2013年度あとがき
疋田
今年度のテーマは、「東・東南アジアの持続的・協調的経済成長を目指して」となった。日本を含む東・東南アジアは、世界経済の成長拠点となっているが、緊張と協調の両面を抱えている。1950・60年代には朝鮮戦争とベトナム戦争という第二次世界大戦後の二大戦争の戦場となり、その過程で、まず日本が敗戦からの資本主義的復興を遂げて70・80年代には経済大国化していった。他方、国家的独立を果たした諸国は、輸出主導型工業化路線を選択して米欧日の多国籍企業を受け入れながら民族系資本を育成し、日本に続いて急速な経済成長を遂げていった。しかし、日本は、輸出依存型成長の限界が明確になっても路線転換はアメリカ主導の新自由主義化となり、90年代以降に世界でも異例の長期停滞に陥った。 すでに、財・サービスの輸出入と相互の直接投資によって、東・東南アジアの諸国間の経済連関は極めて密接になっている。しかし、外交関係は、国内の政治システムの民主化が遅れたり逆に非民主化が進んだりした諸国では、それを対外的な緊張関係で糊塗する政策がとられ、緊張関係が強まってきた。他方、東南アジアでは、ASEANの結成によって、対立をできるだけ外交・対話で解決するようになり、時間をかけて民主的な外交関係を構築するとともに、それを基盤のひとつに経済協力も進めている。 こうした社会環境の中にいる我々日本人、とくに社会人直前にある学生は、より安定的な社会関係を作り出すため、今後、どのように政治・経済・外交の状況を判断し、主張し、行動すべきか。これが研究課題である。 アジア経済研究所でも、赤松要の「雁行形態発展論」を理論ベースとして「東アジア統合の経済学」という共同研究を進めてきたが、その出版準備の一環として今年度の夏期公開講座でその中心部分を発表した(2014年1月下旬に日本評論社から出版)ので、ゼミからも代表参加の形でこの情報を収集し共有した。代表の黒岩郁雄氏とは、経済格差を前提とする「雁行形態発展論」で格差のない水平分業への展望を見いだせるのかという点について、多少、意見を交換した。氏も、「目指すべきは水平分業である」ことに同意した。 さて、共同研究は、中国、韓国・台湾、ASEANの3班に分かれて進めた。日本学生経済セミナールの討論大会にも参加したこともあって、各対象地域を分析する視点に違いが生じている。ただし、論文作成と討論を通じて、それぞれの地域の理解を深めるとともに、その理解を人に伝えるには正確・適切な文章表現が必要なことも理解したと思う。この表現には、文脈、つまり経済学のロジックが基礎になる。分担執筆の場合、とくにこのロジックと研究課題の共有が不可欠である。これによって、各自の役割分担が明確になるのだが、今年度の共同研究でも、完璧には達成できていない。次年度でも工夫が必要である。 |
2年生
としのぶ
前期、現代日本経済論を輪読して、自分の興味のある分野が明確になった。これを踏まえ、共同論文に臨めたので理解を深めることができた。初めて読む人に理解しやすい論文を書き上げることを目標に論文構成を考えた。しかし結論に向けて説得力のある文章やデータをまとめ上げることができなかった。論文を書くにあたって、ある事象に対して多角的視点から研究する意識を高めることで、説得力のある論拠が導き出せることを学んだ。そして何度も見直し、修正していくうちに、日本語の難しさを改めて実感した。 今年度は先輩方に頼り、助けられる場面が多かった。特に輪読は、途方もない自分の質問に対しても、とてもわかりやすく教えていただいた。来年度までには今の自分の非力さを改善し、先輩となる自覚を持ち精進する。 |
ゆみ
前期の輪読では、最初のころは毎週の課題をやるペースをつかむことに必死で、余裕がありませんでした。自分の知識のなさも加え、本の内容の理解も、先生や先輩方に助けていただくばかりでした。『現代日本経済論』は読み終えれば経済学部での学習にかなり役立つ知識が詰まっていると思うので、幸い来年度も読むことができるということで今年度以上に頑張りたいと思います。 共同論文では多数のメンバーで一つの論文を作り上げることの楽しさと、難しさを知りました。論文作成の過程でも先輩方に頼るところが大きかったことを反省しています。 来年度では今年度の経験を活かし、今年度の反省点を踏まえて、先生や先輩方に教えて頂いたことを今度は自分が後輩に伝えられるようにこれまで以上の努力をしていきたいです。 |
