沖田国賠訴訟事件



 第2回口頭弁論傍聴記ーその2  written by NA
 2002年10月3日の朝日新聞朝刊に、次のような記事が載っていた。
「『痴漢事件記録を誤って廃棄、事務官ら処分 東京地検』
 東京地検は2日、不起訴とした痴漢事件の記録文書を保存期間中に廃棄
した同地検八王子支部の事務官3人を訓告処分にしたと発表した。上司の
事務官2人を厳重注意処分、当時の支部長と副部長を注意処分とした。
 廃棄されたのは、99年にJR中央線で痴漢をしたとして東京都迷惑防
止条例違反の疑いで逮捕された男性の事件記録。
 男性は嫌疑不十分で不起訴となり、今年4月、国や都に損害賠償を求め
る訴訟を東京地裁八王子支部に提起。事件記録の提出を求めたところ、書
類が処分されていたことが判明した。同条例違反事件の記録は3年間保存
しなければならない内規があるのに、1年間と誤って処分したという。」

 エッ!と思うと同時に、第二回口頭弁論期日について抱いていた疑問
が、一部氷解した。
 国および都が提出した準備書面の内容は、書証として取り調べられた担
当検察官の陳述書(乙ロ第1号証)の内容通りである。国および都の代理
人の言い分は、廃棄された事件記録の内容を、担当検察官の記憶を頼りに
再現したというものであろう。そして、この陳述書の内容以外に証拠はな
いと主張するであろう。
 しかし、陳述書の内容を裏付ける証拠は無いのであるから、陳述書の内
容が正しいという保証は無い。取調べ過程で、逮捕に対する異議は無かっ
たし、沖田さんの嫌疑は深まるばかりであったという事情を作文し、勾留
請求・勾留延長請求に何も違法は無かったことにしているのかも知れない。
 第一回口頭弁論期日に提出された、携帯電話を注意された女性の答弁書
についても、すなわち、痴漢行為をされたので肘鉄を食らわせようとした
とか、ウィンクをしたとかについても、捜査当時からそのように述べてい
たのかを確認できない。
 
 事件記録の廃棄が国賠訴訟にとり有利か不利かと問われれば、不利であ
ることに間違いない。国・都・女性が事実を、検察官の陳述書という方式
で確定させて、原告からそれを覆す手段のほとんどを奪ったのである。そ
れにもかかわらず覆すこと、困難な道ではあるがそれしかない。
 わが国の国家権力は、その非を隠すために、呆れるほど姑息な手段をと
るものであることよ。
STOP!痴漢えん罪!

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