札幌地下鉄南北線事件



【第5回公判記録】2005年6月30日 13:30-14:20 札幌地裁第6号法廷
                         written by T.S

 前回、被告人質問が終了し、予定としては検察側の論告求刑が行われる予定でしたが、
検察側の都合により論告求刑が延期となりました。急遽、被告人質問等が行われること
になったようで、被告人にも前回同様の緊張が見て取れました。
 また、今まで2人いた検事が1人しかいませんでした。傍聴席は被告人の親族や同僚
などで3分の2程度の席が埋まりました。

1.弁護側証拠調べ請求

 弁護側から証拠調べ請求が2件なされました。1つは「検証ビデオ」、もう1つが前
回不同意となった「女性Bの調書」です。

2.被告人質問(主尋問)

 弁護側提出の「検証ビデオ」に関して、撮影状況や編集作業についての被告人質問が
行われました。
 私自身もビデオ撮影には参加しましたが、制作することが決まってから実際に撮影す
るまでが極端に短かったため、撮影全体の流れや目的など知らされずに(それどころか
それぞれの役割や動きについての説明も撮影直前までなく)、まさにぶっつけ本番の撮
影でした。主尋問でも、主にそのあたりの状況説明がされました。

3.被告人質問(反対尋問)

 検察側の質問はただ1つ。「女性Aが公判で、女性Aの左前方にいた男性が前かがみ
になっていたと証言しているが、このビデオにその体勢が証明できる部分があるか」と
いうものでした。
 傍聴していた誰もが当初から、この女性Aの証言にある「満員電車の中で、左前方
(座席に向かって最前列)の人が、つり革には掴まらずに立っていた。それも前かがみ
の姿勢で立っていた」という内容には信用性がないと感じていたのですが・・・。
 被告人も、ビデオ撮影後にこの乗客役をやってくれた協力者から、「あの状態でつり
革に掴まらないで立っていることは本当にきつかった。つり革は頭に当たっていたし体
勢もきつかったから、何度も掴みたかった。掴まない理由がわからない。それにしても、
本当につらくて、足がパンパンになった。広いスペースで足を開いて立っていてもキツ
イのに、満員の中で足も開けず・・・。1日経っても疲れが取れていない。」と聞かさ
れ本当に協力者には感謝していたようで、この質問に対しては熱いものがこみ上げてき
たそうです。

4.証拠の採用

 被告人質問終了後、検察側は「ビデオは事件とは関連性がない」ということで不同意
としましたが、裁判官が条件付きで非供述証拠として採用しました。そして、その場で
すぐ観ることになりました。
 完成したビデオを観た感想としては、今まで女性2人が証言してきた内容の多くに疑
問を生じるものであり、ビデオを撮らなくても分かったことがビデオによって完全に証
明されたと思います。
 また、検察側が不同意としていた「女性Bの調書」についても、証拠採用されました。
 
 以上、5回目公判の傍聴記録です。それにしても、被告人を含めた弁護側はビデオを
制作するにあたって「状況設定は女性2人の証言を信じるしかない」として、それまで
の女性2人の証言に基づいて制作しました。それでも検察側は「関連性がない」と言い
ます。私の個人的な思いとしては、「自分たちの連れてきた証人の言う通りに作ったビ
デオなのに、何で関連性がないと言うのか。それなら、被告人と事件とはそもそも関連
性がないし、痴漢行為と女性2人との関連性だって相当に怪しい」と思います。
 また、検察側の論告求刑ができなかったことに関しても、検証ビデオが影響したのか
どうかは分かりませんが、これにより裁判が長引いたことは事実です。被告人が職場に
復帰する時期も先送りとなりました。被告人にとっては、その年その年、またその時期
にしかできない仕事、やりたい仕事、やらなければならない仕事があるはずです。この
期間が耐え難いものであるのは想像に難くありません。
STOP!痴漢えん罪!

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