もえこ
前期の輪読では、議論を通して多くの知識を身につけることができました。しかし、常に受け身の状態になってしまっていたため、来年度は積極的に論点を出して議論に参加していきたいです。後期の共同研究では、先輩に指導してもらった部分が多く、論文作成の難しさを改めて実感しました。また、討論大会では主張をうまくまとめることが出来ず苦労しながらも、積極的に発言をすることで自信につながり、良い機会になったと思います。 この1年を通して、成長できたと同時に新たな課題も見つかりました。来年度は教える立場になるという自覚を持ち、今年度の反省を生かして臨みたいです。 |
まほ
前期の輪読では、何が分からないのかということすらわからず、一つ一つの用語を理解していくのに精いっぱいで、あまり討論に参加できた覚えがありませんでした。来年はこの一年で得てきた知識をもとに、全体の流れを掴むことと、円滑な討論を行うことを目標に頑張っていきたいと思います。 後期の共同研究では、自分の言いたいこと相手に簡潔にわかりやすく伝えることができず、苦労しました。そのためには中途半端な知識ではなく、根拠を持つことと物事の根本を理解することが必要であると痛感しました。 毎週課題をこなすのに苦労しましたが、沢山の知識を身につけられ、大きく成長することができたと感じています。今年の反省を生かして来年以降頑張っていきたいと思います。 |
みゆ
前期の輪読では予習や毎週出される課題作成に追われる日々であったが、内容を自分でまとめることでより理解を深めることができた。一方で、輪読を進めていく中で先輩方に説明してもらうことが多く、自分がいかに知識不足であるかということを思い知らされた。来年度は自分も説明する立場となるため、さらに勉強を重ね、十分に理解してゼミに臨もうと思う。 後期の共同研究ではテーマに関する資料の収集から文章の構成など、論文作成のスキルを上げることができたと思う。討論大会においては自分の考えをうまくまとめ、相手にもわかりやすく発言することの難しさを感じた。普段のゼミでの発言を増やし、慣れることが大切だと思った。 これらの反省を踏まえ、来年度も努力していきたい。 |
かずき
ゼミというグループに入り、最初は何をやればいいのか当然のようにわからなくいろいろなものに戸惑い、特に疋田先生からのメールの返信をせずにいきなり注意され、私はとても怖い思いをしました。一番最初に自分の不注意さを認識できました。 輪読では自分の知らない用語、内容がたくさん登場し、レジュメやまとめノートの作成がとても苦労をしましたが自分の成長を実感できた気がするのでとてもいい経験でした。しかし、反省する点は先輩に頼りすぎたこと、予習不足なことなど直すべき個所がたくさんありました。 後期では、2年生が2人だけでもあり大変つらかったですが、自分でいろいろと調べて力が付いたと思います。先輩方にアドバイスをもらいながらでないと全然できなかったので来年は先輩になるのでもっとしっかりと取り組みたいです。 |
りさ
わたしは約1年間を疋田ゼミで活動することによって、今まで自分に足りなかった主体性を身につけることができた。ただ一方的に教えられたことを学ぶだけではなく、輪読での議論、共同研究などを通して、自分は何がわかってないのかを理解し、そして何を明確にしなければならないかを考えながら積極的に学ぶことができた。 しかし特に共同研究では、自分の調べていることと、班全体の内容にずれがあったりと、至らないところも多かった。来年度活動するうえで、自分の研究内容だけでなく、全体像をきちんとつかんでまとめる力を身につけなければならないなと感じた。 輪読でも雑な理解をなくし、丁寧にもう一度進めていきたい。 |
なつみ
