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Vol.13 [2009-01-15発行]  PDF版

●[Interview]JEN 木山啓子さん―
人々のつながりを基盤に、被災地の自立を支援する

●新任教授紹介/研究科だより
●キャンパスの声
●各ゼミ紹介
●21世紀社会デザイン研究科 公開講演会レポート
●アベッド氏名誉博士学位授与関連記事/他

Vol.12 [2009-01-15発行]  PDF版
Vol.11 [2008-07-25発行]  PDF版
Vol.10 [2008-03-31発行]  PDF版
Vol.9 [2007-07-12発行]  PDF版
Vol.8 [2007-04-11発行]  PDF版
Vol.7 [2006-11-15発行]  PDF版
Vol.6 [2006-03-15発行]  PDF版
Vol.5 [2005-08-31発行]  PDF版
Vol.4 [2004-12-20発行]  PDF版
Vol.3 [2004-07-31発行]  PDF版
Vol.2 [2004-01-31発行]  PDF版
Vol.1 [2002-09-20発行]  PDF版

『Social Designer』Vol.1は、PDFファイルでご覧ください

 21世紀社会デザイン研究科では多種多様な講演会・イベントを催しています。ここでは 5・6月に開催された4つの講演会の様子をご紹介します。

 ソーシャルビジネスと21世紀社会デザイン
   ―社会的課題を解決する新しい試み―

2009年5月23日開催
◆パネリスト
横石知二 株式会社いろどり代表取締役副社長
熊野英介 アミタ株式会社代表取締役社長
山崎大祐 株式会社マザーハウス取締役副社長
中村陽一 本研究科教授/ソーシャルビジネス推進イニシアティブ座長
◆コーディネーター
石川治江 本研究科客員教授/21世紀社会デザイン研究学会副会長
     /NPO法人ケア・センターやわらぎ代表理事




 貧困、環境問題、農村の過疎高齢化といった様々な社 会的課題を、ビジネスの手法を通して解決していく「ソー シャルビジネス(SB)」が注目されるなか、本会はこれ までの公開講演会のなかでも最多の400名近い参加者を 得て大盛況となりました。まず中村氏が、経済産業省と のパートナーシップで推進されているSBの現状と社会 へのインパクトを紹介。続いて3人のパネリストから、 起業のきっかけとなった想い、ユニークな事業のしくみ、 試行錯誤から得た手応えなどが熱く語られました。
 熊野氏の「(社会における)関係性の欠如に対して関係 性を提供する。幸せが感動の共感であるならば、感動を 創る」という言葉、山崎氏の「(製品の背景にある)ス トーリーとデザインによって世界ブランドを創る」、横石 氏の「(高齢者の)出番をつくると一人ひとりが元気にな り、まちが元気になる。必要とされているのはリーダー ではなくプロデューサー」といった言葉が印象的でした。
 「起業のきっかけは社会的問題を解決するという漠然 とした目的というより、特定の問題に関する強い怒りや 想いではないか」という石川氏の発言が、パネリスト諸 氏、ならびに会場の強い共感を呼んでいました。  〈S〉


 地域開発のための新たな資金循環の仕組み
   ―社会変革型NPO・米国タイズ財団の挑戦―

2009年5月30日開催
◆パネリスト
ドラモンド・パイク タイズ財団CEO
岡部一明 愛知東邦大学教授
黒田かをり CSOネットワーク共同事業責任者
◆コーディネーター
渡辺 元 本研究科教授/トヨタ財団プログラム・ディレクター





