サイバーアジア〜ホームページ紹介(14)〜

アジアのバーチャルミュージアム


 世界のインターネット接続環境が徐々に整備され、また圧縮技術の進展なども相俟って、動画(ビデオ)は苦しいにしても相当量の画像や音声を扱ってもそれほどストレスにならなくなってきた。バーチャルミュージアムは当初からインターネット利用の好例として引き合いに出されたものだが、現在アジアンミュージアムの仮想版も少からず、鑑賞に耐えるものも出始めている。
 国立故宮博物院(台湾)(英語、Big5中国語)ホームページには最新の展示内容や出版情報のほか、所蔵品紹介などが含まれている。台湾故宮は60万点以上の所蔵品を有するが、ホームページも総頁2000超と伊達ではない。その内所蔵品紹介は銅製品、陶磁器、漆器、書画、図書などと分かれていて、たとえば「玉器」を選ぶと小さな画像見本とともに玉壁、玉杯などの所蔵品が列挙される。中で「翠玉白菜」を選ぶと37KバイトのJPEG画像は意外に美しく、自然石の色合いを生かした実物と見まがう石彫が人目を引くとの説明も首肯できる。
 所蔵品のデジタルライブラリー化とともに、故宮ページは米IBM社が全面的にバックアップしている。同じく米メーカーのSunSITE上にあるのがVietnam Pictures Archive(英語)である。ネット上で扱える形式の画像(JPEG、GIF)、音声(RA、MIDI)が風景、人物、美術などに分類して掲載されている。名のみ高い水上人形劇も画像で確認できる。百聞は一見に如かずとは、インターネットの中でもホームページのためにある言葉のようだ。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、1998.8)