2008年度あとがき
疋田
本年度も、基礎文献には井村喜代子氏の『現代日本経済論<新版>』を使った。2000年刊行のものなので、そろそろ変更しようかとも考えたが、日本の従属的な対米関係をきちんと視野に入れた「日本経済論」は意外と少なく、継続した。しかし、昨年秋から明確になってきた国際金融投機と日本経済の輸出依存の破綻は、井村氏が同書のなかで繰り返し警告してきた事態の発現とも言え、テキストとして同書を選定したことの適切さを再確認した。 共同研究テーマには、初めて環境問題、とくに地球温暖化問題に取り組んだ。この環境問題は人間の経済活動が引き起こしたものであり、その解決策も経済学から提起しなくてはならないものである。とくに、利潤追求のため人類の生存環境も破壊しかねない資本主義経済システムの是正政策の立案と実施とは焦眉の課題になってきている。ここ20〜30年間推進されてきた新自由主義政策による規制緩和の結果、雇用の不安定化と金融投機の肥大化とともに、環境悪化も加速した。EU諸国はもともと新自由主義に懐疑的であったが、すでに環境対策を含む規制の再強化に踏み切り始めている。 この共同研究では、「経済構造転換」として、少なくとも産業構造の転換−自動車製造業の電気機械製造業化、リサイクル産業の育成、運輸業のトータルシステム化などを含む−について、その目標や政策手段などについても考察を及ぼしたかったが、及ばなかった。少し課題を大きくしすぎたかとも思われるが、そもそも身近な製品や社会システムに関する理解や関心が不足気味である。しかし、自分で調べ、考えることによって、この理解や関心が強まることは、以下のゼミナリステンの個人あとがきにも現れている。 次年度には、新自由主義後の世界経済秩序の再構成と日本経済の再編について、資本輸出を軸に考察することも面白いかと考えている。 |
2年生
じゅんいち
まず、現代日本経済論を輪読することによって日本経済に対する理解や知識が格段に増えた。これによって時事の経済ニュースに対しても今までと異なった見方ができたと思う。問題の背景にある根本的な問題に目を向けることができるようになった。また、高校時代に日本史、世界史をほとんど学習していなかったので歴史勉強としても現代日本経済論は役立った。レジュメの制作も各章、節を深く理解できるので、自分の知識として蓄積されて章全体の把握が容易になったと思う。 後期から本格的に始まった共同研究では、環境保全をテーマとした論文を各班で制作した。自分の班では発電業と鉄鋼業を中心に論文を制作した。最終的に自分の担当は風力発電となり、風力発電業の現状や今後の展望を調べていった。風力発電は石油に代わる次世代エネルギーとしてはすでに確立されている部分も多く、研究題材としては他の燃料電池などに比べると調べやすかったと思う。討論大会は自分のイメージとは違かったが、最終的には結論がまとまり、良い経験になったと思う。 来期には自分の苦手なグラフ、表などの制作で情報の整理のスキルを鍛えたいと思う。役職についてもすでに失敗をおかしてしまっているので気を引き締めて臨みたいと思います。 |
つばさ
経済学部に入った時から楽しみにしていたゼミが始まり、あっという間にこの1年が経ってしまったと思います。 前期に行っていた基礎文献では、予習をした上での輪読・講読、確認を兼ねた個人カード作成を通じ、去年勉強した経済学に関する知識を引き出せる機会や、新たな経済の知識を得る機会をもて、勉強に関してはとても有意義でした。 後期の共同研究では家庭班に属し、楽しい先輩方とともに論文素材を得るため、有明にあるパナソニックのエコハウスに行ったのが印象に残っています。自分が担当したのは家電製品に関する部分でしたが、参考となる文献に乏しくウェブに頼ることが多かったのが、論文作成として残念なところだったと思います。 来年は自分たちが後輩に教える側の立場となり、今まで頼ってきた先輩とともにゼミの活動をできないのでさみしい気もしますが、頼れる先輩になれるよう、ゼミに対して積極的であり続けたいです。 |
よしみ
