2007年度現代企業法(租税法部分)(EX282)


租税法部分パワーポイント(zip)


期末試験 解説
第五問(租税法・浅妻章如)
(1) 一般に税務訴訟において納税者側は損失があると主張したがる。損失があることがどうして納税者にとって都合がよいのか。損失額・税率について自分で数値を設定して説明せよ。(10点)
(2) 移転価格について自分で数値を設定して説明せよ。(10点)

【解答例】 (1) 損失額が1000円、税率が30%であるとすると、その損失額以上の利益がある場合、税額が300円減るから。
(2) A社・B社が関連会社であり、A社の所得には10%の税がかかり、B社の所得には20%の税がかかるとする。A社・B社それぞれの所得がマイナスにならない範囲で両者間の取引価格を変動させると、例えば、A社からB社への製品の売却価格を100上げると、A社の所得が100増え、B社の所得が100減り、A社の税額が10増える一方でB社の税額が20減るので、A社・B社合計では税額が10減ることとなる。このように会社間で所得を移転させるような価格設定を移転価格という。

【講評】
(1)について、過小資本や外国税額控除の図を書こうとする答案が散見された。
(1)について、連結納税(講義で扱っていないのに)の説明をする答案が幾つかあった。想定していた回答と異なるが、内容面でぎりぎり出題に対する答えとなっているものは、加点要素とした。 (2)について、所得×税率ではなく売上×税率で計算している答案が散見された。
(2)について、数値を設定して説明せよという問題文であるのに、全く数値を示そうとしない答案が散見された。問題文を読むことは空気を読むことより難しくないはずだが。

二年生平均 (1) 6.70 (2) 5.08 計11.78
三年生平均 (1) 7.13 (2) 5.69 計12.83
四年生平均 (1) 6.29 (2) 3.88 計10.17
全体の平均 (1) 6.82 (2) 5.14 計11.95
四年生の方が平均点が低い。

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