始めに

 私の研究は「物質との出会い」であり、有機化合物『炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素)リン、金属等を含む』を中心に扱っている。

 我々は朝眼を覚まし、顔を洗う。その時使う石鹸の香りや歯磨き、整髪用のリキッドの成分、続いて食べる朝ご飯、味噌汁、納豆、卵………食後のインスタントコーヒーの成分等身の回りを見渡してみるとほとんどが炭素化合物である。その他にも身近な炭素化合物は、都市ガスのメタン、コーヒーに入れる砂糖、お酒の成分のエタノール、酢、医薬品、化粧品、衣類、プラスック類、ゴム、エアコンに用いるフロンガス………その数は数え切れないほど存在する。

 これらの化合物は天然界から得られる物も数多くあるが、その大半は人工的に合成された化合物である。現在登録されている物質の数は千数百万以上もあり、刻々と世界中の研究者達にによって合成され、限りなく増大する可能性を持っている。そこで私の研究室では、アイディアを中心とした新しい合成反応の開発を始めた。

 しかしながら最近は、環境問題が問われるようになり、従来使用されていた金属の多くは、使用できなくなってきた。

 そこで、数年前からGreen Chemistry (環境にやさしいものづくり)を目指し、光や植物培養細胞等を利用する新しい有機合成反応を開発する試みをおこなっている。 

 また環境浄化についての研究も開始し、着々と研究成果を出している。


研究テーマ
 

研究室でおこなっている研究テーマの主なものは以下の通りである。

I.有機遷移金属錯体や金属塩を利用する新しい有機合成反応の開発

II.植物培養細胞による物質変換を利用する新しい有機合成反応の開発

III.有機遷移金属錯体の合成とその性質

IV.光を利用する新反応の開発

V.マイクロウェーブを利用する新反応の開発

VI.チアゾリジン環を有する生理活性物質の合成

VII.イソオキサゾリン環を有する生理活性物質の合成

VIII.環境を汚染している内分泌かく乱物質の分解・無毒化

 

上記研究テーマ以外に、教育研究協力によって、大学院生は「理化学研究所」で研究することが可能。当研究室から既に6名の院生がこの制度を利用し研究をおこなった。