【前期】 4つのグループに別れて一緒に井村さんの現代日本経済論を輪読しました。あんなに分厚い本を読むのは初めてに近く、時には挫折を感じ、時には眠さと戦いながらも一所懸命頑張りました。正直ゴールデンウィークの合宿はとても辛かったです。毎日勉強やら至るところに虫がいらっしゃるやらで、精神崩壊寸前でした。反面、乗り切った時の達成感は素晴らしかったです。ただ、できることならば来年度は経験せずに済めばなと思います。 【後期】 輪読が終了した後はまた別の4つのグループに別れ、共同研究論文に取り組みました。私は自動車に属しましたが、正直初めの頃は先輩方が話し合っているのを聞いているのみで、今自分が何をしているのか、これから何をすべきなのか、良く分かっていない状態でした。そのうち各自に役割を充てられ、各自で論文を作る作業に移りました。自分の性格は良く分かっているつもりでしたので、本当はかなり前から取り組み、夏合宿には余裕を持って参加しようと思っていましたが、やはり自分は自分でした。結局本格的に取り組んだのは夏合宿直前。論文は納得のいかないまま提出することとなってしまいました。夏合宿は春合宿よりは大変ではありませんでした。ゼミに対して免疫がついたということでしょうか。ただ、最終日だけは前日の飲みが響いており、辛かったです。でも飲みは楽しかったから良かったです。夏合宿では自動車班はかなりダメ出しをされたように思います。構成の時点ですでに間違っていたようで、大部分がやり直しとなりました。インナー大会まであまり時間がないところまで来ていましたが、班員で協力して、なんとか論文が完成させられたので良かったと思います。インナー大会ではほとんど、というか全く討論に関与できなかったので、それが今となっては悔やまれます。OBOG会ではせっかくOBOGの方がいらしてくれたのに、2年生とばかり話して終わってしまいました。もう少し上の方々からいろんな話を聞けば良かったと後悔しました。 総じて!来年度は何事にも積極的に取り組もうと思いました。ゼミ連も、正直やる気は全くありませんでしたが、やることになったからにはきちんと取り組もうと思いました。 |
りょうすけ
疋田ゼミに入ってからの1年間、本当にいろいろなことを経験させていただきました。共同文献の輪読では、現代日本経済の流れを理解しただけではなく、各章のレジュメ作成によって資料をいかに端的にまとめ相手にわかりやすく伝えるか、というスキルを身につけることができたと思います。後期の共同論文作成では、班員が協力してひとつの論文を作成することの達成感を味わうことができました。僕は今までみんなで協力してひとつの論文を作ることをあまりしたことがなかったので、そういった面でも共同論文作成はとても充実したものになりました。また同時に、自分の担当範囲に責任を持って取り組むことの大切さも理解できたと思います。 今年の春からは僕が新しいゼミ長となり、自分たちの代の疋田ゼミでの活動がスタートしますが、裕次郎さんや代々疋田ゼミのゼミ長を勤めてきた先輩方に負けないように、一所懸命自分の仕事をし、ゼミがスムーズに進むように努力したいと思います。 |
そう
前期に現代日本経済論を輪読して、戦後から日本経済がどのように世界資本主義の中でも例外的に復興し、経済大国と呼ばれるまでに成長したかを把握することができた。日本の発展の仕方を見てみると、アメリカからの政治経済的な影響を強く受け続けている、輸出依存的成長などがあるが、その発展の仕方が日本経済の問題点でもあることを学んだ。 後期では、環境をキーワードにして、地球温暖化を中心に将来、石油に代わることのできるエネルギーは何かについて、自分は燃料電池を調べた。燃料電池は二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーで非常に発電効率が高く、省エネルギーでしかも分散での発電が可能である。その燃料電池の中でも特に注目されているのがコージェネレーションシステムというもので、コージェネレーションとは1種類の一次エネルギーから、電気と熱を同時に作って送り出し、エネルギーを有効利用することである。家庭用燃料電池コージェネレーションシステムは、自分の家に設置した燃料電池で、電気と熱の両方が手に入るシステムである。なので、熱を給湯や暖房にも利用するので、廃熱ロスを少なくし、二酸化炭素の排出を抑えることができる。