前期の現代日本経済論の輪読では、知識がない中での予習復習に毎週苦戦しました。しかし今振り返ってみると戦後の日本経済を一通り学んだことは、大変自分の力になったのではないかと感じています。知識不足からくる論点を出すことが多くなってしまったので、来年度はしっかり内容を踏まえた発展的な論点を指摘し、議論に積極的に参加できるよう心がけたいです。 夏休みから執筆を開始した論文では、自分の必要としているデータを見つけ出し、根拠を示すという基礎の基礎に苦労し、改めて、論文作成の難しさを痛感しました。また、討論では意見を的確に自分の言葉で伝えることの大切さを学びました。そのためには、表面的な認識だけではなく、その根拠をしっかりと理解すること重要であると感じています。 今年度は先生・先輩方に助けていただき、着いていくことに精いっぱいでしたが、来年度は自分たちが後輩を引っ張っていく立場となります。自分の中で納得ができるまできちんと復習・理解をし、今年度の反省点を生かして今後に備えていきたいです。 |
あすみ
前期「現代日本経済論」を輪読して日本の輸出志向型成長について根底の流れを理解した一方で、知識不足で理解しきれなかった部分があった。来年はあらゆる授業を関連づけた本質的理解ができるように、知識を身につけていきたい。 また、共同研究論文では、大きなテーマを扱ったため情報処理に時間がかかり、論理に詰めの甘さが残ってしまった。一年間の反省を生かし、来年は今年達成できなかったことをできるようにする一年にしたい。一年間お疲れ様でした! |
はるか
前期の輪読では、本の内容を理解するので精一杯で疑問を持つことがあまり出来なかった。毎週の復習でも、しっかりと誰かに説明できる程理解出来ていたかというと、自信を持てていなかった。来年度では、後輩に伝えなければならない立場になるので、時間をかけあらゆる視点から内容を見ていきたい。 後期では、自分の興味がある分野について調べることが出来たが、事実の羅列ばかりになってしまった点はもう少し深めていけばよかったと反省している。最終的には、それぞれが納得できる内容になり、達成感を感じている。 今年度得た知識を活かして、来年度も多くの新しい発見皆で見つけていきたい。 |
えみ
前期の輪読ではただただ自分の知識不足を痛感させられました。1文1文に躓いてばかりで、文章を理解することばかりに必死になっていました。また、毎週のゼミの中で発展させた論点の議論などでは先輩方の意見を一方的に聞くことの方が多く、もっとゼミまでに理解を深めていけばよかったなと感じています。来年度はこの反省点を生かして、輪読の内容理解だけで終わらず、そこから疑問点や問題点を考えたり、班内での議論で自分の意見を持ったり、そういった部分で自分を磨いていきたいなと思っています。 後期の共同研究では終始先輩方のお力に頼ってしまい、もっと自分自身から積極的に取り組めなかった点が反省点です。共同研究でも輪読同様、調べることや内容理解に手一杯で、そこからの考察が甘かったなと感じています。また、改めて論文を書くことの難しさを実感させられました。討論大会でも自分のことで精一杯になってしまい、相手校の意見を理解できないことが多々あり、後悔が残る結果となってしましました。来年度はもっと自信を持って討論会でも発言出来るように、共同研究も主体的に取り組んでいきたいです。 この1年間を通して今までの自分の「甘さ」に気付きました。いざという時に自分の意見が言えなかったり内容理解ができなかったり、もっと準備してくれば良かったと悔しい思いをすることが沢山ありました。しかし、その度に疋田先生や先輩方に助けていただき、少ない知識ながら議論に参加することができました。来年度は後輩も入り、助けてもらう立場から助ける立場になるので、自分のことだけでなく班やゼミ全体をひっぱっていけるように努めたいです。1年間お疲れ様でした。 |
あみ
前期の輪読では、自分の知識の無さを痛感しました。論点メモ一つ一つを先生や先輩方に丁寧に説明して頂くことで、より深く理解することができました。また、毎週の個人カード作成はかなりハードでしたが、輪読した内容を理解できているか確認することができ、大変ためになったと思います。ただ、毎回の課題をこなすことに手いっぱいで、読みが足りなかったと思うので、来年度はさらに深く読み込みたいです。 後期の共同研究では、韓国の経済政策史をまとめました。討論大会では、自分の意見を伝えることの難しさを改めて実感しました。また、自分の箇所以外の部分での理解が少し甘くなってしまったことが反省点です。 今年度の反省点を活かし、さらに充実したゼミ活動が出来るように頑張りたいです。 |
たかふみ
