サイバーアジア〜ホームページ紹介(25)〜

アセアン

 ASEANが東南アジアにおける最初の本格的な地域連合として発足して12年目の1999年4月30日、10番目の加盟国としてカンボジアが加わった。ASEAN10として完成を果たしたわけだが、当初のASEAN5(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)、さらにしぼりこんだASEAN3(インドネシア、マレーシア、シンガポール)を核とする見方もあるようだ。ベトナム以降のASEAN加盟において、意志決定をリードしたインドネシアが中心であると言ってもよいようで、とするとポスト・スハルト体制は全東南アジアに影響を及ぼすものと言えよう。こうしたASEANウォッチングには、各国情報や各種統計、域内でのプロジェクト紹介や報告書、さらにリンク集までついたASEANWEB(英語)が必須である。
 調べものの最中は、このサイトにつなぎっぱなしで必要な箇所を別名保存したり、「リンクを新しいページで開く」操作でいろいろなページを複数表示したり、回線にもコンピューターにもかなり負担がかかる。テクノロジーは直線的に進歩し、旧来の技術は置いてけ堀というイメージもあるが、ユーザーインターフェース/使い勝手の問題で、たとえば紙媒体も無くなる気配はない。とはいえホームページなど、ハイパーメディアのハイパーリンク、ランダムアクセスなどの自由さを味わってしまうと、特に目次や索引のしっかりしていない書籍は敬遠しがちだ。そこで手元にあって安定して動作し、デジタルメディアで全文検索もかけられるCD-ROMなどの記憶媒体が再浮上してくる。ASEANについていえば『ASEAN資料集成 1967-1996』(日本国際問題研究所)が結成時から30年間のあらゆる合意文書を収めたCD-ROM版資料集として出版されている。資料データベースはオンラインに限るというわけでもなさそうだ。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、1999.7)