家庭用燃料電池の発電効率は30%くらいだが、コージェネレーションによる排熱利用効率は50%なので、一次エネルギーの80%を利用することになり、2つあわせた発電効率はかなりの高さである。しかし、二酸化炭素をいっさい排出しない燃料電池だが、燃料源である水素の製造方法に現在、問題がある。今日、水素は天然ガスからの改質で最も製造されている。この製造方法だと製造される水素と同じだけの二酸化炭素を排出してしまう。だから、今は実験段階だが将来的にこの水素がバイオマスなどから製造されるようになれば、非常に燃料電池が温暖化問題にとって有用なエネルギーになると思われる。 このように、共同文献で自分達でテーマを決めてそれについて調べることで、自分の知識と興味の幅が広がったと思う。 |
りえ
共同研究のテーマが環境に決定し、私はその中でも特に生活に密着したテーマを取り上げる家庭班で論文作成に取り組んできた。データは集めるものの、文章能力の拙さから分析や提案を文章におこすまでに時間を要したが、データを基に現状を把握し、解決策を探り、表現する論文の一連の過程を終え、100ページほどにも及ぶ大掛かりな論文作成に携われたことに今、とても達成感を感じている。 ゼミは仲間・先輩・他大学との方との交流を通して、今までの学生生活とは少し違う、社会勉強の場でもあった。この一年間合宿や工場見学等の貴重な経験から、思い出もたくさんできた。疋田ゼミは、大学生らしく自ら学ぶ姿勢で存分に勉強・研究を楽しめる、理想的なゼミです。一年間お世話になりました。 |
たくや
この一年間疋田ゼミの一員として前期には基礎文献で現代日本経済論について学んできた。自分は受験で日本史で受験したので現代史の部分は少し自信があった。しかし、いざ文献を読んでみると自分の知識の薄さ、表面的な意味しかとらえていないことに気付くことばかりだった。文献を読んでみて、理解に苦しむことも多々あったが、自分なりに理解してこれたと思う。この一年間で疋田ゼミを通して一番感じたことは、頭をよく使ったと感じた。逆にいえば、去年一年間で、いかに自分が頭を使っていなかったか、考えることをしていなかったかを考えさせられる一年であった。 後期では共同論文で一から自分で調べて、自分で論文を作成することを行った。そして自分たちの作った論文で他大学の人と討論することも初めてだった。 また自分で情報を集める、莫大な情報量の中から情報を吟味して選ぶことがいかに容易ではないかを感じた。 この一年間を通して感じたことは、頭を使うというのは物事を覚えることではなくて考えることだということを痛感した。 |
こういち
基礎文献の輪読では、日本経済の流れを理解する上で一年次に学ぶ基本事項がいかに大切かを痛感した。また、複雑な部分に関しては実際に自分の手で図を描いていくことでロジックを理解することができた。理解を深めていくにつれて、すべてのことがつながりを持っていることがわかってとても面白かった。 共同研究では自動車部門を研究した。自動車という製品自体の何が環境に負荷をかけるのかを知るために、自動車の仕組みから学ばなければならなかったため、前半はとても苦労した。そして、後半では「筋の通ったひとつの論文」に仕上げていくこと・ロジックを常に確かめることの大変さを知った。しかし、これらをしっかり行うことで今後自動車部門の歩むべき道を導き出すことができた。 今年度は先輩方のご指導のおかげで、基礎文献の輪読・共同研究ともに「何を考え、何をするべきか。」を追い求めていくことができた。来年度の課題として、理解した内容をいかにわかりやすく・正確に後輩へ伝えること、「論文を書くことはどういうことか」を新3年生が実践してみせることだ。 |
あやふみ
