サイバーアジア〜ホームページ紹介(23)〜

ラジオツールバー

 マイクロソフト社はホームページ閲覧ソフトのブラウザに、インターネット放送視聴用の「ラジオツールバー」を搭載した。通常ホームページはデータを受け取ってから見聞きするが、これらはデータを転送しながらリアルタイムで再生され、まさに放送聴取そのものと言える。こうしたストリーミングメディアは文字、画像情報を中心とした従来型のホームページと異なる情報を発信するもので、技術的に新しいものではないが定着に時間がかかっていた。配信技術についてはこの分野で主導的なRealNetworks社の方式もあるが、ネットスケープと市場を分け合う事実上の標準ブラウザが受信機能を持ったことで、ラジオやテレビをホームページから見聞きするのが一般化するかもしれない。また大量のデータをやりとりするためのISDN 128K bps接続やケーブルテレビ回線、衛星利用のインターネット接続など、速い回線が普及する追い風ともなるだろう。
 現在ブラウザ対応方式での配信を表明しているアジアのインターネット放送局は日本のFM、AM地上局の他、韓国SBS(KSコードハングル)や台湾の映画紹介専門のHiMedia影音媒体中心(BIG5コード中国語)、FM局の台北愛楽電台(BIG5コード中国語)、タイのインターネット放送局ThaiCast(英語)など全27局である。こうして見るとニュースなどの報道情報より、音楽などの娯楽情報が中心になっているのがわかる。エンターテイメントはテクノロジーが市場に定着するための重要なステップなのだ。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、1999.5)