実刑・再審請求事件



勾留300日! 最高裁まで闘うが実刑判決。
10ヶ月間の刑務所生活を経て再審請求の準備中。 伊藤直樹

 私は1999年4月13日に、埼京線池袋駅から新宿駅に向かう電車内で、事件に巻
き込まれました。池袋駅の乗降が終わり、電車が発車してから数分後のことです。私
とT字型に接触していた女子高校生が、私のほうを振り返り「やめてください」と
いってきました。

 私は、とっさに痴漢に間違えられたと思い、「俺じゃないよ」と否定しました。そ
したら、私の斜め前方にいた男性が「女の子が嫌がっているんだからヤメロよ」と
いったので、「オレじゃないといっているだろう。お前、(俺が触っているとこ)見
たのか」と言い返したところ、「下に目があるわけではないから見れない」とハッキ
リいいました。実際、この男性は検察官の取調べでも、同様のやり取りがあったと
語っています。要するに、この時点で、(触っていないので当然ですが)現行犯でも
なければ、目撃者もいないという状況です。

 しかも、女の子の証言によれば、乗り込んでから電車が発車するまでの数分間に
渡って、スカートの上から触られ、スカートの中から触られ、またスカートの上から
触られ、最後にパンティーのウエスト部分から尾てい骨あたりまで手が侵入したとい
うのです。

 ご存知の通り、乗り込んでから電車が発車するまでは数十秒しかなく、どんなラッ
シュ時でも1分間もないハズです。その短時間でまるで集団痴漢にでもあったような
被害を受けたと主張しました。また、犯行当時の女子高校生と私の立ち位置に関し
て、女性が「真後ろにいた」と主張しているのに対して、「やめろよ」といった男性
と私は「女性の斜め後方にいて、真後ろよりはズレた位置にいた」と証言していま
す。

 それでも、この2点についての客観的事実は裁判で聞き入れてもらえませんでした。

ただ、1審の野口佳子裁判官は「女性の証言は具体的かつ詳細である」とし、判決理
由の中にも「数分間にわたり」と現場検証もせず、裏取りも何ひとつなされていない
女子高校生の証言を盲信し、採用して判決を下しました。(女子高校生の身長すら分
かっていません)

 こんなバカげた話があるでしょうか。これが平等であり、正当な手続きを踏み、理
性的な判断を下した裁判なのでしょうか? この時点でもいまだ保釈は認められず、
300日の長きに渡って勾留されていましたが、私は納得いかず控訴しました。高裁
は3回目で判決というスピード裁判で棄却。さらに、上告しましたが棄却され、1年
2ヶ月の刑が確定。 

  私は、無実なのにどうして勾留され、刑務所に行かなくてはいけないのでしょうか?
 この3年間、何故? どうして? という疑問ばかりです。

  しかし、私は、こんなことで、負けるわけにはいきません! いえ、負けたと思っ
ていません! もう一度、心を奮い立たせ、いま、再審請求の準備をしている最中で
す。

  何故、痴漢事件だけ、たったひとりの女性証言(その証言事実に無理があろうとな
かろうと)を唯一の「証拠」として、犯罪事実を規定し、人の一生を決めてしまう安
易で無責任な裁判がまかり通っているのでしょうか? 私の願いは、殺人事件やその
他の凶悪事件と同様に、キチンと証拠に基づいた調べをし、たとえ被害者の証言であ
ろうと裏取りをし、不可能なら不可能であると認める当たり前の裁判をしてほしい。
ただ、それだけです。
STOP!痴漢えん罪!

戻る


.