サイバーアジア(48)

ネットワークゲーム

 日本はブロードバンド(広帯域)接続による高速インターネットについて、アメリカはもちろん韓国やシンガポール、また局地的には中国にも遅れを取っている。ブロードバンド実現のキラーコンテンツはネットワークゲームと言われているが、この分野、特に空想世界を冒険するロールプレイングゲームについては海外メーカー主導で進んできた。
 たとえばEver Quest<http://everquest.station.sony.com/>Ultima Online<http://www.uo.com/>などが世界規模で参加者を集めているが、特にUltima Onlineは日本<http://www.jp.uo.com/>台湾<http://uo.ea.com.tw/>韓国<http://www.kr.uo.com/>にもオフィシャルサイトがあり、現在は自動翻訳システムによって、英語の他、ドイツ語、日本語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、中国語、ロシア語でプレイが可能である。
 ネットワークゲームにはEver QuestやUltima Onlineのようにウインドウズ機などの汎用パソコンで楽しめるものと、ゲーム専用機で行うものがある。家庭用機としてはセガ(ドリームキャスト)がはじめて、ナローバンド対応ではあるがネットワーク機能を標準装備し、数万人におよぶネットワーク登録者を集めた実績がある。家庭用ゲーム専用機は世界的にソニー(プレイステーション2)や任天堂(NINTENDO64, GAME CUBE)など、日本のメーカーの独壇場だったが、マイクロソフト(Xbox)がブロードバンド対応を掲げてイーサーネットを標準装備したゲーム機で参入をはじめる。
 韓国のPC房や中国の電脳房の様子はインターネットカフェというよりゲームセンターであり、ネットワークゲームの動向はアジアのブロードバンド普及に大きな影響を与えそうだ。

(初出:『アジアクラブマンスリー』アジアクラブ、2001.6)