開発教育が贈る4 プラス1冊の本

 

今、開発教育がおもしろい

 


  2008年に発刊された開発教育関連の文献4点をご紹介いたします。

 

「地域」から開発教育を考えたい方のために →

『地域から描くこれからの開発教育』  山西優二・上條直美・近藤牧子(編著)、新評論

 

「国際協力」から開発教育を考えたい方のために →

『国際協力と開発教育−「援助」の近未来を探る』  田中治彦著、 明石書店

 

参加型開発の手法であるPRAを知りたい方のために →

『参加型開発による地域づくりの方法−PRA実践ハンドブック』 ソメシュ・クマール著、田中治彦監訳、 明石書店

 

スタンダードな開発教育のテキスト →

『開発教育−持続可能な世界のために』  田中治彦(編著)、学文社

 

 そして2010年の開発教育カリキュラムです。

 

ESDの観点を取り入れた新しい開発教育カリキュラムです →

『開発教育で実践するESDカリキュラム−地域を掘り下げ、世界とつながる学びのデザイン』  開発教育協会編、 学文社

 


「開発問題」を私たち自身の地域の問題として捉え直し、各地の実践から学びの未来像を描く

 

『地域から描くこれからの開発教育』

  山西優二・上條直美・近藤牧子(編著)、開発教育協会(企画協力)

  新評論、2008年5月、376頁、3360円

 

   

 本書は、「世界の開発問題→自分たちに何ができるか→地域で活動」という図式から地域を捉えるのではなく、「開発問題=私たちの地域の問題」という一体的視点に立ち、世界・日本の各地域で行われている課題解決への取り組みに具体的な「行動」と「学び」の方向性を見出し、各地の取り組みをつなぐ動きの中から「これからの開発教育」の方向性を描こうとするものである。

 本書ではまず序論において、「私たち自身の地域の問題」とは何か、また「持続可能な開発」と教育との関わりを捉え直す。本論各章では各地での「開発問題=地域の問題」に関する多様な実践を、「多文化共生」「農」「環境」「経済再生」「市民参加」「女性・子ども」「ネットワーク」という7つの観点からまとめてみた。各章は総論と事例からなり、事例の総数は18にも上る。

 これまで開発教育に携わってきた方々、地域で様々な実践を続けている方々、これから地域活動に関わっていこうとしている方々にとって、「地域という足元から開発問題をみつめ、自分たちにできることを考え、行動する」視点の重要性を改めて問い、これからの社会と教育のあり様を描いてゆくための1冊となることを願っている。

第1章 多文化の共生

第2章 「農」を中心とした学びの共同体づくり

第3章 環境と開発

第4章 地域からの経済再生

第5章 市民意識の形成と市民参加

第6章 子ども・女性の参加

第7章 ネットワークづくり

執筆者− 荒川朋子 磯野昌子 岩崎裕保 榎井 縁 遠藤邦夫 大澤 健 大島順子 加藤京子 佐々木 昌 佐藤友紀 佐渡友 哲 杉澤経子 高橋優子 田中治彦 田中秀幸 タン・ジョハン 辻本昭彦 外川 隆 奈良崎文乃 新田和宏 B.R.シュレスタ 洪 淳明 結城幸司 湯本浩之 吉岡 淳 ワジュヒ・カマウ

 


大きく変貌する国際協力の最前線をやさしく解説し、これからの援助のあり方を問う

 

『国際協力と開発教育−「援助」の近未来を探る』

  田中治彦著、 明石書店、2008年7月、228頁、 2100円

 

国際協力の現場は今、従来の慈善型・技術移転型から住民参加型へと大きく変わろうとしている。「援助」とは何か、開発とは何か。国際協力と開発教育の歴史と、著者の経験を振り返り、これからの姿を描き出す。関連年表、用語解説等を付した。国際協力の入門書であると同時に、経験者のこれまでの疑問や悩みにも応える深い内容を兼ね備えている。

 詳しい内容紹介(「はじめに」より)

 

はじめに

序章 「援助」するということ

第1章 援助と開発の歴史――タイを中心に

第2章 PRA――参加型農村調査法とは?

第3章 開発プロジェクトのタイプ

第4章 参加型開発とは何か?

