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長岡 吾朗 さん
カナダ・オンタリオ州にて、物流
企業の広報・セールスの仕事を抱え
ながら、現地放送局(他民族放送局)
で日系カナダ人向けのテレビ番組を
制作し、人種問題、アイデンティテ
ィ、ジェンダーなど様々な取材をし
ました。市民活動が活発なカナダは、
様々な問題を抱えながらも企業や学
校がそれらと上手に共存しあってい
る社会。様々な人種や価値観の相違
を持った人達が互いを理解しようとする多様性社会は刺激的でし
た。帰国後は厳しい外資系企業の広報職を渡り歩き、早朝から深
夜まで無我夢中で突っ走ってきましたが、「時にはちょっと立ち
止まって考える時間が、より特質ある次の仕事、そして人生のベ
ースを作るのはないか」と思うようになりました。そして出会っ
たのが「21世紀ソーシャルデザイナー」というキーワードでした。
現在、カナダ時代に見てきた社会と企業の融合、また広報の新し
い切り札を模索すべく「コーポレート・シチズンシップ」を研究。
経験や知識を体系化し、能動的に考え、相手に伝えられるものに
していく重要性を学んでいます。これは来年修了後、すぐ仕事に
生かしたいと思います。
社会人大学院生となって感じたことは、「回答は一つではない。
物事には様々な方法や見方がある」ということです。仕事と学業
との両立は思った以上に大変です。しかし、親身に相談に乗って
下さる先生方との交流、仕事では出会えない方達と自由に意見交
換を行い、志高く知的興奮を味わう体験は何事にも変えがたく、
視野が広がり大変な刺激になっています。
菊池 栄 さん
昨年入学し、早くも2年目を迎え
ます。仕事の肩書きは「マタニティ・コーディネーター」。フリーラン
スの立場で妊婦さんと家族を対象にした出産準備クラスやマタニティ・
ヨーガクラスを運営、指導しています。ほかにも写真を撮って写真展を
開催したり、チベットからマンハッタンまで15ケ国以上を旅してイン
ターネットや雑誌にレポートしたり、本を書いたりしていますが、テーマはすべて「出産」です。
2000年にはJICAの専門家として、ブラジルの母子保健プロジ
ェクトに参加し、主に写真家の立場で9ヶ月間滞在した経験もあ
ります。
20年以上この仕事を続けてきましたが、医療者ではなく先輩
もいない中、仕事のスキルとノウハウはすべて独学で構築してき
ました。この辺りで自分自身の仕事を見つめ直し、医療とは違う
立場から「出産」を理論的に再考察してみたい、アカデミックの
作法を学び研究をしたいという目的で本研究科に入学しました。
少子化が問題とされ、対策はもっぱら育児の経済支援に集中し
ていますが、「出産」のイメージと環境が女性にとって魅力的でな
いことも同じように危機的な状況です。母親の身体面精神面にお
いても、かつてのようにあたりまえに産んで育てる状況ではなく
なっています。少なくなったとはいえ出産は年間107万件ほど。
21世紀の社会が継続可能な社会であるために、次世代育成のス
タートである「産む/生まれる」環境についてさまざまな分野の
方々に考えていただければと思っております。
市川 智子 さん
フェアトレードを広めたい…とい
う気持ちが強かった入学当時の私。でもそれは、フェアトレード関係者
側(売り手側)の思いばかりを重視させ、「フェアトレード商品を知っ
て(買って)もらうには、私たち(提供者側)に、何が不足している
のか」といった客観的立場からフェアトレードを考え直そうとすること
を疎かにしていました。
この研究科にいると、NPO/NGOの存在・活動内容は、皆が知
っている気分になってしまうことも私はありましたが、一歩外に
出てみると、NPO/NGOに対して、まだまだ理解されていない
部分が多いかと思います。そのため、フェアトレードに限らず、
サービスを受けてくださる方の意見に、素直に耳を傾け、そして、
一人一人の意見を、今以上に自分たちの活動に反映させることが
できるように努めていくことは、NPO/NGOが発展していくた
めには大事なことではないでしょうか。
私は、様々な社会経験を持っていらっしゃるこの研究科の皆さ
まと出会い、お話することで、このような大事な「発見」をする
ことができました。
これからも、自らの活動を客観的に見つめなおすことを心がけ
ながら、フェアトレードにとどまらず、様々な社会貢献活動へ、
多くの方々に参加していただけるような「場」を、大好きな料理
を通して、私なりに少しずつ創造していきたいと考えております。
藤林 泰 さん
職場での仕事の一つが、高度経済
成長期から現在までの市民運動・住民運動・市民活動関連資料の収集・
整理です。ある日、ふと、この貴重な草の根ベースの発信をテーマにし
て論文を書いてみようと思い立ち、団塊世代の錆び付いた頭に少々不安
を抱えながらの入学でした。
でも、「21世紀社会デザイン研究科」という摩訶不思議な名前に惹か
れての選択は大正解。多様な講義と多彩な教員陣で構成された一
見まとまりなく見える研究科は、既存の枠組みでは解決できない
閉塞感漂う時代への、多視的で学際的・民際的な手法による挑戦
をしているかのようです。忙しい毎日ですが、日頃考えることも
ないテーマを学び、一人では読むこともないテキストと格闘しな
がらの心地よい興奮が楽しく、授業後の電車に揺られて帰宅する
約40分は、先生の講義や仲間の発言から得た刺激と発見を反芻
し、あれこれと妄想を広げる至福のひとときとなっています。き
っと、電車の床には、私の目から落ちたたくさんのウロコが散ら
ばっているはずです。
およそ一世紀半、近代化への道を強固な「タテ社会」で疾走し
てきた日本社会が、市民の登場以後、どんな「ヨコ社会」に転換
していくのか。私たちの研究科は、そんな冒険的な課題に取り組
もうとしているのかも知れない…などと思うこのごろです。
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