1年間行ってきたこと 環境とは、一人一人の心がけであると思っていた。しかし各国の環境政策を調べていくと、環境を守るためには制度の実施、法律の制定もさらに重要であると認識するようになり、日本の環境政策の甘さを考えさせられた。現在の世界的な状況の中で日本が今後どのような政策をとるべきなのか、また他班の論文を見ると企業の努力も大きく環境問題に貢献していることがわかる。このようなことから、個人・企業・政府が三位一体になって環境問題に直視し、解決に向けて努力していかないといけないと思った。討論大会では主に他大学の方と政策を討論したが、他大学の政策について深く理解し、また私たちの政策の利点・欠点について改めて考える場となった。ある政策を実施するには多くの歳月をかけ慎重に議論しなければならいと改めて実感させられた。現在日本の政策において、環境税の導入は安易に実施できないと思う。日本の今後の環境政策、京都議定書に向けての政策は世界において大きな役割をはたしていかなければいけない。 それに対するコメント 今回この研究をするにあたっての反省点は本やインターネットの上でしか情報をあつめられなかったことである。次年度の共同研究では自分で調査してより深く理解することが大事なのではないかと思う。 |
けい
基礎文献に関して、戦後GHQの占領下からの日本の復興、高度経済成長、オイルショックやバブル経済の到来など、ゼミに入る以前には時代の要点程度にしかなかった知識が、ゼミでの学習を通す中で、事件が起こる歴史的背景や、日本とアメリカの貿易摩擦のような他国との因果関係を要因として様々な事件が起こることなどを数多く学ぶことができた。グループ班の中では、教科書の難しい表現に戸惑ったり、先輩の解説についていけなかったりすることが多かったので、なるべく予習してゼミに臨むことを心がけたが、それでも完全に教科書を理解するには至らなかった。そのため、来年度のゼミでは今年度の反省を踏まえて課題に取り組んでいきたい。また、毎回のゼミごとに個人カードフォームを作成し復習することで覚えた知識を定着させていきたいと思う。 共同文献では環境というテーマだったが、新聞やニュースなどでも話題になることが多いテーマで取り組みやすかった。しかし、いい資料がなかなか見つからなかったり、専門的な知識が出てきたりとつまずくことも多かった。班の中では班長に負担を多くかけてしまい、自分の力不足を痛感した。インナー大会でも思ったように自分の意見を述べることができず、悔いが残る大会だったので、来年度は反省を生かしてリベンジしたい。来年度は後輩を引っ張っていく立場になるので、より積極的にゼミ活動に取り組もうと思う。 |
3年生
てつろう
今年度の共同研究では家庭班の班長を務め、班員をまとめることの難しさを痛感しました。家庭班は自分を筆頭に緊張感が欠如している人間が集まってしまった<いっしょにしないでくれ! 他の班員より>のでゼミ中や夏休みに個人的に集まって話し合った時などに話題が横道にそれることが多々ありました。その原因は主に自分にリーダーシップをとるという概念が足りなかったことであり、その点については反省しています。しかし、ゼミの勉強を楽しむという視点で見ると、とてもいい班でした。2年生もまずまず楽しんでくれたと思います。パナソニックのエコハウスを見学したこともいい思い出になりました。 討論大会本番では議長団をやってもらえる先輩が見つからなかったため、対戦相手のゼミの人と一緒に議長団を担当しました。班長であるにもかかわらず自らの主張を対戦対手に伝えられなかったのは残念でしたが、議長団という今までやったことのない役割を経験することができたことは非常に有益でした。 来年の卒論ゼミでは、グループで論文をつくるのではなく自分ひとりでテーマ決定から論文完成までをやらなければいけないので気を引き締めて取り組みたいです。これからもよろしくおねがいします。 |
ようこ
二年生で先輩たちに頼りきりだった自分の姿勢に後悔しました。可愛い後輩もできたことだし、三年生になったら眠らずに自らゼミ活動に参加していく姿勢に改めようと思いました。しかし、なかなか思ったように三年生らしい発言や態度にいたっていなかったことが今でも悔やまれます。 けれど、ゼミという組織に所属していくなかで、自分の立場を理解し、他人のためにも自分の与えられた役割に責任を持たなくてはいけないことに気づきました。また、滅多に普段の生活で聞けないような的確な助言をしてくださる先生の話を拝聴できる機会を大切にしなくては、と思いました。 数々の至らない点はございましたが、ゼミでの活動で国際的にみた日本について、また他人との接し方についても考えられる機会を得れて、大変有意義な二年間であったと思います。 |
