2003年度あとがき

 

 

       疋田

 全国大会に参加したため、全体の取りまとめ時間が取れなかった。そこで三本並列の論文集になってしまった。しかし、わざわざ京都まで出張したにもかかわらず、討論相手に恵まれず、「参加してよかった」という実感をあまり持てなかった。経済学分野には「経済教育学会」もあり、ゼミ教育にも伝統があるはずだが、教員の指導力も低下しているのだろうか?やはり、横浜国大をはじめとする地方国大や東京六私大クラスの、しっかり指導されているゼミと交流すべきである。

 身近な携帯を切り口として、NTT、KDDI、AT&Tの3つのメガキャリアを比較しつつその最新の動向を調査できたことは、IT産業の動向全体に目を配ることとなり、産業連関や企業連関を知る上でよい経験になったと思う。とくに、産業技術を一定程度は理解しておかなければ、産業そのものや企業経営の理解が苦しくなることは、毎年繰り返すが、社会に出てからの自学自習のためにも実感しておく必要がある。

 私の反省としては、論文が完成した時点でより徹底した批判を行っておく必要を、痛感した。『戦後産業史』で通信事業の概要は理解されたとしたが、次々に新たな基礎文献(学術論文だけに限定できない)を追いかけるため、基礎的理解を固める余裕がなかったようである。年度始めに輪読する基礎文献の徹底利用を図りたい。

 

 

       3年生

 

 

       ゆうご

 去年のゼミ活動に比べだいぶ積極性を持って何事にも挑めたと私は自負している。また今年はなによりも自分にとってゼミ活動が充実していた。新しく入ってきた二年生はとてもかわいくもあり、また同時に刺激的な存在であった。刺激的だったというのは遊びや勉強、何事にも積極的に臨んでいる姿勢がみられたからである。この姿勢を大いに学び取りたいと思う。

 今年のゼミ活動で目標としていたことは、他人をやる気にさせるにはどうしたらよいのか、ということである。この問題だが「どうしてやってこない。やってきて当たり前だろう。」という自己中心的な考えが去年には多かった。しかし今年は「どうしたら、どういう風に教えたらやってきてくれるのだろうか。」という他者分析的な考え方で臨んだ。自分の考え(怒りかな?)を押しつけているばかりでは人を動かせないとおもっての行動であった。たった一年という限られた機会であったのでこの変化がはたしてどこまで成果があったのか、それは分からなかった。しかし、自己中心から他者の気持ちを考えてみる、ということの大切さだけはひしひしと感じた一年だった。

 正規のゼミ活動以外のところでもゼミ活動を行ったのも良い思い出だ。今年のゼミ活動は毎回のようにアフターゼミを行っていた。前期は気の合うゼミ仲間三人で近くの居酒屋に飲みに行った。後期には同期とともにうどん屋に行き、その日のゼミ活動の運営について語り合った。去年はこういう事が全くなかったのでつまらなかった。今年のゼミは大変楽しかった。やはりアフターゼミも重要なゼミだということだ。

せっかく楽しくなってきた所なのに班体制で論文を作るのがこれで最後となってしまった。だが、去年みんなで論文を作った経験を生かし卒論制作に励みたいと思う。

 

 

       けいいち

「情報通信」

 難しそうなイメージがあり、初めは自分たちが中心になって論文という形にまとめることができるのか本当に不安だったが、班員のみんなが良く調べてくれたので、一応論文という形でまとめることができてほっとしている。

 個人としては、調べていくうちに情報通信産業は自分たちの生活に密着している産業で、今後、家電やクレジットカードといった、様々な産業との結びつきが考えられていて、予想もできない可能性を秘めている産業であるということがわかり、とても勉強になった。さらに、多分だれも気づいてないだろうけど、2年連続ゼミ皆勤賞という隠れた目標を達成することができてよかった(笑)

 反省点としては、基盤となる回線ネットワークの部分の共通理解が甘かったので討論会で納得のいく討論ができなかったことである。今年の討論会こそは!と思っていたので本当に悔しい思いをしたことと、もう少し普段のゼミ中に深くディスカッションするために、班長の自分が様々な角度から問題提起をしたかった。

 来年からは個人作業の卒論ゼミになりますが、この2年間で勉強したことを生かして頑張ります。新2、3年生と顔を合わせる機会が少なくなるけど今まで通り仲良くしてください!