共同研究開始時には論文の書き方・論理構成も無茶苦茶であったが、疋田教授や先輩方のご指導ご鞭撻のおかげで最終的には満足のできる論文が書き上げられた。一方で、論文のエッセンスとして量的比較や実現可能性といったものが欠けており、結論が理想論の域から脱せなかった点に関して反省があるので、来年度以降の取り組みで意識していきたい。一年間おつかれさまでした! |
3年生
まいこ
1年間のゼミ活動を通して、私は「きちんと質問をする力」をつけることができました。特に前期の輪読で、わからない点を徹底的に明確にすることで、だんだん質問の「仕方」が見えてきました。その過程では、わからない点をただ明確にして出すのではなく、そこに自分の考えを加え、論理的に説明をすることが重要でした。 後期の共同論文作成では、インター大会で私の担当部分が論点の一部になりました。興味を持って調べていた内容をもって他大学の方と議論できることが楽しみでしたが、やはり「3年生として、責任をもって議論を進められるか」といった点で責任感と緊張が大きかったです。論文や調査の詰めが甘かった部分があったため、議長団の方からの質問にあまりコンパクトに答えることができず、反省したと同時にとても悔しかったことを覚えています。就職活動や4年生の卒論ゼミを通して、この「質問に的確に答える力」を磨いていきたいです。 |
ゆうき
前期の輪読では、2年生と同じ文献を使ったため、昨年一生懸命勉強したことの復習にもなり、さらに日本経済の歴史についての知識を深めることができた。今回は3年生という立場で挑んだため、2年生にうまく解説できるように意識して取り組んだ。そのため、昨年よりも予習、復習には力を入れた。前期の輪読は過密スケジュールで合宿の時はつらかったけど、仲間とともに学ぶことはつらさ以上の楽しみがあり、充実した日々を過ごすことができた。 後期は、ASEANという今まで自分が全く知らなかった内容をあえて選んで研究した。最初は知らないことばかりで、理解することに必死だったが、研究を重ねて論文を書いているうちに、疑問も増えていき、より深くASEANのことを研究したいという気持ちが湧いてきた。そして、討論大会は研究したことを、どれだけ自分が理解しているか試せる場となり、積極的に参加することができた。他大学と討論する機会はあまりないので、貴重な経験となった。一年間を通じてより、自分の知識の幅を広げることができたと思う。 |
ちはる
前期の基礎文献輪読は、教わる立場から教える立場となり、予習に追われる日々でした。提出された論点メモをチェックし、後輩にどのように説明しようかと頭を悩ませる経験は本年度がはじめてでした。前年度の討論大会での反省を生かし、説明する部分は事前に図式化するなどして自分なりにまとめておくよう工夫しました。しかし、再読しても理解が曖昧な部分もあり、上手く説明できないことがあったことは反省点です。どうしても一人で整理できない部分は、同じ班の3年生に助けてもらい乗り切ることができました。 後期の共同論文作成においては、後輩と話し合いを重ねる中で論文の改善点を見つけるように努力しましたが、その際に感じたのは自分自身の未熟な指導力でした。しかし、討論大会本番で、議論が平行線となることはありましたが、後輩がしっかりと意見を主張している姿を見て感動しました。拙い指導ではあったと思いますが、2年生の来年度に向けての糧となればと思います。 2年間の基礎文献と共同研究で学んだ知識・反省点を生かし卒業論文作成に取り組みたいと思います。 |
はるか
1年間のゼミ活動を振り返ってみて、去年よりもゼミで学ぶ楽しさを実感することができた。また、教わる立場から教える立場になったことで、実際に後輩に説明すると、理解していたはずのことも理解したつもりでいたことが明らかになった。一つの事象に対して常に「なぜ」ということを突き詰めて考察していくことが重要であると痛感した。 後期の共同研究では、得た情報を取捨選択し、掘り下げて分析していくことができなかった点が反省点として挙げられる。また、後輩の2人が一生懸命取り組んでくれ、その姿勢に刺激を受け、先輩としてもっと頑張らなければならないと強く思った。 卒業論文は、このゼミで学んだことを活かしつつ、大学生活で学んだ集大成として自分なりに精一杯取り組んで、納得のいく論文に仕上げていきたいと考えている。 ゼミでは、知識以外の面でも学ぶことがたくさんあり、なにより素晴らしいメンバーに出会え、共に取り組むことができたこと私自身の人生における財産である。今後の卒業論文の執筆、就職活動、仕事にと、ゼミで学んだ多くのことを活かし、ゼミの先輩方のような魅力的な人間を目指していきたいと思っている。疋田先生、先輩方、後輩の皆さん、そして同期の仲間たちに深く感謝したい。 本当にありがとうございました(^^) |
