現代の青少年と社会教育
田中治彦 ・ 筒井愛知
日本子ども社会学会編『子ども社会研究』3号,1997年,pp.71-83
子どもをめぐる環境と子ども自身が変わり出したのは1960年代の高度経済成長期にまでさかのぼることができる。現在の親が子どもであった時分から子どもたちも地域環境も徐々に変化してきた。高度成長に伴う急激な都市化とともに野原が消え川が汚染された。それまで子どもが遊んでいた空地がビルや駐車場に変わり、裏道にも自動車が侵入した。これにより子どもたちが遊べる空間が減少した。同じ時期、高校や大学への進学率が上昇して受験競争が激化した。これに伴い子どもたちの塾通いも増えて、子どもたちの生活が急に忙しくなってきた。子ども文化の面でもテレビが茶の間に入り、少年少女の週刊誌が次々発行され、さらにワッペンやシールのおまけがついたお菓子が子どもの世界に入ってくる。
ガキ大将を中心に大人数で山野を駆け巡っていた子どもたちの集団が次第に消えていく。子どもの仲間集団も異年齢によるタテ集団は崩壊し、同年齢で小人数のヨコ集団に変っていく。ファミコンがほとんどすべての子どもの家庭に普及する1980年代後半には、子どもの遊び集団の小人数化、遊びの室内化、遊び道具の商品化がすっかり定着した。(1)
1960年代の後半より子どもの遊び環境や文化の変容に憂慮した人々によって、青少年団体への参加運動や各種児童文化運動が起こってきた。これらの「健全育成運動」は1970年代には一定の成果を上げ各青少年団体の会員数も増加した。ところが、1980年代に入ると一部のスポーツ団体を除いて加入員数は停滞ないし減少に転じ、80年代後半からの少子化という状況下でこれらの団体は会員獲得に苦戦する。「団体加入」による青少年育成というのは戦後の社会教育にとっては基本的な形態であったが、現在その方法が有効性を失ったため新たな方策が求められているところである。(2)
子どもが遊ばなくなったのは「時間」と「空間」それぞれに理由がある。本調査は現代の子どもの遊び環境を、時間的空間的に捉えることを目的としている。子どもの遊びの実態を捉えることにより今後の青少年施策の方向を探ろうとするものである。その際、本調査は子どもらの親である地域住民が自主的に調査活動を行なうという形で進められる。そのために簡便な調査手法の開発が本実践研究のひとつの目的である。
住民参加による遊び環境調査が必要な理由は、第一に子どもの生活空間は身の回りの「地域」であるからである。幼児であれば家から半径200〜300m、小学校高学年は半径 500〜1000mが日常的な生活空間である。行政は大きく地域を見渡し鳥の目(鳥瞰図)でさまざまな施策を立てる。しかし、子どもたちの生活から考えるとどうしても漏れてしまう部分がある。住民とくに保護者は子どもに最も近い存在である。子どもの目=虫の目(虫瞰図)で地域をつぶさに見ることができる。子どもの気持ちと願いを最もよく代弁できるのが地域に住む保護者なのである。
第二に、子どもに関る行政は細分化されていて、全体を見渡す部局がない。青少年団体は社会教育課、児童館は家庭児童課、公園と遊園地は公園課、等々。もちろん行政もこれらを統合する必要があるのだが、現在のところ子どもを中心に据えてその環境を考えるとしたら、やはりその主体は住民である。子どもたちのために縦割り行政を乗り越える努力を住民こそがしなければならない。
第三に、市民は行政にあれこれ要望し、行政はこれに応えて(あるいは応えずに)一方的に施策を進めるという従来のパターンを改める必要がある。行政ができることには限界がある。特に人材面ソフト面でそうである。すべてを行政が提供することになれば税金が高くなることは必然である。もちろん施設建設、専門職員の配置など行政がすべきことがあるが、子どもたちの生活と環境を守るのは市民一人一人の努めであるという自覚のもとに、行政と新しいパートナーシップを築いていく必要がある。そのためにも、地域住民が基礎的な調査を行い実態を把握し、何を改善すべきかを考えることが大切なのである。
岡山市は東西40キロ、南北30キロの地域に広がる、人口約60万人の中核都市である。その生活環境は中心部と周辺部で大きく異なる。半径約5キロの中心部地域は開発が進み土地の余裕もなく交通量も多いが、その周辺は田園が残っており、三方には小高い丘陵や山がそびえている。このため市内でも地域による環境の違いは大きく、子どもの遊び環境の状況も様々である。(3)