あさみ
この1年間のゼミを通して、私が1番学んだことは、鉄鋼業界についてです。これまで鉄鋼に興味を持ったことは一度もありませんでした。そんな私がいきなり共同研究で鉄鋼を担当することになり、はじめは本当に乗り気じゃありませんでした。いくら調べても鉄鋼ができるまでには全く興味が持てず、つらい日々でした。そんなある時、新日鉄の環境政策を調べていたときのことです。『鉄を使った海の再生』という新日鉄の環境への取り組みが紹介されている記事を読み、こんなことにも使えるなんて、製鉄の副産物である鉄鋼スラグは本当に100%リサイクルできるのだと、初めて鉄鋼業界に興味を持ちました。これがきっかけとなり鉄をつくる過程でのリサイクルにも興味を持ち、工場見学の際に実際にその行程を見れたことには感動しました。鉄鋼に興味がないと言っていましたが、実際私たちの周りには鉄鋼が元となってできた製品ばかりで、その大元である製鉄所は私たちの生活には必要不可欠で、だからこそCO2削減、温室効果ガスの発生を抑制することが絶対に必要なんだなと改めて確認できました。日本の鉄鋼業界は温暖化対策が進んでいると、自主目標を達成できていると、経産省の報告を見て私もそう思っていました。しかし、まだまだ改善の余地はあると思います。これから、さらに地球温暖化やエコが叫ばれていく中で、自動車業界では、ガソリンで動く従来の自動車から電気自動車へと人々の注目もメーカーの力の注ぎ具合も変わってきています。この変化の時代に、これからの鉄鋼業界の地球温暖化対策にも、新たな一手が出ればいいなと思います。私の力不足で、この新たな環境への取り組みを、具体的に論文に加えられなかったことが、私の力不足で悔しく思っています。もしもう一度鉄鋼について論文を書く機会があれば、このこと鉄鋼業界のこれからについて調べたいなと思いました。 忘れもしない討論大会では、自然エネルギー推進派の私たちと、原子力エネルギー推進派の討論相手・望月ゼミと激しい議論の末に、「中期的に考えれば原子力、長期的に考えれば太陽光を中心とした自然エネルギーを主なエネルギー供給源とする」という結論に落ち着きました。この討論では、相手に私たちの意見をことごとく否定されたおかげで、それを覆そうと私たちも必死に方法を考えることで、自然エネルギーを主なエネルギー供給源にするにあたって必要な環境税などの法律への理解が深まりました。この討論は正直もっとお互い準備の段階から話し合いに参加して、当日の議論の内容をもっと詰めておけばよかったという反省点もありました。いろいろ不快な思いをすることもありましたが、今となっては良い経験ができたと思っています。 3年生として、2年生の頑張りに助けられながらも、1年間ゼミの中心として頑張れて、良い経験ができました。 |
しんや
2年目の共同論文が終わった。去年は2年生だったということも手伝い、3年生に指示をもらいながら、自分の担当パートの作業をすることが多かったように思う。しかし、今年は自分が3年という立場になったので、自分のパートに取り組むのはもちろんのことゼミ全体としてどういう方向に持っていきたいのか、そのために班では何をすべきかなど、去年よりも広い視野をもって作業にあたれたと思う。 完成した論文をみてみると、現状の把握はできているものの、当初目的にしていた経済構造転換にまで踏み込んだ内容からは程遠いものとなってしまった。討論大会本番も、筋違いの議論になりかけたあげく、退場者をだしてしまい満足のいく議論はできなかった。相手があやふやなことを言っているのに気づきながらも、自分の知識不足から質問を見送ってしまうなど、自らの力の無さを痛感する一年でもあった。 前期は、共同論文と並行して基礎文献の輪読を行った。自分は班長という役割を与えられて何とかこなそうと必死だった気がする。去年もやっている内容にも関わらず、恥ずかしながらわからないことだらけだった。毎週、予習に終われて、自分の理解もままならないままゼミに望んでしまい、充分な議論はできていなかったと思う。独りよがりな説明も多くなってしまい、2年生には迷惑をかけてしまった。 それでも、終盤に差し掛かってくると、最初は何を書いていいかまったくわからなかった個人カードも、流れを感じながら書くことが多少はできるようになっていたと思う。班長は自分にとってとてもいい経験となった。 今年の経験を踏まえて、来年度の卒業論文では満足のいくものを目指します。 |
