サイバーアジア(46)

DVDビデオ

 DVDビデオは動画をMPEG-2という圧縮形式で記録した映像ソフトである。再生可能なプレイステーション2の普及によって、すでにセルビデオ販売数ではVHSを上回っている。東アジアではDVDと同形のビデオCDがVHSをしのいでおり、上位規格のDVDプレーヤーでソフト資産が生かせるため普及も早いだろう。
 DVDの映像は水平解像度でVHSの倍、音声は映画館同様のドルビーサラウンドやDTSが可能だ。監督解説や吹き替えなど8種の音声トラックと32種類の字幕の付け消しを付加できる。日本語字幕で内容確認、字幕を消してディクテーション、原語字幕で添削、といった映画のヒアリング学習もお手の物だ。
 DVD規格はハリウッドのメジャースタジオが映画ビジネスの新機軸として開発を要請した経緯があり、映画会社自体がソフト供給に積極的で、ハリウッドではすでに1998年から映画フィルムをDVD形式でデジタル化する作業も始まっている。香港、インド映画は泰盛VIDEO<http://secure.taiseng.com/taisengMain/>India Plaza<http://www.indiaplaza.com/videostore/dvd/>で発売タイトルが確認できる。
 アジアのDVDを見るには、VHSと同じくカラー方式で日本、韓国、台湾、フィリピン、ミャンマーのNTSCとアジアで主流のPALの区別がある。さらにDVD独自に国別のリージョンコードがあり、アメリカの1からはじまって、日本が2、中国以外のアジアが3、インドが5で中国大陸が6となっており、コードの異なるソフトはそれぞれの国のハードで再生できない。リージョンコードは規格統一間際にハリウッドメジャーが映画の興行権を守るために主張したという。しかし中国ではセルDVDのほとんどがNTSC/リージョンALLで、カラー方式切替のプレーヤーも普及していてほとんど関係なさそうだ。日本では外国向け電気製品を売っている店(秋葉原の免税コーナーや野口商会<http://www.noguchi-nagoya.co.jp/>などの専門店)でマルチリージョンDVD機を探すか、DVD Republic<http://hometown.aol.com/dvd9/index.html>などで国内版プレーヤーの設定変更情報を確認することができる。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、2001.4)