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21世紀社会デザイン研究科では多種多様な講演会・イベントを催しています。ここでは
5・6月に開催された4つの講演会の様子をご紹介します。
ソーシャルビジネスと21世紀社会デザイン ―社会的課題を解決する新しい試み―
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2009年5月23日開催
◆パネリスト
横石知二 株式会社いろどり代表取締役副社長
熊野英介 アミタ株式会社代表取締役社長
山崎大祐 株式会社マザーハウス取締役副社長
中村陽一 本研究科教授/ソーシャルビジネス推進イニシアティブ座長
◆コーディネーター
石川治江 本研究科客員教授/21世紀社会デザイン研究学会副会長
/NPO法人ケア・センターやわらぎ代表理事

貧困、環境問題、農村の過疎高齢化といった様々な社
会的課題を、ビジネスの手法を通して解決していく「ソー
シャルビジネス(SB)」が注目されるなか、本会はこれ
までの公開講演会のなかでも最多の400名近い参加者を
得て大盛況となりました。まず中村氏が、経済産業省と
のパートナーシップで推進されているSBの現状と社会
へのインパクトを紹介。続いて3人のパネリストから、
起業のきっかけとなった想い、ユニークな事業のしくみ、
試行錯誤から得た手応えなどが熱く語られました。
熊野氏の「(社会における)関係性の欠如に対して関係
性を提供する。幸せが感動の共感であるならば、感動を
創る」という言葉、山崎氏の「(製品の背景にある)ス
トーリーとデザインによって世界ブランドを創る」、横石
氏の「(高齢者の)出番をつくると一人ひとりが元気にな
り、まちが元気になる。必要とされているのはリーダー
ではなくプロデューサー」といった言葉が印象的でした。
「起業のきっかけは社会的問題を解決するという漠然
とした目的というより、特定の問題に関する強い怒りや
想いではないか」という石川氏の発言が、パネリスト諸
氏、ならびに会場の強い共感を呼んでいました。 〈S〉
地域開発のための新たな資金循環の仕組み
―社会変革型NPO・米国タイズ財団の挑戦―
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2009年5月30日開催
◆パネリスト
ドラモンド・パイク タイズ財団CEO
岡部一明 愛知東邦大学教授
黒田かをり CSOネットワーク共同事業責任者
◆コーディネーター
渡辺 元 本研究科教授/トヨタ財団プログラム・ディレクター

今や政府・企業と肩を並べる重要なアクターとなった
NPO。その運営面での重要課題である資金集めに、多く
の市民を巻き込むことで社会変革を推進しているタイズ
財団のCEO、パイク氏を招いての講演会が催されました。
前半はタイズ財団の事業が紹介され、社会的企業とし
て個人・企業等のドナーから広く小規模の資金を集め、
それらを社会変革に取り組むNPOに投資する中間支援
的役割を担っていること、また、時にはドナーを支援先
NPOの活動現場へ連れて行き、資金提供への意欲をさら
に引き出すという、その独自性と成果が語られました。
米国のNPOに詳しい岡部氏、黒田氏を交えた後半の
セッションでは、「社会貢献活動に関わりたいが何から始
めたらよいか」という会場からの質問に対し、パイク氏
からは、ナイキの広告コピーを例に“Just Do It”とい
う熱いメッセージをいただきました。
最初の一歩が踏み出せないという内なる熱き想いを抱
えた人々にとって、本講演でのパイク氏のメッセージや
タイズ財団のような社会的企業の存在は、大きな刺激と
励ましになったものと思われます。日本におけるNPOの
発展に向け、貴重な示唆にあふれた3時間でした。 〈T〉
やねだん学事始
―21世紀のコミュニティデザインの理想を求めて―
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2009年6月6日開催
◆パネリスト
豊重哲郎 鹿児島県鹿屋市柳谷自治公民館館長
山縣由美子 南日本放送キャスター・ディレクター
佐野眞一 ノンフィクション作家
椎川 忍 総務省地域力創造担当審議官
◆コーディネーター
高橋紘士 本研究科教授

「人口300人、ボーナスの出る集落」として多くのマス
コミで話題になっている鹿児島県鹿屋市の柳谷集落(通
称やねだん)には行政に頼らない地域再生、人口減少の
歯止め、大胆なリーダーシップと住民の協働など新たな
市民社会づくりに役立つ様々なヒントが隠されています。
それらを学問として見直すきっかけにしたいというのが
本講演会のねらいです。
“やねだん発見”のきっかけとなった南日本放送制作の
ドキュメンタリーの上映に続き、今年1月の国会代表質
問で麻生総理に「総理、やねだんに来ませんか」と呼び
かけた尾辻秀久元厚生労働大臣が特別参加し、スピーチ
をしていただきました。
後半のセッションでは4人のパネリストから多彩な意
見が出ましたが、「今の日本がなくしてしまった希望、参
加、感動が満ちあふれている」(佐野氏)、「日本人の心を
持っている誰もがこれを見たときに涙が出てくる」(椎川
氏)など個々の想いが伝わる率直な言葉が印象的でした。
何よりも「財源は人。地域に補欠はいない。全員レギュ
ラー」と涙ながらに語る豊重氏の人としてのエネルギー
に誰もが勇気づけられた感動的な講演会でした。 〈N〉
海外からの視点〜いまニッポンのナショナリズムを問う
―中国、米国人ドキュメンタリー映画監督たちは語る―
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2009年6月25日開催
◆講師兼パネリスト
班忠義 作家/映画監督
ジャン・ユンカーマン 映画監督
李 纓 映画監督
◆コメンテーター
マーク・カプリオ 本研究科教授
◆司会
野中章弘 本研究科教授/アジアプレス・インターナショナル代表

経済不況下で日本人の関心は内向きとなり、外に開か
れた意識を自ら閉じつつあります。偏狭なナショナリズ
ムの台頭すら予感させる昨今の日本を、外から照射した
らどう見えるのか。本講演会では、日本軍「慰安婦」、
「日本国憲法」、「靖国神社」などをテーマとしたドキュ
メンタリー制作を通じ、日本のナショナリズムを形成す
る思想的土壌を掘り下げてきた外国人映画監督の方々を
お招きし、現在の日本の思想状況の検証を試みました。
まず第1部では、3人のパネリストがどのような問題
意識のもとで映画を製作してきたのかを、映像を交え、
野中氏と対談。来日して感じた戦後処理についての不条
理さや、日本人には「アジアの中の日本」という意識が
欠如しているのではないかといった指摘がありました。
第2部のディスカッションでは、主に日本の歴史認識、
戦争責任について熱い議論が交わされました。日本が国
家として、また日本人として、それらを今まで怠ってき
たこと、また、事実を積み重ねていくことで本質を見つ
め、今一度歴史や戦争を再考することの重要性などが語
られました。開かれた日本人として生きることへの示唆
に満ちた密度の濃い講演会となりました。 〈T〉
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