドラマにすっかり魅了されている。 今回の企画で取り上げる新入生は武田祥太さん(文1)。なんと彼は、小学生の頃にグランドホッケーを始め、高3の時には国体優勝を勝ち取ったというスーパールーキー。そんな部の新星にインタビューを行った。



真摯にインタビューに答える武田

―いつからホッケーを始めたのか?
小学3年生からです。姉が最初に始めていて、それで一緒にという感じです。本当はサッカーとかをやりたかったのですが、親が「面倒だから、お姉ちゃんと一緒にホッケーをやったら?」と言われ始めました。(―ホッケーはどちらかというと、メジャーではないスポーツだと思うが、小学生が参加できるチームはあるのか?)チームは自分の地域だけというか、地元だけでやっている感じなので、そんなには多くはないですね。
―自分のホッケーでの持ち味はどういったところだと思うか?
高校までと全く違うポジションをやっているのですが、高校まではずっとキーパーをやっていたので、視野が広く遠くまで見ることが出来ると思います。キーパーは後ろから見ているので、その視野がプレイヤーでも活かせるかなと思いますね。(―大学でキーパーをやりたいとは思わなかったのか?)それもありますが、自分の中でそろそろキーパーはいいかなと。別のこともやってみようかなと思って。折角なら、ポジションを変更してみようかなと。
なんと今まで「ゴールキーパー」として活躍していたという武田さん。プレイヤーという新境地に挑む彼にとって、大学での突然の出来事は転換期となったことだろう。 次にホッケーをプレイしていく上で重要視していることを伺ってみた。
―ホッケーをやっていく上で大切にしていることはあるか?
なるべく「声掛け」をしたり、周りに指示とか「ドンマイ」とかそうした色々な種類の声を掛けることは気を付けてやっています。高校までのポジションはキーパーだったので、サッカーなどでもそうですけど仲間を動かしてディフェンスをすることが大切なので、声掛けというのは絶対的にやっていたことでした。なので、そのまま流れで、今でもやっています。
キーパーで気付かされた「声掛けの大切さ」を活かして、試合でどんなプレイを魅せるのか――。今から彼の試合中での在り方が楽しみだ。 次にそんな魅力が詰まった彼の今までの実績に迫った。
―今までの実績を教えてください。
一番大きかったものとしては、国体優勝ですね。去年、2015年の10月のことですね。高校最後の試合でなんとか国体優勝をすることができました。(―国体優勝までは様々な苦難があったと思われるが、どうして成功できたか?)チームとして、一人ひとりの技能・技術が僕たちの代が高かったというのがあると思います。一人ひとりが高かったのもあるのと思いますが、決勝の相手は結構インターハイなどで負けていた相手で、実力的にも勝てない相手だと思っていたのですけど、やはりその時はチームとして戦術を組み立てたり、ミーティングとかも長めにやったりしたのでチームのコミュニケーションから生まれた戦術がやっぱり強かったのかなと思います。
国体優勝をチームで勝ち得たという武田さん。大舞台を勝ち抜くだけのホッケー魂をぜひ立大ホッケー部でも発揮してほしい。 次に彼のホッケーへの真の思いについてインタビューした。
―ホッケーをやっていく上での挫折はあったか?
高校はホッケー中心で選んだので、自分のポジションと結構被る人とかいて、その人や日本代表に選ばれている人や、先輩や後輩など日本代表選手だった人とかが多かった。そのため、ポジション争いが激しくて、そこは負けないようにしていました。やはりどうしてもレギュラーは欲しかったので、「サブでいいや」という気持ちではなく、絶対にレギュラーになるという気持ちで挑んでいました。みんな先輩も後輩も凄かったので、そうしたところで挫折を体験しましたかね。(―なぜ続け来られたのはなぜか?)小学生の頃からホッケーが強い地域やってこられて、指導者の人も他の地域に比べて指導者がしっかりしていたかなというのはありますね。小中高通して、中途半端な指導者ではなくて、しっかり教えてくれる面倒見がいいコーチとか先生方に出会えたのが一番大きいかなと思います。(―ホッケーから学んだこと、得たものはありますか?)ホッケーはチームスポーツかつマイナーな競技なので、競技している人数が少なくて、県外の人ともよく練習試合をしたりするので、友達というか交流の幅というのは広がったのかなと思います。
ホッケーから得たこれまでの学びによって、今の彼がある―。彼が4年間で部に与える影響力は人一倍強いだろう。 次に、進学してから数か月が経過した大学生活、そして立大グラウンドホッケー部の雰囲気について語ってもらった。

ドリブルで相手と対峙する武田

―立教大学に進学して、環境になれたか?
だんだん慣れました。田舎で今まで、生まれて育ってきて、小中高と地域の学校で、ホッケーのある学校が地域の学校だけだったので、やっぱり新生活は初めて県外とか広い地域で色んな価値観を持った人に出会えて、楽しいなと思います。(―立大のホッケー部の雰囲気は?)雰囲気がいいなというのが第一印象で、先輩後輩間の厳しさもいい意味で有り、逆に全部厳しいわけでもなくて、いい方向で優しくて、いい方向で厳しいことが魅力だなと思います。合宿で栃木に来ていた時があって、丁度練習会に参加したことがあって、その時に自分は初めて行ってどんな人がいるのだろうと緊張していたんですけど、みんな一人ずつキャプテンだけじゃなく、色んな人が話しかけてくださって、仲良くなることができて雰囲気がいいなと思いました。
新しい環境で得た部の仲間や友人との出会いが、彼の新しい価値観を形成している。彼は、心身の急激な成長を遂げている。彼が部において感じている「良い意味での厳しさ」は、彼が部を支える存在になってからも継承されていくことだろう。 最後に立大グラウンドホッケー部での今後の立ち位置や、目標、また意気込みについて伺った。
―ホッケー部でどのような存在になりたいか?
一番経験が積み重ねた分あるので、ピンチの時とか一点がどうしても取れない時とか、そういう時に点が取れたり、大事な局面で何か発揮できるプレイヤーになりたいなと思います。 (―4年間での目標は?)今立教のホッケー部は2部なので、1部に4年間のうちに上がれればなと思います。個人としてはボールの回し方をしっかり考えて、裏方に徹したりできるプレイヤーになりたいです。
―先輩方、同輩にメッセージを

自分も頑張っていくので、共に頑張っていきましょう! インタビュー中、常に真剣なまなざしでホッケーや部について熱く語ってくれた武田さん。部の練習から、武田さんのホッケーには正確さとプレーに対して物怖じしない勢いが感じられた。先輩に交じって練習した際には、決してプレーに妥協せず、球を取るために必死に先輩に向かって食らいついていた。「後輩だから……」。そんな甘い考えは、彼の中にはない。またインタビューで語っていたように、仲間に対する「声掛け」も練習中から頻繁に行っていた。掲げていた目標は、達成されつつある。 ついに開幕した立大ホッケー部にとって勝負の秋季リーグ戦。武田さんは「18」という番号を背負い、初戦から試合に出場している。部の戦力になるため、相手に立ち向かい、先輩と共に奮闘している。今までに蓄積されてきたホッケーのノウハウを存分に発揮して、プレイヤーとして、部に貢献する存在に彼は着実になりつつある。彼はこれからのホッケー部を切り拓いていくまさにセントポールズルーキーであるといえるだろう。今後の彼の活躍、そして「2部優勝・1部昇格」という大きな目標に向かって尽力する立大ホッケー部男子から目が離せない。



(7月1日 取材・百瀬早紀、小林桂子/編集・小林桂子)



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