 

 

       ゆういち

 率直な実感として、あっという間の1年間だった気がします。

 当初は情報通信産業を取り扱う、という事に決まった際、正直戸惑いました。2年次に財閥・企業集団の研究、そしてアジア・中国市場への企業進出を研究し、3年次ではそれを発展させていけたらなと思っていたからです。

 基礎知識も殆んど無いまま臨んだ今年度でしたが、未知の領域について調べ、自分なりに咀嚼できた事は大きな力になりました。何より、殆んど関心が無かった情報通信産業について、かなりの関心を持てるようになった事が大きいです。

 また、昨年度の課題であった「討論する能力」を磨くことが出来た点もよかったと思います。ただ、それと同時に、自分の論文の書き方や討論方法に関しては、まだまだ改善の余地があるな、というのを痛感した年でもありました。

 今年度は就職活動、そして卒業論文と、これまでの学生生活、ゼミの集大成が明らかになります。これからの忙しくなる時期、有益な助言、情報には素直に耳を貸し、なにより自分が納得できる最高の「結果」を出せるよう、要領よく励んでいこうと思っています。

 

 

       ゆうき

 12月の討論大会も終わり、2003年度の共同研究ゼミも終了した。討論大会では相手校の準備不足や、自分たちの文章に対する正確な読み取りの甘さ等が目立ち、盛り上がりに欠けるものとなってしまい、残念であった。

 今年度は昨年度と違い、3年生となったことで自分のことでなく、2年生のことも考えながらゼミを進めていく必要があった。また、自分はゼミに入ったときから「知識を元にした創造力」を養っていきたいと常々考えていたので、今年度の課題にした。

 自分が担当したパートはAT&Tの戦略を見ていくうえで欠かせない、アメリカの情報通信政策であった。アメリカが1993年から始めている「NII構想」を中心に調べていったが、最終的に情報通信政策がAT&Tに及ぼした影響をもう一歩踏み込むことが出来ず、満足のいかない論文となってしまった。

 自分は出来る限り「3年生」として取り組んできたが、どこか自分が担当したパート以外のことは力を入れきれてなかったように思う。また「知識を元にした創造力」はまだまだ養っていく必要があると思った。

 疋田ゼミの集大成となる4年次では疋田ゼミで後悔していることや学んできたことを卒業論文にぶつけ、自分で納得のいく論文を作成していきたいと思います!

 

 

       さゆり

 ゼミ2年目にしてようやく、ただ本や資料を調べるだけでなく、その調べたことから何が言えるのか、つまりもう一歩先を見ることが重要であり、自分に欠けているところであることに気が付きました。昔、歴史の授業などで「歴史は過去を知り、現在・未来を知るためのものである」と習いました。その時はあまりピンとこなかったのですが、2年間のゼミで感じたことと照らし合わせると、「もう一歩先を見るためには、過去・現状分析が重要である」ということです。その際ただ本を写したりするのではなく、正確なデータや多面的な分析が必要ということです。

 また私は今まで文章を書くとき、インパクトのある表現や文末表現など同じ内容の文章をいかに修飾するかに大変気を使っていましたが、今後はゼミに限らず、もっと根本の内容の方をより深く追求していこうと思いました。

 これらの反省を生かして、卒論は自己満足で終わらないものを作っていきたいです。

 

 

       たかよし

 今年の研究テーマは通信キャリアの戦略ということで、現状の企業分析だけではなく、将来の通信ビジョンも考察する必要があった。ユビキタス時代に向けた戦略をみるうえで、この通信業界では様々な要素を総合的に捉えなければならなかった。研究開発はもちろんのこと、通信規格の標準化や国レベルの通信政策も把握しなければならなく、幅広い視野で考えることができた。今年の共同論文制作を通して、ひとつの戦略を決定する際には様々な事象を捉え、多面的に考察しなければならないと思った。また、インター論文大会参加で、論理的に話やプレゼンテーションできるようにしたこともよい経験になった。