A 御野学区
最初に調査が行われたのが岡山大学が存在する市街地の御野学区であった。本調査は1993〜95年にかけて社会教育学研究室の学生によって調査が行われた。仙田満の調査手法を参考にして御野小学校の児童への聞き取り調査を3回にわたって実施した。(4) 調査の内、余暇時間の分析などはスムーズに行われたが、肝心の遊び場の調査については、土地勘がないことと子どもと関りが少ない学生であるため、細かいことまで把握できずに終わってしまった。また、地元住民の参加なしでは調査の結果を今後の同学区の改善のための具体的な施策につながりにくいことも判明した。しかしながら、調査を重ねていくうちに次第に方法が確立し、以後の学区の調査表の原型が出来上がったことが大きな収穫であった。
調査の中心は子どもに対する対面調査で、学校帰りの子どもに質問しながらアンケート用紙に記入していった。アンケートの全ての項目について集計をとり、生活時間、遊び場と家との距離、習い事の内容や回数などについてまとめた。
B 竜の口学区
岡山市立東公民館の「子育て講座」において筆者が子どもの遊びについて講演したことがきっかけとなり、受講生のYさんが本調査に関心をもった。Yさんは竜の口学区の「子育てグループ」の中心メンバーであった。子育てグループとは岡山市からの助成を受けてPTAごとに結成されている保護者の学習団体である。竜の口の子育てグループでは、遊び場調査の後にも、「星を見る会」「学校で遊ぼう」「餅つき大会」「お手玉に挑戦」などの活動を展開した。
遊び場調査は1995年の5月から年度を通して行われた。最初に筆者らが子育てグループの会合に出席して本調査の意義と実施方法について説明した。そして、6月末に通学路で子どもの対面調査を実施した。そして、子どもが挙げた全ての遊び場を歩いて点検した。その後子どもに意見を聞く「子ども会議」を3回開催。「ネットがもう少し高ければ」とか「道路が車が多くて危険」などの、利用者である子ども自身の意見を聴取することができた。現在は遊び場の改善計画を作成中である(リンク−竜の口学区子どもの遊び場マップ)。
C 旭東学区
旭東学区ではすでにPTAの活動として、会報の特集で会員が学区の遊び場を紹介していた。岡山市の「おかやま子ども未来づくり推進委員会」(少子化対策のために家庭児童課に設立された委員会)で筆者とともに委員をしていたKさんが本調査に関心を示した。Kさんもやはり「子育てグループ」の中心的メンバーであり、旭東学区の同グループが本調査を実施した。
この学区は古くからの住民が多いことと道路や宅地が昭和初期からほとんど変化していないため、遊び場の変遷を探るために「三世代遊び場マップ」の作成に挑戦した。(5) 子どもに対する対面調査は他と同じであるが、昭和初期の世代には小学校の同窓会名簿などを頼りに個別に対面調査をした。親の世代は配布した用紙に自分で記入してもらった。
結果は、昭和10年と昭和40年の子どもは広い地域で遊んでいるのに、現代の子どもになると遊んでいる場所がぐっと減少することがわかった。(リンク−旭東地区三世代あそびマップ)
以上の3学区の結果について岡山市の助成を得て「こんな遊び場が欲しい」という冊子にまとめた。(6) その結果新たにいくつかの学区から反響があって、1996年度は6学区で調査を実施している。
本調査の最も大切なポイントは調査の核となる住民組織づくりである。調査自体は、地域住民が手軽に始められるようになってはいるが、住民組織づくりには調査そのものと同じくらいの労力と時間が必要である。そこで、最初に組織づくりについて若干述べた後に、調査そのものの手法を紹介したい。
調査にあたるのは専門家ではなく地域の住民であるため、手軽に始められる方法であることが重要である。調査の開始から分析までの期間も比較的短く、半年から一年あれば一定の結果が得られるようになっている。また、調査にあたる人数も10名程度を想定している。
A 調査の住民組織
