国際教育1 第10回 補足と振り返り

田中治彦  2005年7月7日(木)

はじめに

本日は最終ということで、今まで見ることのできなかったビデオ等を見たり、これまでの振り返りをすることで、本講義を終了したいと思う。

 

1.ヒョウタン島問題「ヒョウタンパワーの消滅」

 ヒョウタン島問題の最後のワークショップは「ヒョウタンパワーの消滅」。ヒョウタン文化の象徴であるヒョウタンは農園で栽培されているが、背後に森林があり、かれることはなかった。島の人は年に1パーセントぐらいしか森林を伐採しなかった。しかし、これに転機が訪れ、ヒョウタン島はヒョウタンパワーで動いているので、水が無ければ、カチコチ人やパラダイス人も共倒れになってしまう。そこでどうするかというワークショップである。

 趣旨としては、地球共通の課題が出たときにどうするか、というものである。本ワークのステップ5として最後に位置づけられている。

 

2.ビデオ「在日コリアン3世と日本の若者たち」

 東京の朝鮮学校の卒業生のコリアン女性3人の物語である。

 在日コリアンの亜美さんは法学部2年生、同学部の在日外国人は、彼女一人だという。自身の感覚は日本の友達と違和感は全くないが、自分の中に在日コリアンとしての確固たるものがある。どんなに頑張っても外国人という感覚があるという。1999年頃、通学中のチマチョゴリを着た朝鮮学校生が制服をナイフで切られる事件が多発した。こうした暴力は、彼女たちとは全く関係がないのに、日本と朝鮮半島の関係が悪くなるたびに起きた。

 亜美さんの友人の同じく在日コリアンの梁さんは、在日コリアンとして決定的な差別はこれまでされたことがなかったというが、飲食店の仕事を始めて、日本名の「高島」を使うことを余儀なくされた。朝鮮人差別は第2時世界大戦に遡り、戦後、多くの在日コリアンは日本名を通称名として使わなければならない事態が続いている。大阪府の調査では、90パーセントの若者は本名ではなく、日本名を使って生活しているというデータがある。日本の名前を使うのはコリアンだけでなく、在日ベトナム人も同様である。

 大阪在住の在日コリアンのイルミさんは、小学5年生まで松田和美という日本名を使っていたが、6年生よりコリアン名を名乗ることを家族会議で決定した。コリアン名を使い始めてから、様々な差別、あるいは、日本の友人たちとの障壁を感じることとなった。府立松原高校、あるいは、法政大で、在日コリアンを考える学習会を開き、これまで差別されてきた胸の内を語った。平和のため、国際交流のために、在日である自分が、皆の前で語れるとすれば、それが唯一在日コリアンとして生まれたことを誇れるものであるという。

 

3.総括

授業の総括として、個々人の想うところ書いてもらった。

@ 講義で一番印象に残ったこと

 A:ヒョウタン島のワークショップである。意図的にパート分けをしたが、そういう立場でどのように合意形成をするか、実社会に活かすために必要な要素が詰まっていると思う。

 B:違った考え方の歩み寄りの重要さをまざまざと感じることになった。

 C:ヒョウタン島のワークショップである。ワークショップを通して、自分の立ち位置をもう一度再確認するいいワークショップである。

 D:ヒョウタン島のワークショップ。自分のパートを演じるなかで、非常にその問題にのめりこむことができたからである。

 E:本日のビデオである。「ハルモニたちは踊る」を見たときは非常に遠い感じがしたが、本日のビデオではまさに、自分と同年齢の女の子が活動していることに大きく触発された。

 F:難民の問題である。日本の対応、難民認定の基準の曖昧さなど、先進国としての頼りなさを痛感する結果となった。

 G:柴さんのお話が印象に残った。日本が国際化する話は聞いていたが、日本の中での国際化の推進ということに関して、非常に勉強になり、地域発の役割というものを痛感した。

 H:ヒョウタン島のワークショップ。在日の外国人がある社会で生きていくには、非常に大きな壁があると通案した。何をどうすればいいか、具体的に明確になったので、今後を歩むきっかけになったと思う。

A 在日外国人と向かい合う共生社会をつくるために何をしなければならないか?

H:彼らの状況をはっきりすること。同じ目線で話をする。

G:外国人との関わりのなかで、学校で授業をする機会を深めていくべきだ。

F:在日コリアンの文化を理解するだけでなく、現状を知ることが大事である。

E:まったく在日コリアンを知らない人が多いが、こういった人たちに伝えることが必要である。

D:底辺の拡大に徹底すべきである。

C:自分が様々な立場で外国人と出会う機会を高め、他者への機会も提供すべきである。

B:他者に興味を持つこと。

A:まず知ることである。個々人の方向性が見えてきたと思う。同世代とフランクな関係で話す出会いの場で話すことが大事である。


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