ともき
1年間行ってきたこと 基礎文献 ・現代日本経済論を輪読し、用語の確認や疑問点を出し合い、討論することによって理解していった。 共同研究 ・環境政策班に所属し、温室効果ガスインベントリや排出責任について調べ、日本の環境政策の歴史と現状を論文の中で取り上げた。また、排出権取引などに批判的な経団連の主張について細かく見ることができた。 合宿係 ・三回行われた合宿の運営。 それに対するコメント 基礎文献では、昨年学んだことを思い出しながら理解を深めることができました。また、あやふやな知識では後輩に教えることが難しいということを実感しました。レジュメ作成時には、論点を見つけ出し、的確に要約することに励んだ。 共同研究では、新聞やニュースを日々チェックし、各国の環境政策の状況や目標を確認する作業が大変でした。討論大会では、三つの班の主張を同じ軸で討論していくことの難しさや、様々な意見を取り入れていくことの重要さを実感しました。また、合宿係として、三回の合宿が何のトラブルもなく円滑に進めることができたことに満足しています。 卒論ゼミでは、この二年間学んできたことの集大成として、しっかりとした論文が書けるように努力したいと思います。来年もよろしくお願いします。 |
ゆうじろう
3年になり、ゼミ長ということもあってプレッシャーは感じたものの、なんとか1年間やってこれた。これはやはり3年、2年みんなで意見を出し合い、全体で協力してきたからこそうまくやってこれたんだと思う。 個人的な感想としては、やはり絶対的に知識が少ない。そしてすぐ忘れる。これがずいぶん致命的だったと思う。基礎文献のときに、進んでいくと以前やっていたところを忘れてしまっていったことがかなりもったいなかった。やはり復習と、各回のメモは大事だったんだなと実感した。 共同研究では、なんとかテーマは絞れたものの、もっと突き詰めることはできたと思う。また討論相手の態度はびっくりするほど悪かったが、それでも得るものはあった。「資料は政府が出したもの以外は信用しない。」はこれから先、だいぶお世話になるだろう考え方だと思った。 なんだかんだ知識も威厳もないゼミ長だったけど、最後までやり遂げることができてよかった。これからは卒論制作になり、苦労するだろうが頑張っていきたいと思う。 |
あつし
基礎文献は、去年先輩方に教わったところが理解できていなく、2年目なのに分からないことがたくさん出てきて、あまり発言ができなかったなと反省しています。自分が考えていることを班の他の人に伝えるのも難しく、曖昧な表現になってしまうことも多々ありました。毎回レポートを書くにしても、自分が今回学習した範囲を振り返って復習することに時間が掛かりましたが、それを続けることで自分の理解度が増すと信じて頑張って取り組んできました。その結果、学習した部分を振り返ることの大切さや、文章表現力を身につけることができたと思っています。 共同論文は、京都議定書について調べれば調べるほど用語や言い回し、日本の省庁間の関わりから世界の国々の思惑など、新しく確認しなくてはならないことが増えて、理解するのが本当に難しかったです。常にしっかり問題を考えながら文献を分析しないと、後には何も残らないということが良く分かりました。中でも班長という役割は、自分の範囲を仕上げるのはもちろんのこと、更に論文全体を考えながら、他の人の分まで少しですが勉強しなければならなかったのが大変でした。リアルタイムな問題であったので、調べていくうちに物事が進んでいてよく置いて行かれました。インナー大会では、同じ環境問題をテーマにしたゼミでも視点が違って、お互いの主張をまとめるのに苦労しました。しかし、自分たちの意見を論理的に伝える大切さが分かり、他の人の主張を聞くことで自分たちの論文を振り返る良い機会となりました。 最後に、1年間切磋琢磨できる仲間に恵まれたことは誇りに思いますし、先生や仲間に感謝したいです。来年も頑張ります! |