本調査は住民による住民のための調査であるので、地域の主体的な関りが最も大切である。従って、各地域で子どもに関るリーダー的な人物や既存の団体を通して実施することになる。子どもに関る団体としては岡山市の場合、PTA、子育てグループ、母子クラブ(0〜4歳児の子どもと母親によるグループ)、子ども会、子ども劇場等がある。
この内、PTA、こども会などの既存の団体は従来からの行事が多く、本調査のような新規事業が加わるにはやや時間を要する。しかしながら、これらの団体での役員経験による人的つながりは有効であり、本調査もPTAや母子クラブ時代のつながりをもとにした母親のグループが参画している。また、1996年度には図書館づくり運動等を進めてきた「ネットワーク吉備」という住民団体が本調査に参加してきた。
いずれにしろ、本調査の実施と政策提言においては主体となる住民組織づくりがもっとも重要であり、このプロセスに時間と労力を費やすことが後の作業を容易にするものである。
B 子ども遊び環境調査
御野学区と竜の口学区で実施した「子ども遊び環境調査」は本調査全体の基本的な調査である。次のような調査の流れとなる。
(1)準備段階(調査組織づくり、学校との連絡、手順の確認)
(2)遊び実態調査(子どもに対する個別の生活時間と遊び場の対面調査、マップ記入、生活調査分析)
(3)遊び場所調査(子どもの挙げた遊び場の詳細調査)
(4)遊び場マップづくり
(5)子ども会議
(6)報告会と遊び場の改善計画
(1)準備段階
準備段階については各学区で工夫しているが、最低限必要なのは調査への理解を学校に求めることである。これは、調査を広く一般に知ってもらうことにもつながるので重要である。調査は最終的には地域の街づくりの資料となるものであり、公園の改善計画になるものであるので、当初より関係者に理解を求めておくことが必要である。
(2)遊び実態調査
○調査実施−これは調査用紙Aを使用する。また、これとは別に学区全体を含む地図が必要である。地図には学区内にある公園や施設や駅などの目印となるものに印をつけておく。この用紙をそれぞれ調査する子どもの人数分用意して調査用紙と地図を綴じておく。
子どもの下校ルートをあらかじめ調べておき、学区を4〜5つ程度の地域に分ける。各地域への下校ルート上で学校からあまり離れていない場所を調査地点に選ぶ。各地点に調査員を2〜4名程度配置して下校中の児童で3年生以上を対象に対面調査を行う。
学区の大小にもよるが、10名から15名の参加者がいれば一日の調査で80〜100人程度の子どもの調査が可能である。子ども一人当り約10分の調査時間が必要である。前日の生活時間を聞くため、新聞のテレビ欄のコピーがあると便利である。
○マップ記入−子どもがあげた全遊び場について、1枚の大きな地図に記入していく。市役所などで販売されている2500分の1を使用する。学区の形状と大きさによっては1万分の1の地図が有効な場合もある。
調査用紙に記入された遊び場に色を付けていく。同じ遊び場を挙げる子どもが出たら、その遊び場のそばに人数を書いていく。記入し終えたら、大きな地図に記した遊び場を、先の調査に使用した小さな地図に書き写していく。
○調査分析−生活時間については、大学のゼミでの調査の時には分担を決めて、遊んだ時間、TVを見た時間、就寝時間などの平均をとった。
(3)遊び場所調査
これは調査用紙Bを使用する。子どもがあげた全遊び場所と、子どもがあげなかった既存の公園とを歩いて回る。それぞれの遊び場について、所在地、
場所の形状と広さ、遊具などの設備の種類、安全性などについて記録し、写真を撮る。そこで遊んでいる子どもがいれば、直接意見を聞いて、その遊び場の改善点を挙げてもらう。
(4)遊び場マップづくり
全ての遊び場の様子がわかったところで、それを一枚の大きな地図にまとめる。場所や設備そこでの遊び内容などがわかるようにイラストなどを入れるとよい。ここでいう遊び場は、施設に限らず路地や空き地も含める。
(5)子ども会議
子どもの意見を聞くための集まりである。竜の口学区の場合、事前に遊び場調査の時に写真やビデオを撮影し、それを子どもらに見せて意見を求めた。また、子どもたちに理想の公園の絵を書いてもらった。子ども会議での意見を改善計画の参考にする。
(6)報告および改善計画作成
学区内の遊び場の様子がわかり、既存の施設の改善案や、公園の空白地域などが明確化されたらそれを行政に提言するために改善計画をまとめる。
