あの子にエール!
マネージャー・トレーナー 特集リレー


第14回
サッカー部マネージャー 中村奈央さん
前回の軟式野球部の小泉さんに引き続き、今回も3年生マネージャーをみなさんにご紹介します!部員数が100人を超える大所帯のサッカー部。その中で唯一の3年生マネージャーとして選手を、そして部を支えているのが中村奈央さんです。幼い頃からサッカーが大好きだったという彼女のマネージャーとしての素顔に迫りました!

――マネージャーになったきっかけはなんですか?
入部したのが4月の末くらいで遅かったんですけど、それまでは大学にはいったら自分が運動をしようと思っていました。バドミントンをやっていたのでいろいろな部活やサークルを見て回っていたんですけど、ピンとくるところがなくて何をしようか考えていました。その時に元々友達だった同じ学科のサッカー部の人に声をかけられました。この代はマネージャーが私1人なんですが、その当時、誰も新入生のマネージャーが入部していなくて大変な状況になっていて。部のみんなが勧誘を頑張っていて、「1回練習に来てみたら?」と言われて行ってみたら案の定すごくきつそうで絶対に入部しないと思っていたんですけど、気づいたら入っていました。体を動かす以外のことはあまり考えていなくて。だから自分がマネージャーをやるとは思っていなかったです。
――サッカーは元々好きだったんですか?
家が横浜の日産スタジアムのそばにあるんですが、それでJリーグの横浜F・マリノスが小さい頃から好きで。その影響もあってサッカーは子どもの頃からすごく好きですね。とにかくサッカーばかり見ていました(笑)。サッカーはいつも身近にあるという感じでした。


――サッカー部のマネージャーの仕事内容を教えてください
グラウンドでやる仕事と人に見えないところでやる仕事、大きく分けてこの2つがあります。グラウンドでの仕事は、ボトルの準備だったりテーピングやアイシングなどの身体のケアに関することだったりがマネージャーのやる仕事の1つです。でも実は見えないところでやる仕事の方が大変で。広報・財務・渉外の3つの係に分かれてそれぞれ仕事をして、今私は広報と財務をやっています。広報はホームページとかSNSの管理や更新など外に自分たちの情報を発信していく仕事をしたり、リーグ戦の試合で当日のメンバー表を作って印刷して配布したりとか。あとは部のグッズを考えて作って売ることも広報がやっていて、売り上げで備品を買ったりしています。財務は、部活に関するお金のことは全て管轄していて、選手から部費を集めたり学連に払うお金を振り込んだりしています。OBの方たちが払ってくれているOB会費も、様子を見ながらどういうことに使っていくかを相談することもしています。渉外は、OBの方たちや今後入部を考えている高校生の子たちとの架け橋になる役割をしたり、サッカースクールの仕事を運営したりしています。とにかく一人一人が自分の役目を持っていろいろな仕事をし ています。選手にはあまり見えていなかったり分かっていなかったりする部分ではあると思うんですけど、自分を犠牲にすることが多い仕事かなと思っています。
――部活をしていて楽しいことはありますか?
毎年年末年始にやっている選手権(全国高校サッカー選手権大会)を見に行っていたんですが、そこで見たことのある選手が同期にいたことですね。星稜(石川)の古川くん(裕也=済3)とか桐光学園(神奈川)の三浦くん(凌=法3)とか、「自分が観客としてスタンドからプレーを見ていた選手が目の前にいる!」と思って最初はびっくりしていました。あとはサッカー関係の仕事に就きたいと思ってずっと昔からやってきたので、ここにいるといろいろなサッカー業界の人とお話ができたりいい縁が作れたりしますね。やっぱりそういう部分はここにいるからこそかなって思います。
――マネージャーのお仕事をやっていて良かったなと思ったことは?
強くなりました(笑)。同期のマネージャーがいない中で、なんでもその学年がやる仕事は全部1人でやらなくちゃいけない環境でずっとやってきて、何でも1人でできるようになって。それは1人だからこそできたというか。もちろんつらかったけどほとんどの役職をすることができて、来年今の4年生の先輩が抜けて1人で上に立ってもいろいろな場所から部を見てきているので、それは生きるかなと思います。同期がいなかったからこその経験ができたという部分では良かったなと思います。
――部員数が100人を超える大所帯になってきた中で、マネジャーの数は少ないなという印象を持っています
4年生が引退したら4人になってしまって。今選手は4つのカテゴリで練習をしているから、みんな1人で練習だったり試合だったりにつくことが当たり前になってしまいますね。不安ばっかりですね(笑)。自分1人だからこそ良かったと思う部分もたくさんあるけれど、先輩や後輩を見ていると「同期のマネージャーがいたら楽しかっただろうな」っていう心細さは時々ありますね。1つ上の先輩とは一番長く活動を一緒にやっていて、自分が入部した時から気にかけてくれているので、いなくなってしまうのはすごく寂しいです。

――先輩への思いをお聞きしましたが、逆に後輩のマネジャーに対しては?
自分が1人で精一杯すぎていろいろなことを教えられたかっていうと自信がないです。でも(マネージャーの)人数がどんどん少なくなっていっている中で仕事も早く覚えなくてはいけない環境で大変だったと思うんですけど、弱音も吐かずについてきてくれて。後輩が頑張っているから自分もちゃんとしなきゃと常に思わせてくれる存在ですね。