よしゆき
三年生としてこの一年間ゼミで頑張ってきましたが、前期後期通して実感したのは、内容を100%理解していないと自信を持って発言できないということです。徹底的に調べた部分では発言できたが、そうでない部分はためらってしまいおとなしかった気がします。正確に理解することの大切さを改めて感じました。 共同研究の論文作成では、他の班員と意見を合わせ、主張を統一して論文を作り上げていくことの難しさを痛感。行き詰まったときにうまく対処できず、時間ばかりが過ぎた時もあり、反省しています。だがうちの班は班長のおかげで明るく話しやすい雰囲気だったので二年生も話に参加しやすかったことが良い点です。班員みんなで夏休みにパナソニックに見学に行ったのも良い思い出になりました。 卒業論文ではこれまでの反省を活かして頑張りたいです。 |
みさ
3年生になり、2年生の時には失敗してしまったロジックの通った論文の作成の仕方を、少しずつ意識しながら論文作成に取り組むことができたのではないかなと思います。 今年担当したのは運輸業界の環境対策でしたが、調べていくうちに単なる各々の業界別の対策だけではなく、業界同士で関連しあい業界全体のCo2を減らしていくという“モーダルシフト”がこれからの環境対策の主体になるという結論を見出すことができました。モーダルシフトの推進により各業界がどのような影響を受けることになるのか、今でもニュースなどでその動向を見たりしています。 また今年はゼミ以外でもゼミ連執行部に所属し採用部を担当しました。振り返ると大変だったとは思いますが、取り組む間はとにかく夢中で、他のゼミの人達とも関われたし、やりがいはもちろんの事、意外に楽しんで出来ました。 これから4年になり、卒論に取り組む上でみんなとやってきた全ての工程を1人で担うことになりますが、この2年間で学んだことを生かして頑張っていきたいと思います。 |
なつき
1年間行ってきたこと 基礎文献 必ずゼミの前に参考文献を読んで理解するように心がけました。自分が担当の部分では特に参考文献を読み込み、わかりやすく要約できるようにつとめました。また、班内では後輩が本当に理解できているかどうかを注意しながらすすめていきました。基礎文献は難しく、2年次にはあまり理解できていない部分もありましたが3年次にはかなり理解も進んだように思います。戦後の政策やバブルのおこりを知れたことは他の授業の中でも役立っています。 共同論文 私は環境政策班の中で国際機関や世界的な取り組みを調べました。あまり資料がなく、また環境政策班の論文の元となる部分だったので大変でしたが班員の協力もありなんとか完成させることができました。 また、「はじめに」の部分も篠崎と協力して作成しました。 当日の討論大会では、自分たちの研究した成果をしっかりと出し発言できたと思います。また、相手の班の自分たちにはない知識も興味深く学ぶことができました。 全体を通して 書記をつとめ、はやくその日のファイルを作成しアップすることで班員の活動がスムーズに行えるように努めました。 |
ゆりえ
今年は三年となり、共同文献では自分たちが後輩に文献の論理構成や主張の意味を説明する立場となり、文献の理解がより求められた。文献を理解するには、まず経済の様々な知識を必要とし、その知識を身につけなければいけなかった。そして、人に説明するということは、単に理解するというだけでなく、筆者の主張を自分なりの言葉に置き換えることが必要であり、そのような能力が少しは身に付いたのではないかと思う。 共同研究では環境を大きなテーマとして論文を作成したが、環境に関して興味があったので、知識を広げられたことが非常によかったと思う。運輸・自動車産業では、モーダルシフトや電気自動車の発展に伴い、これから様々な産業構造転換がおこなわれるであろう。今後の動向が非常に楽しみだと思った。 また、去年とは違い自分たちが主体となり、論文を作り上げていかなくてはいけなかったが、自分たちの考える結論を軸として論理的に章をたて、矛盾がないように論文を書いていくことが非常に難しかった。そのような作業をおこなったことにより、論文作成の基礎を学べた。 インナー大会では、自分たちの主張をいかに相手にわかりやすく、伝えるかということを意識して討論した。また、班長という立場もあり積極的に主張できたと思う。インナー大会のように討論するような機会はあまりないので、いい経験になった。 これから卒論を書くにあたって、今まで学んだことを生かし、納得のいく論文をつくっていきたい。 |