 今年は三年生ということで、普段のゼミだけではなく、テーマ設定会議などでも、二年生の参考になる活動をしなければならなかったのだが、お世辞にもお手本となることができず、申し訳なかった。来年度は二年生によりよいゼミ活動ができるようにがんばってもらいたい。私も、これまでの経験や多少の知識を総動員して卒論作成に望みます。

 

 

       おさむ

 今年度は主にKDDIについて研究を行ったのですが、研究範囲が技術的な部分も多く、理解が大変な部分が多かったように思えます。論文も事実の叙述に終始するところが多く、最終的な結論がやや曖昧になってしまったのが残念でした。しかしながら、一応論文を完成させることが出来たのは班員全員の努力の成果だったと思います。昨年と違い、引っ張っていってくれる先輩方がいない状況で班員をまとめていくということは大変でしたが、今後の自分にとって有益な経験でした。

 あと残すは卒業論文だけですが、今まで2年間培ってきたことを活かして自分で納得できる卒業論文が書けるように頑張っていきたいと思います。

 

 

       ともや

 今回感じたことは、自分たちの論文は先生もおっしゃっていたように、戦略の是非とか変遷とかは具体的に出ていたと思うけれど、その要因、根拠が足りないと感じた。数字なり、時代背景なりでその戦略を行わざるをえなくなった根拠をもっと出せれば良かったと思う。そうすれば理由と全体のつながり、全体の一貫性をより持てたと思う。また戦略の特徴をより深く出したかったし、それが今後にどのようなメリット、デメリットを生み出していくのかを見いだせなかったのが残念であり、力が足りないと感じた。論文中でも自分達の強調したい点があいまいであり、一本調子な論文になってしまったように思う。そして、最後の「それぞれのメガキャリアの創造するユビキタス社会とは」という部分や、その他三つの班が共通に議論出来そうな部分で、あまり自分達の班の意見が明確でなかったために、議論が噛み合わなかったところも悔しさが残る。

 自分個人としては去年よりは改善されたと思うが、やはり論文作成する際に常に強調すべき点、結論を意識することがまだ足りないと感じた。その点は卒論に活かしていける部分であると思う。今年一年、常に自分が先頭に立って動き、周囲を巻き込んでゼミを引っ張っていくことを意識してゼミ長という役を務めて、ゼミに入った当初はあまりコミュニケーションの多くなかった自分達の学年が、次第にコミュニケーションを多く取り、協力できる様になっていった、また全体的に積極性が生まれたというところは、自分としては成功したところだと思う。しかし、後輩に教えたり、何をすべきか指示したりというところは、出来ていなかったところだと思います。

 

 

 

       2年生

 

 

       ゆうや

 討論大会を経験して感じたことは、やはり班として何を主張するのか、また事実を述べるだけでなく、その裏にある原因をきちんと追求しなければならないということです。具体的にはAT&TのM&Aにおける失敗の裏側にあるもの、ユビキタス社会へ向けた取り組みをどのように行っているかなどの点が不明確であったと感じました。今年は上級生として、積極的にみんなを引っ張りながら、自分自身も更なる成長をとげるよう努力していきたいと考えています。来年のテーマについてですが、個人的には天然資源関係をやりたいと考えています。石油などの天然資源は今注目されていて、日本、ロシア、(中東、欧州)班にわけてやってみたら面白いと思います。ここには、サハリンプロジェクトなどにみられるように、大手商社(財閥系)や外国企業(英蘭ロイヤルダッチシェル)などもしっかり絡んでくるので幅広く勉強できると思います。もちろん環境問題、さらにはFTAなどにも関わると思うので・u栫Aしっかりと歴史を勉強し今を学ぶという点において、疋田ゼミにあっていると考えています。

 

 

       ともゆき

 今回の反省すべき点は、結構自分の調べた分野が論点になったんですが、十分に調べたと思っていたところでも、浅かったり間違ったりしていたところです。全体としてはあまり熱い討論にならなかったので残念でした。あまり討論会らしくなかったので、次につながるものが得られなかったので、別の討論会をべつにやりたいと思いました。

 良かった点は特にないのですが、及ばずながらも2年生にしては比較的よく討論に参加できたと思います。

 

 

