サイバーアジア〜ホームページ紹介(15)〜

シンガポールのオンライン博物館

 シンガポールはMICE(Meeting, Incentive, Convention, Exhibition)産業、すなわち国際会議・展示会開催環境などでアジアのトップクラスにあることはよく知られているが、常設会場におけるエキシビジョンにも力を入れている。博物館を管理するシンガポール国家遺産局は、2000年までに現在の国立博物館を専門的な複数の博物館に再編する計画という。すでに1996年に完成しているシンガポール・アート・ミュージアム、昨年ファーストウイングがオープンしたアジア文明博物館、全面改修が予定されるシンガポール歴史博物館の3つだが、アメリカに先駆けて1991年に情報インフラ整備「シンガポールワン」を打ち出したシンガポールのこと、すでに1996年にはオンラインミュージアムと銘打って、各博物館のホームページを開設している。
 シンガポール・アート・ミュージアム(英語)は東南アジア美術と今世紀のシンガポール美術を集め、アジア文明博物館(英語)は東南アジアをはじめ、南、東、西アジアのコレクションを揃え、英領下ラッフルズ博物館以来の収集品などが掲載されている。シンガポール歴史博物館(英語)の特別展のページはどれも力が入っているが、最近のプラナカン(クレオール華人)住居展(英語)はほとんどウォークスルーだ。
 これらのバーチャルミュージアムは取り組みが早かった分、掲載図版が十分でない部分もあるが、情報技術大国シンガポールのこと、博物館再編完了までにはあっと驚くような仕掛けを用意してくれることだろう。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、1998.9.1)