荒井 教康さん 1期
21世紀社会デザイン研究科を修了して早や1年数ヶ月が経過し、有意義で充実した院生生活もまるで昔のことのように感じられます。皆様には大変お世話になりました。第1期生ということで私は同期の方々と共に非常に強い期待と熱意を持って入学を迎えたことを今でも鮮明に覚えています。2 年間を思い返すと、よく毎日のように仕事の後で教室に集い、遅くまで議論を闘わし、帰っては深夜、休日までメールでやりとりしレポートを仕上げたと我ながらよく続いたと感心します。また、図書館や研究室に通ったことも懐かしく思われます。
私が当科を志望した理由は経営問題としての危機管理のあり方を研究
してみたいと考えたからです。それは自らも不祥事のあった当時、金融機関に身を置き、その問題について疑問を持ち続けていたからです。
私からの後輩へのアドバイスとしては僭越ですが、現在院生の方々にはせっかく当科で研究ができるのですから、例えば自分の専攻が危機管理であってもNPO、NGOのことも一歩踏み込んで学び、かつ実践してみてはどうでしょうか?NPOの方が危機管理を学ぶのもいいでしょう。新たな分野を知ることの楽しさや違う自分を発見する機会を
得られると思います。
また、学部から大学院に入った方にとっては、すでに社会人として様々な経験を積んだ方々とフランクに話ができるまたとない環境を、十二分に活かされるとゼミプラスアルファの貴重な体験ができると思います。私同様、社会人の方にとっても通常自分の仕事でまず会うことのない業界や分野の方々と出会い、親しく討論をできることは自分を見つめ直す場としても有意義ではないでしょうか。お蔭様で私にとってはそんな充実した院生生活でありました。是非、積極的に取り組んでみてください。
最後になりますが、現在第一期生で結成した「21C 一期会」という親睦の会を開催しています。年一回教授方にもご参加いただき、共にネットワークを活かし交流、親交を深める場としたいと考えています。今後修了生、院生の皆様にもご案内いたしますので多くの方のご参加を期待しています。よろしくお願い致します。
●経歴と修論テーマ
立教大学経済学部卒業。(株)富士銀行(現みずほ銀行)に入行。8 年勤務後、退職し自営業となる。現在自営で質屋及び不動産関連の業務を行う。
21 世紀社会デザイン研究科でNPOに出会い、在籍当時から実践として豊島区との協働事業である「池袋本町プレーパークの会」の立ち上げに参画、現在も運営委員として活動中。日本経営倫理学会会員。
修論テーマは「企業経営と倫理についての一考察 −三菱自動車工業を事例として経営倫理を問う−」
稲見 陽子さん 2期
私の研究テーマは、CSR 活動の一つである「企業の社会貢献活動」です。概要を申しますと、一部の大企業だけではなく、例えば規模が小さければ小さいなりに、なるべく多くの企業が“良き企業市民”として社会貢献活動に取り組めるようになるにはどうしたらよいか、その要因の分析と提言です。研究を始めた頃は、企業の広報パーソンとして自分は結局、社会貢献活動を所詮は広報のツールとしてしか考えていないのではないか、というような後ろめたさがありました。しかし、研究が進むにつれ、“良き企業市民”であることこそ、究極の企業広報であることに気づき、葛藤はなくなっていました。
現在は職場で、研究テーマの実践に取組んでいます。勤務先はスイス系診断薬・機器企業の日本法人ですが、この会社なりの、この会社ならではの“良き企業市民”の姿を模索しています。その試みの一つとして6月に、青少年を対象にSTD(性感染症)予防啓発リーフレット「STOP STD」を制作・発行しました。教育機関や保健所に配布するとともに、希望者には個人・団体を問わず無料で提供していますが、全国の医療機関、保健所、教育現場、PTA、NPO などから入手希望が殺到し、対応に追われています。政府とはまた別の形では若年層のSTD蔓延を食い止める一助となれたらと願って活動しています。
今後は、ミクロ的には当社にとっての“良き企業市民”の姿を追究し、マクロ的には日本における企業の社会貢献活動のこれからを、今後の変遷を研究していきたいと考えています。
最後に、後輩の皆様へ、特に仕事を持ちながら勉強している方々へ、ご参考までに一言。フルタイムで働いている私がなんとか研究を進めることができましたのは、自分の本業と直接・間接に接点のある研究テーマであったことが大きな要因です。当初は、この際だから本業とは関係ないテーマを選びたいとも思いましたが、すぐに「無理」と悟りました。この2年間は、仕事をしながら勉強し、勉強しながら仕事をしていたと言えます。仕事も勉強もお互いが助けになりました。この経験から、特にお仕事をお持ちの方は、直接、間接にご自分のお仕事と関係のあるテーマを選ばれることをお薦めいたします。
●経歴と修論テーマ
立教大学文学部英米文学科卒、05 年3月同大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。日本オリベッティ(株)を経て、現在、ロシュ・ダイアグノスティックス(株)広報チーム長。この間、東京工芸大学短期大学部非常勤講師、秘書検定講座・ビジネス文書検定講座等の講師などを歴任。著書に『現場の体験的秘書学12章』(東京書店)他、多数。
修論テーマは「企業の社会貢献活動における積極的活動要因の考察〜みなとネット会員企業の事例をもとに〜」
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