       あすみ

 一年間通信をテーマに勉強したことを振り返って思うことは、今までいかに視野が狭かったかということです。通信はとっつきにくそうなイメージがあり最初は出てくる用語の意味さえわからず戸惑いましたが、実は普段の生活のなかで欠かせないものであることに気付かされました。また論文作成を通じて、得た知識を自分でまとめて相手に伝えることの難しさや、自分の担当個所だけでなく論文全体を理解することの大切さを痛感しました。今年は先輩に頼りっぱなしだったので、来年は一年間の経験と反省をいかし、より多くのことを吸収し身に付けられるように努力してゆきたいと思います。

 

 

       としゆき

 ゼミ生としてのこの一年間は初めての経験だらけでした。自分は何よりもword、Excelの操作能力が他の班員よりも乏しく、基本的なグラフ作成すらままならず「word、Excel入門」という本を買うことから始まりました。

 一番苦労したのが資料集めでした。自分の取り扱った内容がここ2〜3年で普及し始めたものだったため、学校や地元の図書館には最近の資料がほとんどなく、市ヶ谷の情報通信図書館まで行きやっと資料に出会えました。今となっては、真夏日に図書館へ出かけ、開館時間から閉館時間まで資料を探したことが一番の思い出です。

 反省点としては、もっと積極性をもって望むべきだったと思います。疑問点がある時もすぐ班員や先生に聞くのではなく、自分なりに答えを導き出すということがもっと必要であったと思います。また社会情勢に疎いことを自覚できた年だったので新聞を読むなどの基本的なことをもっと大切に行っていこうと痛感しました。

そして少し残念だったのが討論会です。これも始めての経験でしたし、自分なりに意気込んで参加したのですが、相手校との論点の食い違いなどで十分な討論へと発展せず、残念な結果に終わってしまいました。

来年は自分達が2年生を引っ張っていく事となりますが、卒論ゼミにむけてレベルアップして行きたいと思います。

 

 

       けんた

 疋田ゼミに入ってから今までのことを振り返ってみて、改めて自分の力の足りなさを実感しました。普段のゼミや討論会においても、先輩に頼ってしまうことが多く、論文作成でも、資料を集めてそれを書くだけで、自分の主張したいことを文章であらわすことがうまくできませんでした。

ただ学んだことも多く、この約1年間で情報通信の分野、特に自分が担当したユビキタスの分野については理解を深めることができ、興味も持てたので、今後も注目していきたいです。

来年度は今回の反省を生かして、しっかりとゼミを運営し、今年よりもよい論文が書けるように頑張ろうと思います。

 

 

       ゆみ

 一年間ゼミで勉強してきて思ったことは、自分の考えを相手に納得してもらえるように論理的に伝えることはとても難しいということです。資料を集めたり論文を作成する力は自分なりにはついたと思いますが、それを相手に言葉で伝えることは違うことだと思います。今年はゼミ中に他の人の意見を聞いてることの方が多かったので、来年は立場も変わるしもっと積極的に発言していきたいと思います。また、論文を作るにしろ議論をするにしても知識が足りなかったように思うので、もっと勉強しなければいけないと思いました。

 

 

       たかし

 今までゼミで行ってきたことを振り返ってみると、合宿や共同論文作成、工場見学、討論会など、普段経験できないことを通じて多くのことを学んだ一年間でした。特に共同論文では相手を納得させるような内容を書くことの難しさを知るとともに、自分の勉強不足も感じました。本に書いてあることをそのまま鵜呑みにするのではなく、問題点を見つけ自分の考えを持つことが大事だと思うので、今後はそのことを意識して勉強に取り組みたいと思います。

 来年度は自分たちがゼミの中心となるので、今年度学んだことを生かして頑張っていきたいです。

 

 

       あつし

 

 

 

 

       あやと

論文作成の過程、そして討論会を通して1番感じたことは自分の知識のなさと、発言をする能力のなさでした。論文作成をしている段階での調べ方などにも悪い点があったとは思いますが、自分の知識の領域の狭さから論文全体を通して考えるということができませんでした。

そのような視野の狭さから討論をする場では自分の調べた部分以外に話が及ぶと発言ができなくなってしまいました。

今年1年間先輩に頼りすぎていましたが、来年度には後輩が入ってきて、ゼミを引っ張っていかなければいけないので、きちんとした自覚をもって頑張っていきたいです!