上大岡衝突転倒事件



第一回公判傍聴記録
判決公判傍聴記録
「事件」の内容   2002年7月11日深夜、上大岡駅から横浜の夜景が見える高台へと歩いていた私は、 突然自分の左前方に現れた女性と衝突しそうになり、とっさに両手を前に出して女性 の肩の下付近を押さえました。女性も驚いて振り向きましたが、私と顔が合うと体を 前に倒すようにかがみこんで、「キャー」と大声を上げました。ところが、2人とも 同じ方向を歩いていたため、かがみこむ勢いで女性はそのまま前方に倒れそうにな り、私は女性を支えようとそのまま両手で女性の両腕を引っ張りましたが、結局2人 ともバランスを崩して、そのまま前方に倒れこんでしまいました。このとき、私は 女性の真上にかぶさらないように、懸命に両手を広げるように女性の両側につき、両 足のひざは倒れた女性の両足の左側につくように倒れたので、女性に体重をかけずに 安全に転ぶことができたのです。  私はすぐに起き上がって倒れた女性に声をかけようとしましたが、顔を上げると前 方から男性が「こら!この痴漢野郎!」と大声を上げて、こちらに走ってくるのが見 えました。私はびっくりして女性から少し離れると、男性は私に罵声を浴びせながら けりつけるなどの暴行を加えました。私は一体何が起きたのか分からず、呆然とその 場に座り込んでいましたが、やがて警察官が呼ばれ、そのまま私は「暴行」の現行犯 人として逮捕されてしまいました。  私は、なぜ女性が突然、自分の前に現れて衝突してしまったのか分からないまま、 「自分が後ろからぶつかって相手が転んでしまったのだから、自分にも責任があるの かもしれない」と真面目に「反省」していました。ところが、警察官や検察官は「お 前は女性にキスしようとしただろう」と言いはじめ、3週間後に私は「強制わいせつ 未遂」犯人として起訴されました。もちろん私は「無理やりにキスしようとした」事 実を一貫して否認していましたが、そのために3ヶ月も身柄を拘束され、勤めていた 会社も休職扱いとなってしまいました。 「事件」の真相を見抜けず、先入観だけで下された有罪判決   誤解による逮捕から8ヶ月たった今年3月、横浜地裁の裁判官は私に執行猶予付き の有罪判決を下しました。判決は私が「後ろから女性に抱きつき、腕を押さえたまま 女性の正面に回りこんで、目を閉じ、唇をとがらせて女性にキスを強要しようと顔を 近づけたが、女性が体を後ろにそらして仰向けに倒れこんだため、キスは未遂に終 わった」と認定したのです。これほど真相とかけ離れた事実認定の判決が生まれた理 由は何でしょうか。第1に、私と女性が衝突したのが、深夜の路上であり、私が女性 に後ろから衝突したため、「こんな男は痴漢に決まっている」と女性や目撃者の男 性、警察官・検察官、そして裁判所が完全に思い込んでしまったことが大問題です。 女性は、はじめは「暴行罪」(後ろから接触して転倒させられた)との被害届を出し たようですが、途中から「強制わいせつ未遂罪」(無理やりにキスされそうになった) の告訴状を提出し、検察官も女性から「どのようにキスをされそうになったか」だけ を尋ねる供述調書をつくって、裁判の証拠として提出しました。捜査の最初には「後 ろから男性がぶつかって転倒した」ことだけがはっきりしていたのに、最後には「男 が目を閉じてキスを迫ってきた」話が作られてしまいました。女性の思い違いと、警 察・検察のもっていた「痴漢犯人ならキスの強要があるはずだ」という偏見が、とん でもない有罪判決の原因となったのです。第2に、こうした偏見と先入観のため、こ の「事件」では通常の事件で必ず行われる「裏付け捜査」が全く実施されませんでし た。現場の写真や図面、「どのようにキスをしようとしたのか」再現する写真など、 実際に何があったのかを確認するために必要な証拠が何も作成されず、女性が「キス をされそうになった」という一通の供述調書だけが、有罪の唯一の証拠です。そのた め、そもそもなぜ私と女性が衝突してしまったのか、といった「事件」の真相解明に 必要な資料や情報が、何も集められないままに1審の裁判が終わってしまったのです。 1審の有罪判決により、会社の方針で私は会社を辞め、今、実家のある石川県に戻り ました。しかし、このような間違った審理を正してもらうため、今、控訴審での無罪 獲得に向けて、弁護団の方達や周りの人達の協力を得て、頑張っています。 第1回公判 7/10(木)11:10〜 718号法廷 東京高等裁判所第2刑事部   裁判長裁判官    安廣 文夫 裁判長 よろしくお願いいたします。 以上
STOP!痴漢えん罪!

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