すぎた
去年の反省点は主体性であった。その点に関しては1年を通して改善できたのかなと思う。 前期輪読に関しては、昨年度から個人的には理解という上では成長できたように思う。ただ、後輩への説明という面ではうまく説明できなかった部分や、自分の誤った理解を伝えてしまった部分があったのが反省点である。また、2年生をもっと議論に参加させることができればよかったということは強く感じている。私から説明をするのは簡単だが、もっと自分の意見や考えを交換できる、そういう環境を作る努力が必要だった。 後期の共同研究に関しては、これも始めのうちから2年生の主体性を引き出せたら良かった。論文としては、もう少しまとまりのあるものにできたら良かった。そのためには論文構成の段階での問題意識や最終目標の明確化と共有がより必要だった。討論大会に関しては、2年生を中心に議論がしてもらえたので良かった。 この1年、多くの反省点が見つかったが、3年として充実したゼミ活動ができたように思う。この経験を就活と卒論に生かしていきたい。 |
りえ
今年1年のゼミ活動を通して去年の反省を生かし、積極的に参加する機会を増やせたことは私にとって大きな収穫だったと思います。前期の輪読は自分の言葉で明確に説明することのむずかしさを改めて痛感しましたが、2年生からの疑問や質問で新たな発見が多くあり、さらに理解を深めることができたので有意義な時間でした。 後期の共同論文の取り組みでは、特に班員に2年生が多かったので全員が発言しやすい雰囲気づくりに努め、班長のリードもあり、多くの班員からの疑問、意見が論文に反映できたことはよかったと思います。論文作成においては、全体の構成を練ることに時間をかけて行いましたが、その後の修正にもじっくに取り組めればよりよい論文になったと感じたので、今後卒業論文執筆等の課題として取り組んでいきたいです。1年間楽しく前向きにゼミに取り組めたことは、先生をはじめゼミ生の皆さんにとても感謝しています。ありがとうございました。 |
はしもと
本年度は、自身の立場もあって学生生活の中でいつも頭のどこかに「ゼミ」を意識していたように思います。前期の活動においては、他の授業を受けているときもゼミの研究内容に関連付けて考えてみたり、基礎文献以外の書籍等も併読して主張の妥当性を検討してみるなど、多方面からの情報収集を意識していました。また、いかに要点を押さえて簡潔にわかりやすく伝えられるかということに重きを置いて輪読を進めましたが、やはり自分の理解が充分に及ばないところもあり、後輩の理解に貢献できているか不安になることも多かったです。それでも確実に昨年度に比べ理解が深まったこと、教える立場や班長という経験ができたことを考えれば非常に有意義な時間だったと思います。 後期の共同研究では有難いことに自ら提案したテーマを研究することができ、困難なこともありましたが主体的に取り組めました。何より嬉しかったのは、前期輪読班のメンバーのほとんどが自分の提案を支持して一緒に研究に取り組んでくれたことです。担当範囲においてしっかり役割を果たしてくれた2年生、いつもサポートしてくれた3年生には本当に感謝しています。論文については、まだまだ未熟で改善すべき部分が多分にあったと感じています。扱うテーマの大きさから主張に一貫性がなかったり、情報・主張の信憑性についての裏付けが甘かったりと、改めて論文執筆の難しさを痛感しました。 一年間、ゼミの代表という形で活動させてもらい、ある程度目標をもってやってきたつもりでしたが、特に大きな仕事をしたわけでもなく、「このままでいいのか」と思い悩むこともありました。しかしそれでも得たものは多くあると感じており、本当にやってよかったと思えています。支えてくれた2,3年生、そして疋田先生に感謝です。ありがとうございました。 |
