サイバーアジア〜ホームページ紹介(3)〜

情報基盤整備プロジェクト

 アジアの情報基盤整備プロジェクトは、国家規模のものに限ってもマレーシアのVision2020や韓国の超高速情報通信網計画など各国とも取り組みに余念がないが、こうしたプロジェクトの嚆矢がシンガポールのIT2000である。
 IT (Information Technology) 2000はアメリカのゴア副大統領提唱の情報スーパーハイウエイ構想より早い1991年8月にNII (National Information Infrastructure)整備を掲げて開始された。2000年に「Intelligent Island」を実現するため、市民に提供されるソフト開発と支援設備整備、光ファイバー網などのインフラ整備が柱となっている。シンガポール国内において、役所や図書館、郵便局などの公共施設は勿論のこと、民間を含めてあらゆる種類の「通信」をネットワーク化しようとする試みだ。すでにネットワーク接続の幹にあたるバックボーンを一本化するSinapore One計画が徐々に実現されつつあるようだ。
 IT2000については旗振り役の政府機関NCB (National Computer Board) ホームページ(英語)にマスタープランが示されており、この手のホームページにしてはまめに進行状況が書き込まれている。
 アジアと言うと「遅れた」とか「援助すべき」などの枕詞がいまだうっすらとでも思い浮かんでしまう人は、認識を改めなければならない局面に差し掛かってしまったのかもしれない。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、1997.9)