 今や政府・企業と肩を並べる重要なアクターとなった NPO。その運営面での重要課題である資金集めに、多く の市民を巻き込むことで社会変革を推進しているタイズ 財団のCEO、パイク氏を招いての講演会が催されました。  前半はタイズ財団の事業が紹介され、社会的企業とし て個人・企業等のドナーから広く小規模の資金を集め、 それらを社会変革に取り組むNPOに投資する中間支援 的役割を担っていること、また、時にはドナーを支援先 NPOの活動現場へ連れて行き、資金提供への意欲をさら に引き出すという、その独自性と成果が語られました。  米国のNPOに詳しい岡部氏、黒田氏を交えた後半の セッションでは、「社会貢献活動に関わりたいが何から始 めたらよいか」という会場からの質問に対し、パイク氏 からは、ナイキの広告コピーを例に“Just Do It”とい う熱いメッセージをいただきました。  最初の一歩が踏み出せないという内なる熱き想いを抱 えた人々にとって、本講演でのパイク氏のメッセージや タイズ財団のような社会的企業の存在は、大きな刺激と 励ましになったものと思われます。日本におけるNPOの 発展に向け、貴重な示唆にあふれた3時間でした。 〈T〉


 やねだん学事始
  ―21世紀のコミュニティデザインの理想を求めて―

2009年6月6日開催
◆パネリスト
豊重哲郎 鹿児島県鹿屋市柳谷自治公民館館長
山縣由美子 南日本放送キャスター・ディレクター
佐野眞一 ノンフィクション作家
椎川 忍 総務省地域力創造担当審議官
◆コーディネーター
高橋紘士 本研究科教授





 「人口300人、ボーナスの出る集落」として多くのマス コミで話題になっている鹿児島県鹿屋市の柳谷集落(通 称やねだん)には行政に頼らない地域再生、人口減少の 歯止め、大胆なリーダーシップと住民の協働など新たな 市民社会づくりに役立つ様々なヒントが隠されています。 それらを学問として見直すきっかけにしたいというのが 本講演会のねらいです。
 “やねだん発見”のきっかけとなった南日本放送制作の ドキュメンタリーの上映に続き、今年1月の国会代表質 問で麻生総理に「総理、やねだんに来ませんか」と呼び かけた尾辻秀久元厚生労働大臣が特別参加し、スピーチ をしていただきました。
 後半のセッションでは4人のパネリストから多彩な意 見が出ましたが、「今の日本がなくしてしまった希望、参 加、感動が満ちあふれている」(佐野氏)、「日本人の心を 持っている誰もがこれを見たときに涙が出てくる」(椎川 氏)など個々の想いが伝わる率直な言葉が印象的でした。 何よりも「財源は人。地域に補欠はいない。全員レギュ ラー」と涙ながらに語る豊重氏の人としてのエネルギー に誰もが勇気づけられた感動的な講演会でした。  〈N〉

 海外からの視点〜いまニッポンのナショナリズムを問う
    ―中国、米国人ドキュメンタリー映画監督たちは語る―

2009年6月25日開催
◆講師兼パネリスト
班忠義 作家/映画監督
ジャン・ユンカーマン 映画監督
李 纓 映画監督
◆コメンテーター
マーク・カプリオ 本研究科教授
◆司会
野中章弘 本研究科教授/アジアプレス・インターナショナル代表




 経済不況下で日本人の関心は内向きとなり、外に開か れた意識を自ら閉じつつあります。偏狭なナショナリズ ムの台頭すら予感させる昨今の日本を、外から照射した らどう見えるのか。本講演会では、日本軍「慰安婦」、 「日本国憲法」、「靖国神社」などをテーマとしたドキュ メンタリー制作を通じ、日本のナショナリズムを形成す る思想的土壌を掘り下げてきた外国人映画監督の方々を お招きし、現在の日本の思想状況の検証を試みました。
 まず第1部では、3人のパネリストがどのような問題 意識のもとで映画を製作してきたのかを、映像を交え、 野中氏と対談。来日して感じた戦後処理についての不条 理さや、日本人には「アジアの中の日本」という意識が 欠如しているのではないかといった指摘がありました。
 第2部のディスカッションでは、主に日本の歴史認識、 戦争責任について熱い議論が交わされました。日本が国 家として、また日本人として、それらを今まで怠ってき たこと、また、事実を積み重ねていくことで本質を見つ め、今一度歴史や戦争を再考することの重要性などが語 られました。開かれた日本人として生きることへの示唆 に満ちた密度の濃い講演会となりました。 〈T〉