ともみ
前期の輪読では昨年の輪読で読んだ内容をちゃんと覚えているか、昨年先輩にたくさんのことを教えてもらったように2年生にわかりやすく重要な点を解説してあげることが出来るかとても不安でした。ひとつひとつの出来事は知識として理解していましたが、時代背景・全体のつながりを2回目に読むことでより深く理解することが出来ました。今後卒業論文作成などでもこの知識をいかしていきたいです。 後期は「ASEANの課題と展望」というテーマで共同研究をおこないました。インター大会当日は相手の質問に対して自分たちの意見を上手く伝えることが出来ず、なかなか討論という形にすることが出来ませんでした。今後就職活動・社会人として生きていくうえで自分の意見を明確に持ち、簡潔にわかりやすく伝えられるよう努力していきたいです。 |
あすか
前期の輪読では、後輩を教える立場になったことで、自分の理解が曖昧なものであったことを痛感させられました。理解を深める為に、もう一度読み込みたいと思います。また、3年生としての責任から、去年以上に予習復習に力を入れましたが、あまり後輩を助けてあげることが出来ず、教えることの難しさを考えさせられました。 後期では、ASEANという自分が学んだことのない内容を、一から研究し、論文を作成していくのは良い経験になりました。新しい知識や考え方が身に付きました。また、普段から2年生の2人が頑張ってくれたおかげもあって、多くの刺激を貰い、有意義な時間を過ごすことが出来ました。本当に頼もしかったです。 2年間本当にあっという間でした。後悔も多いですが、ゼミでの経験や時間は、私にとって大切なものです。この経験を無駄にせず、必ず今後の活動に活かします。疋田先生、先輩方、後輩の皆さん、そして同期の皆さん、本当にありがとうございました! |
ゆき
前期は去年と立場が違い、2年生に教える立場に変わったことで、うまく伝えられるか等毎回不安でした。しかし、去年の経験を踏まえ、今年改めて予習をして輪読に臨んだことで全体の流れや知識をより深めることができました。この輪読はほかの教科を勉強する上でもとても役に立ち、理解が深まって本当によかったと思っています。しかし、まだまだ足りない部分も多いので、これからもこの本をしっかりと読み込み、知識を深めていきたいです。 後期は、韓国・台湾班での共同研究を行いました。KT班は2年生に比べ3年生が少ないこともあり、もっとしっかりとしなければなりませんでしたが、同学年に頼ってしまった部分が多く、とても反省しています。論文自体も私の担当では大きく変更があり、もっと班として必要な内容に変更できたのではないかと感じています。また、積極的に発言をし、まとめていく力がないと改めて実感しました。これを今度の課題として来年の卒論ゼミ、また就職活動にもゼミでの経験を生かしていきたいです。 |
なおと
3年生になると前期の輪読が楽になると言われてきましたが、まったくそんなことはありませんでした。複数回読み、他の授業を受けた結果どれだけ理解が足りていないのか、濃密な文章なのか思い知らされる日々でした。2年生の時は1冊で済んだノートが2冊になるとは想像もしていませんでした。その分、前期の試験が楽だったので意味はあったと思っています。『現代日本経済論』を学んだことは自分の就労観を養うことにもなり、一生懸命取り組むことの大事さを感じました。 後期の論文で感じたことは、文章で人に正確に伝えることの難しさです。今後もそれは解決しない問題のように感じています。 ゼミで学んだ、本質を見る。分からないことは調べる、それでも分からなければ素直に聞くということを大事にしていきたいです。傾聴する姿勢を身に着けて社会人になりたいと思っています。最近新たに講演で伺った内容にJ.DクランボルツのPlanned Happenstance Theory というものがありました。ゼミに入ることができた偶然に感謝しながら、卒論を執筆していきたいと思います。 |
さやか
