地下鉄日比谷線事件



痴漢被害を捏造した女子高生
         1. 事件概要                       平成十一年十月二十二日(金)、仕事を終えたA氏(会社員)は、帰宅するため営 団地下鉄日比谷線のドア付近に乗車していましたが、走行中、電車の揺れで左前に 立っていたB(女子高生)に二度ぶつかりました。二度目にぶつかった際、前に倒れ そうになったA氏は、左手をドアにつき、左足を前に出したのですが、A氏の左足が Bの足の間に入り、一瞬覆い被さるような格好になりました。Bはこれに腹を立てた らしく、後ろを振り返り、大きな声で「うざい」とA氏に言いました。A氏はBの態 度に驚き、暫くあっけにとられていましたが、電車が北千住駅に到着したので、乗り 換えのために電車を降りました。  東武伊勢崎線に乗り換えると、先程「うざい」と言ったBが、偶然そばに立ってい ることにA氏は気付きましたが、当時、A氏は大きな鞄(縦40、横50、厚さ10 センチ、重さ7.5kg)を持っていたことに加え、車内は相当混雑していて身動きす るのが困難な状態であったことから、止むを得ずその場に立っていました。                               電車が西新井駅に近付き減速し始めると、そばに立っていたBは突然、A氏に向か って「追い掛けて来るなんて思わなかった、超図々しい、痴漢」等の事を言い始めま した。     A氏が「何もやってないよ」と言うと、Bは「あんたみたいの捕まえるの大変なん だからね、降りなさいよほら!」と言ってA氏の胸倉を掴んで電車の外へ引っ張って 行きました。駅のホームでA氏は暫くの間Bと口論していましたが、いつまでも同じ ことをしていても仕方が無いと思い、駅員に話を聞いてもらうためBと一緒に駅員室 へ行きました。              しかし、駅員室でA氏の話は聞かれることは無く、警察官に引き渡され、西新井警 察署へと連行されました。西新井警察署でA氏は事情を説明しましたが、わずか数時 間の取調べ後、罪状や罪名はおろか、逮捕されていると言う事実すら告げられること が無いまま、突然手錠を掛けられ留置場に入れられました。A氏の「私は何故、逮捕 されるんですか」と言う問いに対し、警察官から帰ってきた答えは「それは自分で考 えろ」という一言だけでした。その後の取り調べでは、急性気管支炎等による体調不 良を訴えるA氏に対し、刑事は「認めれば出してやる」と繰り返し虚の自白を強要し てきました。       A氏の被疑事実は「日比谷線内において左後ろからBの殿部付近を触り、次には左 手をドアについて、覆い被さる様な格好で左膝を股の間に押し入れようとして上下左 右に5分間動かした。『うざい』と言われて一旦は痴漢を止めたが、電車を乗り換え たBを追いかけ、再び殿部付近を触った」という、A氏には全く身に覚えの無いもの であるばかりか、ぶつかったことに腹を立てたか、あるいは、偶然同じ車両に乗り込 んだA氏を勝手にストーカーと思い込んだBが、A氏を痴漢の犯人にするために事実 を歪曲し、痴漢被害を捏造しているとしか考えられないものでした。  2.訴訟経過                                    A氏は無実を訴え1年4ヶ月にわたり裁判で争いましたが、後述するようなBの供 述の変遷や矛盾等を全く無視した、不合理としか言い様の無い理由によって、罰金5 万円の有罪判決(一、二審ともに)を下されました。Bの供述内容には、@手による 痴漢被害について「スカートを指で摘ままれた」(警察)「手の甲で触られました。 指の感じがしなかったので手の甲で触っているのだと分りました」(裁判)、A左膝 による痴漢被害について「左膝を股の間に押し入れようとして上下左右に動かしてき ました。股の間に膝を押し入れようとしていたのは5分位でした」(警察)「私の後 ろから足と足の間を割るように膝を入れてきました。男は私の足の間に入れた膝を上 下左右に動かした」(検察)「左膝の裏側からその上方10センチの範囲で膝を押し 当てていました」(検察)「左膝の裏側を中心に上下10センチの範囲に膝を押し当 てていました」(裁判)というように、警察での供述から裁判までの間に著しい矛盾 と変遷がありました。 また、左膝による痴漢行為はA氏とBの身長差や位置関係などから、犯行自体が常 識的に不可能な荒唐無稽なもので、前記の変遷等と合わせて考えれば、Bの供述が信 用性の全く無い、「嘘」であることは誰の目にも明らかでした。 にもかかわらず、裁判官は「(Bが)一面識も無い被告人を痴漢被害を捏造してま で犯人に仕立てあげなければならない理由は何としても見出し難いところである」と いう、Bの供述の変遷や矛盾、行為の不自然さを全く無視した理由でA氏に有罪判決 を下しました。  現在、A氏は判決を不服として最高裁に上告中ですが、あまりに不当な判決を下し た裁判所に対して激しい怒りと大きな不信感を抱いています。現在までの訴訟費用は 600万円を超え、A氏は経済的にも精神的にも多大な負担を強いられています。 (最高裁第一小法廷は、2002年11月21日付で、A氏の上告を棄却しました。荒木) 
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