サイバーアジア〜ホームページ紹介(17)〜

エスニックメディア

 国内で日本語以外のメディアとしては英字紙が思い浮かぶが、アジア言語による媒体も少なくない。こうした内なるアジア情報は、従来各民族団体の機関誌や留学生向け新聞などが発信するのが主だったが、80年代以降の外国人労働者の増加と彼らの定住によって各種言語媒体は増え続け、休止中のものも含め現在200近くあるという。アジア諸語に限っても中国語、朝鮮語、ベトナム語、タイ語 、ビルマ語 、インドネシア語 、マレー語、フィリピノ語使用と多岐に渡り、ミニコミから衛星放送までスケールも様々だ。 多民族国家、たとえばマレーシアやインドでは複数の言語媒体が併存しているのは普通だが、日本でもそうしたメディアの萌芽が見え始めたといえよう。
 中文導報(Big5コード中国語、画像版中国語)は在日華人対象で、独自の取材記事や社説も備えた本格的な週刊紙である。外国人花嫁とその家族、特に日比ファミリー向けにはKumusta Online(フィリピノ語、日本語)がある。フィリピノ語ミサのあるカトリック教会やフィリピン食品、雑貨を扱うサリサリストアの情報などが掲載されている。フィリピノ/日本語バイリンガルのかぐや姫なども、必要性があってのことだろう。こうしたエスニックメディアを一社でいくつも出している会社もあり、食品店、国際通信以外でも在日外国人向けビジネスが成り立つことがわかる。
 このような日本の外国人向け情報媒体を紹介したページとしてエスニック・メディア・ガイド(日本語)があり、書籍版のデータも更新され充実している。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、1998.12)