サイバーアジア〜ホームページ紹介(8)〜

ポイントキャストアジア

 インターネットはネットサーフィンでニュースを取りに行く(プル)タイプのメディアだったが、各自のパソコンにニュースを届ける(プッシュ)タイプのメディアが現われ、すでに世界で100万単位の利用者を獲得しているという。
 こうしたプッシュ型のインターネット放送の中で、今回紹介するのは「PointCast Asia」(現在英語のみ)である。すでにアメリカと日本でサービスを開始しているポイントキャスト社は、香港でも1997年12月に発信を開始した。無料の専用ソフトがあれば随時あるいは定時にニュースを更新してくれる。またスクリーンセーバー機能を持ち、パソコンのアイドル時にはニュースのヘッドラインの他、回線が接続されていれば株価やレートなどが刻々と表示される。
 現在ニュースでは中国大陸の新華社、香港のニュースソースではホンコンスタンダードとチャイナモーニングポストの一部やダウジョーンズ、CNNが配信されている。企業情報では香港、シンガポール、マレーシア、台湾、中国諸都市、タイ、フィリピン、インドネシア、アメリカなどの企業から、指定した25銘柄の株価情報とそれら企業の関連ニュースが流れる。この他アジア100都市以上の気象情報、アジアのIT(Information Technology)情報を受け取ることができる。
 これらのサービスは地上波の民間放送などと同じく広告収入によって運営されており、ポイントキャスト画面の一部では絶えず広告が流れている。前述のスクリーンセーバー上の広告も考え合わせれば、ネットスケープやインターネットエクスプローラーなどの汎用ブラウザー利用時と比べてネット上広告のアピール度が高く、有効な宣伝手段ではないかと考えられる。発足時にはソフトはウインドウズ版のみ、コンテンツも英語に限られていたが、マック版ソフトや中国語コンテンツも準備中とのことで、しばらく目が離せない。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、1998.2)