B 三世代遊び場調査
子どもの世代(現在)と、その親である調査員の世代(昭和40年頃)、そして子どもの祖父母の世代(昭和10年頃)の三世代にわたって子どもの遊び環境や遊びの内容の変遷を調査するものである。
調査にあたっては昔の地図を図書館、古書店、国土地理院などで入手しておく必要がある。各世代男女それぞれ12名、合計72名程度の調査を目安にする。
難しいのは一番上の世代で、昔からその地域に住んでいて、できれば現在も住んでいる人が複数必要になる。必ずしも一家族内での三世代である必要はない。旭東学区の場合、小学校の同窓会名簿などを頼りに人選をしたり、口コミで人数をそろえた。
調査内容はどこでどんな遊びをしたかであるが、季節を追って聞くと思い出しやすい。また数人を一ヶ所に集めて聞くとお互いの記憶を補完し合ったり、連鎖的に思い出したりするので効果的であった。調査員の世代の調査表は自分たちで記入し、子どもの世代は対面の聞き取り調査で実施する。調査が終わったら各世代毎に遊び場マップを作って世代間の違いを比較する。
三世代調査の副次的な意義として、子どもの遊びに関する上の世代の理解を得られることである。公園の新設や改善などに関るのが実質的には町内会長などの地元の有力者であることが多いが、そういった方々の理解を得ることが、実際の街づくりにおいては効果的である。
1995年度の3学区での調査の反省から、96年度の調査に当っては学区の実情に即して学区ごとに次のようなバリエーションを加えた。96年度には新たに6小学校区が調査に加わった。
A アンケート調査の実施
学区が大きい場合や、調査人数が少ない場合に学校に依頼してアンケートを配布してもらう。アンケートには家で親子で話をしながら記入してもらう。生活の様子と遊び場の様子がわかるように項目を考えた。これは対面調査と違い多くのデーターが集まり種々の分析が可能である。一方で遊び場所に関する調査などは対面調査より難しい。また調査対象が多いため分析するのに時間がかかる。
B あそび調査の項目の簡略化
生活時間はアンケートで実施して、遊び場の事項のみ対面調査で行うように調査項目を簡略化した。その結果小学1年生にも調査することができ、調査の幅が広がった。現在分析中であるが一日で200人から50ヶ所以上の遊び場を調査することができた。低学年の遊ぶ場所は高学年と違うため、年齢による遊び場の違いを明確に知ることができることが期待される。
C 校門での出口調査
人数が少ないため調査箇所を1箇所で行うべく、学校の校門で調査実施する方法が試みられた。この場合一人一人に地図を用意するのではなく、大きい地図に直接遊び場を書き込めるため、子どもが遊び場を探すのが容易になることと、まとめる過程が省略できる利点がある。
A 公園について
全学区に共通して言えることは、既存の公園や児童遊園は人口あたりの絶対数が少ないことである。特に地域の実情を考慮した公園は少なく、立地条件も子どものことを考えていないものが少なくない。交通量の多い県道に面した公園や住宅の間の細い路地を入らないと存在すらわからない公園や、人目がとどかないためかえって危険な公園などである。そのためにほとんど、あるいは全く利用されていない公園も珍しくない。
公園の分布も子どもの生活圏を考慮していない。大通りや鉄道などを越えてはいけないと学校から注意されている学区も多い。そのためすぐ近くにあっても利用できない場合がある。しかもそのことを行政の担当者が承知していない。まして、新たに道路ができて生活圏が分断されたとしても、施設の配置の見直しが行われる様子はない。
地域の住民の年齢層によっても必要とされる公園は異なるが、そういった観点で公園が作られることはほとんどない。都市計画法が改正されたため設置する遊具などの自由度は増しているのだが、実際にはまだ砂場とブランコと鉄棒などの固定遊具が多い。
公園づくりにおいて最大の課題は、行政と地域住民とのコミュニケーションである。多くの住民は公園がどのようなプロセスで設置されるかを知らず自分たちの声が生かされていないと感じている。一方、行政は町内会や地元議員の声をもって地域の意見聴取を済ませたと考える傾向にある。しかし、それらの人々はすでに子育てを終えた世代であり、結果的に子どもやその親の声が公園づくりに反映されないことになる。今後、子どもをもつ世代の住民の声を公園づくりに生かしていく住民参加の方式が模索され確立されていく必要がある。