けんたろう
基礎文献 基礎文献では戦後の日本経済においてアメリカや対外関係との関連を重視して構造や発展を見た。一つ一つの事象がつながっているので、しっかりと確認しながら行うことによって、よりその関係性や影響力を理解することができた。 全体を通して、日本はやはり外国の影響力、特にアメリカの影響を受けてここまできた。その風潮は現在も続いており、現在のアメリカの経済の影響も受けるのは間違いないと思われる。 共同論文 運輸部門では運輸部門間でのモーダルシフトを行うという結論に達した。 環境問題が深刻になっている現在でも運輸というのは現代の生活になくてはならないものである。環境に配慮しつつ、大量輸送を可能とするものを利用することが必要だ。そのためには環境に悪く、燃費が悪い飛行機を利用するのではなく、船や電車など燃費もよく大量輸送を可能とするものをこれから利用していくのがよいという結論になった。 また自動車部門では短期的な視点ではハイブリッド車、長期的視点ではやはり電気自動車を普及していくことが必要だ。電気自動車の問題点としてあがっていた充電装置などのインフラ面での整備は、各地にそのような充電装置がつくられてきているなど、徐々に解決されつつある。もう一つの問題点であるコスト面の問題は大量生産が行われれば解決されるが、まだ電気自動車の一般的な認識は低く、普及面での問題がある。だからまずは宣伝などを行い、そういった認識を広げていかなければならない。最近の不況で自動車産業は大打撃を受けているが、いずれ電気自動車を普及していく必要がある。 また環境のためにカーシェアリングをマンションや地域ごとに行い、一人当たりの自動車保有台数を減らしていくことも必要だ。 運輸部門での大量輸送のように、1台で大人数を運ぶことができれば二酸化炭素の排出も減ると思われる。そのために使いたいときに使うカーシェアリングやバスなどの公共手段を使うなどして環境に良い社会を地域からつくっていくことが大切である。 ゼミ連 1年間企画部広報部の仕事をしてきた。当初はうまくまとまっていたが、徐々に連絡があまり取れなくなるなどゼミ連同士のコミュニケーションがうまく出来なかった。またHPは代々引き継いできたものらしいが、元のパソコンが完全に壊れていて更新できなく非常に残念だった。会計の仕事はよくできたと思う。 企画部だがCEATECのビジコン担当ではなく、リクナビやマイナビの社員の方と連絡を取り、経済学部の3年生を対象に就職活動のイベントを告知やセミナーの連絡をした。また経済学部のゼミ説明会では誘導係として奔走した。 反省点 私自身は情報不足、情報に対する認識の甘さなどが目立った。また運輸に関して班全体の知識があまりなかったことと、重複する内容を各パートで行ってしまうなど一つ一つしっかりと班全体が一緒になって確認しあえばよかった。 しかし、アプローチ会議や討論大会本番は周りの意見に流されずに、自分達の主張を最後まで通すことができた。 環境問題というこれから避けられぬ問題を国レベルから地域、家庭に至るすべてが有機的に結びついて解決していくことが必要であるという認識を、色々な方面からしっかりと学べたことはよかったと思います。 |
ゆかり
この一年間ゼミでの作業を通して、去年よりさらに多くのことを学べたと思います。基礎文献では2年の時は3年生の説明を聞いているだけでしたが、3年になり自分の言葉で説明するのがいかに難しいかがわかりました。また書記でも班ででた意見をまとめるのは苦労しました。共同研究では、鉄鋼業の地球温暖化対策を調べ、多くの資料からの引用だけでなく、表や図から読み取り自分の見解を含めての論文を作成できたと思います。しかし多くの資料からうまく自分の考えを文章でまとめるのは難しく大変でした。次の卒論作成ではこの2年間で学んだことを活かしたいです。 |