第5章 日本のNGOと参加型開発

第6章 日本の開発教育――開発問題をいかに伝えたか

第7章 総合学習とESD(持続可能な開発のための教育)

第8章 参加型学習の系譜

第9章 自分・地域・世界をつなぐ学び

終章 これからの国際協力と開発教育

あとがき

参考文献

国際協力・開発教育年表

国際協力・開発教育用語集

 


参加型地域開発の手法として広まるPRAを概念、実践方法、そして応用まで解説した総合手引き書

 

『参加型開発による地域づくりの方法−PRA実践ハンドブック』

  ソメシュ・クマール著、田中治彦監訳、 開発教育協会(企画協力)

  明石書店、2008年8月、408頁、3990円

 

 空間、時間、関係の3つのテーマからPRA(参加型農村調査法)の28の手法を豊富な実例とともに紹介。実践者が創意工夫し効果的にファシリテートするためのヒントが凝縮されている。 PRAの理論についての解説(第1章)もすぐれている。

 

序文(ロバート・チェンバース)

はじめに(ソメシュ・クマール)

第1章 概念の明確化

第2章 空間に関するPRAの手法

 社会マップ、資源マップ、参加型模型法、移動マップ、サービスと機会マップ、トランセクト、参加型人口調査法

第3章 時間に関するPRAの手法

 年表づくり、傾向分析、時系列トランセクト、季節カレンダー、日課表、 参加型家系図、夢マップ

第4章 関係性を扱うPRAの手法

 因果関係図、影響力分析図、システム図、ネットワーク図、プロセス・マップ、生活福祉ランキング法、ベン図(社会関係図)

 二項ランキング法、投票ランキング法、力の場分析、パイ図、生計分析、クモの巣図、ボディ・マップ

監訳者あとがき(田中治彦)

 

  詳しい内容紹介(あとがきより)

 


開発教育と地球的課題を簡潔に解説した大学生向けのテキストである。

 

『開発教育−持続可能な世界のために』

   田中治彦(編著)、開発教育協会(企画協力)

   学文社、2008年8月刊、254頁、2520円

 

 

 これまでの開発教育関係の出版というと小学校〜高校向けの教材やワークショップが多かった。本書は開発教育と地球的課題を簡潔に解説した大学生向けのテキストである。

 本書の特色として、各章の冒頭には各執筆者がどうして開発教育やそのテーマに関わるようになったかというエピソードが並んでいる。章末には「レポートの課題」「参考文献」「テーマに関連した教材・ワークショップ」が紹介されている。

 

 

第1部  開発教育の理念と歴史

第1章 開発問題と開発教育の歴史と現状 (田中治彦)

第2章 開発教育の内容・方法・カリキュラム (石川一喜)

第3章 ヨーロッパとアジアの開発教育 (湯本浩之)

 

第2部  開発問題と開発教育

 第4章 ミレニアム開発目標 (重田康博)

 第5章 貧困 (小貫仁)

 第6章 環境 (岩崎裕保)      

 第7章 食と農 (上條直美)

 第8章 人の移動 (山中信幸)

 第9章 子ども (甲斐田万智子)

 第10章 ジェンダー (三輪敦子)

 

第3部  これからの開発教育の展開

 第11章 学校での開発教育 (藤原孝章)

 第12章 地域からの開発教育 (山西優二)

 第13章 国際協力と開発教育 (田中治彦)

 

国際協力・開発教育年表

さくいん

 

→ 詳しい内容の説明 

 


ESDの観点を取り入れた開発教育の最新カリキュラム

『開発教育で実践するESDカリキュラム−地域を掘り下げ、世界とつながる学びのデザイン』 

 開発教育協会内ESD開発教育カリキュラム研究会編

  学文社、2010年8月刊、207頁、2520円

 

はじめに                         田中治彦 

 

第1部 [理論編]ESD・開発教育のカリキュラム・デザインとは

 第1章 開発教育と持続可能な開発のための教育(ESD)  湯本浩之 

 第2章 開発教育のカリキュラムとESD         小貫 仁 

 第3章 「地域を掘り下げ、世界とつながる」カリキュラムと学びのデザイン  山西優二 

 

第2部 [実践編]ESD・開発教育カリキュラムづくりの実際

 第4章 地域学習を深める方法              石川一喜 

 第5章 「教材」の探究から始まるESDカリキュラムの編成  小玉敏也 

 第6章 地域を掘り下げる学びのデザイン         鈴木隆弘 

 

第3部 [事例編]さまざまな実践に学ぶ

 第7章 霞ヶ浦流域地域における学校を拠点としたESD実践の展開[小学校] 小玉敏也 

 第8章 「とうもろこし」からつながる世界へのとびら[小学校]  松田明子 

 第9章 まちづくり「武蔵野市改造計画−ズバリ市長に提言−」[中学校] 辻本昭彦 

 第10章 地域から世界へ―大型店から考える[高校]    佐々木達也 

 第11章 難民問題から平和・共生を考える[高校]     山中信幸 

 第12章 「反貧困」を軸にした人権総合学習[高校]    肥下彰男 

 

おわりに                         田中治彦 

資料編 世界につながる開発教育教材         米井慎一・加藤英嗣 

 

 


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