B 子どもの遊びについて
遊び集団は小人数化している。3名程度が一番多く5名以上は珍しくなる。また異年齢集団が少なくほとんど同学年である。多くの子どもは稽古ごとなどで忙しく、いつも時間を気にしている子が目立つ。しかし、場所も少なく人数も少ないけれど、それなりの方法で非常によく遊んでいる子どもたちも存在する。
C 調査について
地域住民の人脈と力を集めれば10名程度で容易に始められる調査である。また地域の子ども会活動などの活性化のきっかけになったり、遊び場に限らず住民が自分の住んでいる地域全体を見直すきっかけになる。また世代間の交流のきっかけにもなる。調査を必要としている地域で調査員を調達するので、すぐに全国的な規模で調査が広がる可能性もある。行政の人に比べると地域住民の方が細部に目が行き届く。
行政が遊び場を作る時には一律に同じようなものを同じような分布で作ろうとしているが、今回のように地域住民が調査すると、地域に即した遊び場の現状が把握できるため、改善のための有力な資料となる。
「子どもは遊びの天才である」といわれている。このことから何も大人が子どもの遊びをわざわざ保障する必要はない、という主張が必ず出てくる。しかしながら天才エジソンでも毎日残業に追われ自分の部屋もないほど狭い家に住んでいたならば、電球や蓄音機を発明することはできなかったろう。今の子どもたちはその天才ぶりを発揮するための「時間」も「空間」も失いつつある。
遊びを発明するのは子ども自身であっても、そのための時間と空間を護るのは大人の責任である。幼児期、児童期、青年期をとおして青少年が地域においてゆとりをもって生活できる空間を私たちはどう創造していけるか真剣に考えねばならない。
1979年に国連で採択された「子どもの権利条約」には「締約国は、児童が休息し、余暇をもつ権利、年齢に適した遊び及び娯楽活動を行う権利、並びに文化的生活及び芸術に自由に参加する権利を認める」とある(第31条)。続いて第2項で締約国は児童のこれらの権利を尊重し促進し、適切かつ平等な機会を提供すべきことが謳われている。子どもの基本的な権利のひとつとして遊ぶ権利を認めた点で画期的なものであった。
しかし子どもの権利は大人がそれを代弁しない限り、無視されたり後回しにされてしまう。子どもの小さな声に耳を傾けこれを保障するのが大人たちの責任である。この調査はそのためのささやかな一歩なのである。
(1) 子どもの遊び変化についての調査や研究は多岐にわたるが次のようなものがある。深谷昌志・深谷和子監修『モノグラフ・小学生ナウ』福武書店教育研究所。深谷昌志・上杉孝実(1984)『子どもと青年の形成』265頁 第一法規。住田正樹(1995)『子どもの仲間集団の研究』523頁 九州大学出版会。山本清洋編(1992)『大都市のこどもたち』287頁 日本評論社。増山均(1989)『子ども研究と社会教育』300頁 青木書店。仙田満(1992)『子どもとあそび』205頁 岩波書店。田中治彦(1991)『学校外教育論』228頁 学陽書房。
(2) 田中治彦「成人するまでの生涯学習」『生涯学習の創造』158-180頁 ミネルヴァ書房。
(3) 岡山市の子どもたちの状況については次のものを参照のこと。「岡山市子ども白書」市民編集委員会(1995)『今どきのももたろう』294頁 手帖舎。
(4) 仙田満(1974)『こどものあそび環境』335頁 筑摩書房。仙田満編著(1986)『こどもの遊び環境マスタープラン策定計画(総合研究開発機構助成研究)』 161頁 環境デザイン研究所。
(5) 三世代遊び場マップについては次のものを参考にした。子どもと街研究会(1984)『三世代遊び場図鑑−街が僕らの遊び場だ!』169頁。
(6) 子どものための街づくり研究会(1996)『こんな遊び場が欲しい−住民参加による遊び環境調査マニュアル』85頁。
筒井愛知ホームページ内。6学区で行った遊び場マップを掲載。
共著者の筒井愛知(つつい・よしとも)は岡山大学大学院教育学研究科=当時。
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