山手線事件



山手線事件ー控訴審判決公判傍聴記録by NA

 2002年8月26日午後に言い渡された控訴審判決は、控訴棄却であった。裁判 長が述べた判決理由は、長時間をかけたにもかかわらず内容は以下のように単純であ った。  被害者の供述および逮捕者である目撃者の供述の信用性は高い。これに対して、被 告人による人違いであるとの主張は、証人尋問後に初めて登場したものであり、信用 できない。それ故、第一審の認定事実、および、被告人がその犯人である事実に間違 いは無い。被告人には、犯罪の責任をとってもらう。  記録を見ていない私としては、相対立する供述証拠と供述証拠を対比して、どちら が信用できるかを直観で決めるという事実認定方式に接して、草加事件の上告審判決 で確認されたように、直感的主観的手法でなく客観的分析的手法がわが国の判例であ ることに無知な、不勉強な裁判官だと思った。  判決後に行われた弁護団の説明によれば、客観的証拠はあるらしい。被害者の言う 乗車位置と、捜査過程の最初に被告人が述べた乗車位置とは、異なっている。被害者 の述べる犯人の服装と、被告人の服装とは異なっている等々。  控訴審判決は、これらの疑問点について、何の説明もしなかった。  本件において上告は当然になされる筈であり、上告趣意書の構成が問題となる。  上告趣意書には控訴審判決への反論を書くという弁護人の説明は、一般論としては 正しい。しかし、冤罪事件の場合には、明白に無実であることを証拠によりつつ摘示 することが中心でなければならず、その他の論点はいわばおまけとして付け加えられ るべきものでしかない。  控訴審で敗訴した弁護団の説明を聞いていて、上告棄却となるのではとの不安を感 じた。名刺を渡して記録の送付をお願いしたものの、私を知らないらしく専門分野を 尋ねられたりした状況なので、協力を求められないかも知れない。私個人としては、 これ以上多忙にならずに済み望ましいものの、被告人のために、全国痴漢冤罪弁護団 が蓄積しつつあるノウハウを、弁護団はせめて入手して欲しいものである。

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