サイバーアジア〜ホームページ紹介(26)〜

インドネシア情報

 アジア情報は流通や言語の問題で、到達した内容が必ずしも本国で普遍性を持つものでないということがあったが、ネットによって即時・大量の情報が入手できるようになり状況は激変した。しかし言語については現地語による一次ソース情報を直接利用できる人はまだまだ少数派で、平行して流される英語に頼らざるを得ない状況が続いている。英語ならネット上の各種エージェント技術によって日本語に変換することも可能だが、こうした重訳でなくダイレクトに日本語によるアジア情報を発信しているサイトも存在する。
 総選挙、東ティモール住民投票など目がはなせない状況が続いているインドネシアだが、インドネシア民主化支援ネットワークの「今月のニュース」にはインドネシア、オーストラリアなど国内外のマスメディアから関連情報が日本語でクリップされている。昨年2月に結成された市民団体によるサービスだが、ニュースの詳細については有料メーリングリストも用意されている。過去の情報は『アジア動向年報』(アジア経済研究所)の日録などでフォローできるだろう。
 インドネシア文化宮(GBI)はスハルト時代に発禁処分を受けたインドネシア誌『テンポ』の流れを汲むニュース誌『ガンマ』(旧ガトラ)の東京支局が発信するページである。本誌のインデックスの他、支局長のコラムなどが日本語で読める。
 6月の総選挙は44年ぶりに48政党が参加し、アジア屈指の能率を誇った開票作業の混乱ぶりは、逆に軍や警察が関与しなかったことを裏付けている。それぞれの政党の主張や支持層をこれらのページによって押さえておくことは、生まれ変わりつつあるインドネシアを理解する上で必要であろう。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、1999.8)