――今まで3年間、いい時も悪い時もサッカー部を近くで見続けていますが
入部した年がすごくいい成績を残すことができた年だったので、大学サッカーの環境というのを体感できました。でも2年目でうまくいかなくて今は東京都の2部で戦っていて、という流れを見てきて。冷めていると思われるかもしれないんですけど、ある意味自分は一歩引いた目で見ているというか。あんまり選手やチームに感情移入しすぎると良くないのかなって思っています。だからいつもクールに見るということはしてきていますね。自分の働きが勝敗に関わっているところもあると思うけれど、泣いても仕方ないしプレーしているのは自分ではないので。みんなが落ち込んでいる中で自分はクールに次を見ていなければいけないなという気持ちは1年生のときから持ってやっていました。だから(東京都2部リーグに)降格したときも、来年大変だから自分が頑張らなくてはいけないなという気持ちでやっていたし。よくも悪くもクールに現状を自分は見ていられるかなと思っています。

――来年はいよいよ最終学年になります
来年に向けては不安しかないです(笑)。マネージャーの人数は4人になってしまうし、自分が4年生でマネージャーのキャップになって、財務も広報も兼任するというのが今まであまりなくて。財務は元々1人でやっているけれど、広報は今までずっと先輩とやってきたものを来年は1人で全部やらないといけなくて。本当に自分だけでやらないといけないことが増えるから、とにかく不安しかないですね。マネージャーの同期がいないから、立スポの同期のサッカー班の人が1年生の最初から知っていて、試合の時に声かけてくれたり話したり。それが楽しみっていうかすごく来てくれるのが嬉しかったから、自分より1年早く引退しちゃうのが本当に寂しくて(笑)。私が今まで3年間やっていて思ったのは、やっぱり学年が上がるごとに大変さがどんどん増していく、ということ。グラウンドでは後輩が動いてくれるから助かっている部分も多いんですけど、それ以外は本当に大変なことばかりで。2年より3年の方が大変だって感じているから、4年はもっと大変なんだろうなと思っていますね。でもその中でも冷静に自分らしくというところは変えずにやっていこう かなと思っています。
――前回の軟式野球部のマネージャーさんからの質問です。「日焼け対策はどうしていますか?」
夏の日焼け対策は、とにかく暑いので…日焼け止めを塗りますね(笑)。あと目がすごく焼けるんです私!色素が薄くて、帽子をかぶってもだめで。本当はサングラスをかけたいんですけど、お母さんに「それはやめておけ」って言われて(笑)。毎年帽子でなんとかしてはいるんですけど、だめですね。マネージャーの日焼け対策は大事です!!
――最後に次のマネージャーさんへの質問をお願いします。
練習場所がお隣のラグビー部のマネージャーさんへ、「筋肉が好きなんですか?」。ラグビーの選手はみんな体格がよくて筋肉質な人が多いと思うので。そこが気になります!

――ありがとうございました!

○選手からみた中村さんの印象は?
ウォーリー・アレックス・慶(観4=立教池袋)
とてもしっかり者ですね。ほかのマネージャーとは違って、結構言うことは言ってくれるので、そこはすごいと思います。とても頼りになるし、来年一番上になるけど、奈央だったら任せられますね。
飛田学生コーチ(コ3=立教池袋)
とにかく気づきがすごい。言わなくても気づいたらバンバンやってくれるので、横にいたらコーチングに専念できるというか、マネジメントとかも気にせずにやってくれるので、そこは尊敬できるところです。
佐藤寛貴(観3=熊本・大津)
最初自分たちの代のマネージャーがいなくて、しばらくたって奈央が入ってきてくれて。でも1人だから、やっぱりピッチ外のところが難しいと思うんです。コミュニケーションがとりにくかったりすると思うんだけど、そこはすんなり入ってくれているからすごく助かっています。本当に感謝しています。(中村さんが3年間で1番成長したと思うところは)俺らでも同期に対していいにくいところをマネージャーの立場として言ってくれるから、そこが俺は1番成長したところ、素晴らしいところだと思います。プレー以外のところで支えてくれている人ってたくさんいるけど、そういう中でもスタッフとマネージャーって一番近くで支えてくれているから、そういう人に見ていてよかったと感動できるような試合を毎試合できるようにしたいですね。
境龍登(営2=桐蔭学園)
すごく頼りになります。聞く話だと、マネージャーの中でもすごい仕事をやっているみたいですし、選手とのコミュニケーションとかも自分から積極的にしているような気がするので、僕は一個下ですけどすごく話しやすいです。そういう面ではすごい先輩でもあり、マネージャーでもあるかなというイメージです。選手に対してもいろいろはっきり言ってくれるので、今3年生で来年一番上に立ってやっていく立場をちょっとずつ意識してやっているのかなと思いますね。マネージャーはプレーできないですから、僕らが頑張って関東の舞台に連れて行ってあげるというのが目標です。

【取材を終えて】
同期のマネージャーがいない中、与えられた仕事をひとつずつこなしてきた中村さん。彼女の言葉のひとつひとつから、その大変さが伝わります。しかし、まわりの選手やスタッフからの信頼は絶大。部に欠かすことのできない存在なのです。このインタビュー後に行われた試合の結果、東京都リーグ1部復帰を決めた立大サッカー部。中村さんにとってラストイヤーになる来シーズンも、選手とともにさらに上を目指して走り続けます!

中村奈央さん、サッカー部のみなさん、ありがとうございました!
次回は ラグビー部マネージャーさん  です。お楽しみに!


名前

中村 奈央(なかむらなお)

学部学科、学年

コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科3年

生年月日、血液型

199310日 O型

出身校

神奈川総合学校

最近はまっているもの

みなとみらいに客船を見に行くこと


(10月28日・岡田祐樹、古川香菜子)



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