3年生になり、後輩をまとめる立場となりましたがどうしても同学年に頼ってしまうところがありました。まずはそこが反省点です。しかし、昨年度のゼミナール活動の中で培ってきた知識・経験は活かすことができたと思います。 前期輪読での「現代日本経済論」は去年読んだこと、日本経済論で学んだこともあり自身での理解は深まっていました。しかし、難しい用語や後輩の鋭い質問などに自分では分かっているつもりなのに、どのように説明し答えるべきかとても苦労しました。この経験から、まずは自分の中でも曖昧な理解に留めるのではなくしっかり頭の中で整理した上で説明するように心がけるようになりました。 後期の共同論文では以前から興味のあったアジアをテーマに研究をすることができ、自分の知識の幅をより広げることができました。今年度も執筆途中で結論の方向性を導き出すのにとても苦労しましたが、2年生、3年生の協力によって全員が納得のいく結論が出せたと思います。 これらの経験を活かして、来年度の卒業論文執筆も楽しんで取り組んでいきたいと思います。 |
ゆりあ
今年1年は、昨年とは異なり「教える立場」としてゼミ活動に参加してきました。井村氏の「現代日本経済論」の輪読の際は、自分が納得できるまで予習をすることを心がけ、少しでも2年生のプラスになれるように学習を進めました。事象の繋がりを意識するようにし、そして疑問に思ったことは紙に書いて整理をするくせをつけました。2年生が積極的に疑問をぶつけてくれたので、班の3年生で協力してより理解を深めていけました。しかしながら、依然として理解の乏しい個所は残っているので、学生の間にその点を無くしていきたいと思います。共同論文作成の際には、昨年は積極的に発言できなかった反省を活かし、主体的に取り組むことができました。論文作成の進め方から構成まで、自分の意見を主張できました。執筆担当箇所は何度も推敲を重ねましたが、自分の文章作成能力の低さに恐怖を覚えたので、卒論指導と通して改善していきたいです。 以上、この1年を通して「成長」できた部分、今後の課題が見つかりました。ありがとうございました。 |
ひろあき
前期は昨年同様井村喜代子氏の『現代日本経済論』を輪読した。2年生の時は後輩として班活動に従事していたが、今年からは私が先輩として班を率いていくこととなった。去年は自分が発言すれば満足していた。しかしその意識を改めて、後輩と一緒に得た知識を共有することを心掛けた。同期の仲間、積極的な後輩に支えられ、全員が一体感を持って作業に取り組むことができたと思う。反省点として、私は先輩に多くのことを教えてもらい、助けられたが、後輩に対して自分がしてもらった以上のサポートができたか。この点が甚だ疑問だ。もっと熱意を持って輪読、読解ができたのではないか。このように考えると悔いが残る。バブル経済崩壊後の失われた20年の研究が甘いと自分自身が感じた。今後そこを自主的に勉強していきたいと思うようになった。 後期は新たに班を編成し、韓国・台湾経済を研究した。チームワークという点に関していうと、杉田に一役を担わせすぎてしまっただろう。もう少し協力すべきであった。後輩に関していうと、前期の班同様、協力し合えたと思う。お互いの思いを共有し合えたことによってそれが実現したと思う。しかし、人に話させようと意識しすぎて、自分が発言をすることがなかなかできなかった。討論大会当日は各校積極的な議論ができたと思う。そのため2年、3年の討論大会はどちらも良い思い出になった。 この1年間を通じて得られた事も多かったが、反省点の方が多かった。この経験を無駄にせず就職活動だけではなく、自分の人生に生かしていかなければならない。 |
けんいちろう
今年は三年生として、ゼミを引率する立場で1年間コミットしてきた。二年生とも頻繁に対話して仲を深め、円滑なゼミ活動ができたと思っている。 二度目となる日本経済論の輪読では、去年理解したつもりが曖昧だったということが多く、教える側として班員に迷惑をかけてしまったことは反省している。しかし、教えるだけではなくて、周囲の出した論点が新たな発見に繋がることも多々あり、どんな立場だろうと自ら学び続ける姿勢は大切だと実感した。 後期の共同研究では、ASEANの共同経済成長について論文を作成した。班員8人と少人数の活動だったが、一人一人が明確な役割と責任を持って研究を行い、インター大会に参加できたと思っている。 この2年間、疋田教授とゼミの皆さんと共に学び、様々な経験ができて感謝しています。ありがとうございました。 |