サイバーアジア〜ホームページ紹介(32)〜

ウェブメール

 学術機関での利用からはじまったインターネットは、商用プロバイダ(接続サービス提供業者)によって一般に広まったが、どこにも所属していなくとも無料で電子メールやホームページを利用できるサービスが盛んになってきた。タイや中国からのメールで、@(アットマーク)以下にhotmail.comとかyahoo.comとあれば、それらはフリーの電子メールサービスである。
 Yahoo! Mailはアジアでは日本のほか、香港、韓国、シンガポール、台湾、中国用の登録ページを用意している。Yahoo! にはフリーホームページサービスのGeositiesも統合され、個人のアジア情報発信ページに利用者が多い。マイクロソフト社のHotmailは日本語の他に独仏西伊葡メニューがあり、ウェブメールで提供されている。電子メールはメーラーソフトを使って送受信するのが普通だが、ウェブメールはホームページ閲覧用のブラウザで特別な設定なしに利用できる。
 ブラウザは英語+1言語の制約がない多言語利用可能なソフトだから、メーラーに比べていろいろな文字で利用できそうだ。アウトルックなどのメーラーでも「書式−エンコード」から文字コードを選べばタイ文字やハングルで送受信可能だろう。しかし実際には受け手のメールサーバーが日本語と英語以外は受け付けない設定になっていたり、送り手の設定ミスで半角〜全角変換や違う文字コードによる解釈が行われたり、アジア語メールは文字化けすることが多い。中国語についてはJoymailがブラウザのプラグインとして繁簡体字入力を用意しており、GB、BIG5コードでの電子メールの送受信が、ウェブメールで中国語フォント、IMEなしに行える。ハングルやモンゴル文字など他のアジア諸語についても、こうした環境が提供されることを切望する。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、2000.2)