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Q 先生がご専門の労務管理・経営学に入られた経緯などをお聞かせください。
菊野一雄 先生
前・立教大学教授 現・跡見女子大学大学院マネジメント学部教授 |
父親が台北帝国大学医学部教授で僕を医者にしたかった。但し、
僕は理科系が嫌いで、慶應義塾高校から大学へ進学する際に経済
学部を志望したが、肺炎で入院したため期末試験の準備が出来ず
商学部に推薦されたのです。商学部は経済学部から独立して4年
目、経済学部は慶應の看板なので行きたかった。しかし、そんな
僕に祖父が「鶏口となるも牛後となるなかれ」とポンと言ったので
す。そうか、自分は小さい鶏かもしれないけれど、新しいところ
で頑張ろうと思ったのです。
ゼミが労務管理論で、助手の先生がマルクス経済学でした。そ
の頃、ローマ法王ヨハネス23世が「パーチェム・イン・テリス」と
いう回勅を発表し、社会主義を敵視してはならないという新しい
発想を提起しました。いろいろな大学の人たちとその翻訳やマル
クスの「資本論」を読んだりしているうちに、「学問の世界は面白
そうだな」と思い大学院に進みました。ドクター3年修了時に、
慶應の先輩で武蔵大学教授の方から空いているポストがあると聞
き、武蔵大学へ行きました。それ以来、僕は実社会へ出て働いた
ことはなく、ある意味で純粋培養で、世間知らずだと思います。
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立教大学と21世紀社会デザイン研究科を
振り返って |
Q 21世紀社会デザイン研究科について、思うことなどをお話ください。
立教には29年在籍しました。特に経済学研究科から21世紀社会
デザイン研究科に移った際にはカルチャーショックを受けました。
ずっと大学にいた人は北山先生と笠原先生と門奈先生くらいで、
他の先生は実社会で豊富な経験を積まれた方ばかり。院生も僕と
同じくらいの人から若い人までバラエティに富んだ人々がさまざ
まな社会経験を持っている。それはすごく刺激的でした。人的イ
ントラネットもすごいですね。入学後すぐに先輩も交えて歓迎会
をやる。修士論文の審査とか予備の報告会とかも面白いですね。
真剣勝負で、皆言いたい放題言うなんて、既存の大学院ではなか
なかないですよ。教師と1対1だけでなく、皆といろいろなネッ
トワークを張れる。これって素晴らしいことです。
21世紀社会デザイン研究科の院生は実社会の経験が豊富で太っ
腹の人が多い。ちょっと褒めすぎかな。
21世紀社会デザイン研究科のスタッフには私利私欲に走る人が
いないですね。私心を先に立てる人がいると疑心暗鬼が横行して
組織が活性化しません。実社会で豊富な経験をしてから21世紀社会
デザイン研究科に来られた方々はすごく献身的だし純粋です。そ
のことを僕は21世紀社会デザイン研究科にきて強く感じましたね。
Q 跡見学園女子大学大学院のキャンパスライフはどんな感じですか。
一番ショックを受けたのは、入学式の日に学バスに乗ったら、
男性は僕だけで、運転手さんもたまたま女性で、他も全部女子学
生でね。大学院は文科省の制度では、男子にも開かれているので
すが、現在は5人全員女性で、区議会議員とかアート・コーディ
ネーターなどのユニークな人材がいます。マネジメント研究科っ
ていうのは立教の21世紀社会デザイン研究科と非常に似ています。
危機管理もありますし、文化芸術的なところもある。それで21世
紀社会デザイン研究科と単位互換制とか色んな提携をしませんか
という話が進行しています。今度出来る21世紀社会デザイン学会
には山本貞雄研究科委員長(学会顧問)をはじめ跡見の人々も沢山
入ります。6月24日の設立総会には、跡見から教員や院生が出席
します。7月8日の立教1年生の修論の経過報告会に、跡見の院
生も参加できるように、今交渉中なんです。そこまで話ができて
いて、ゆくゆくは共同のシンポジュウムとか講演会とかをやろう
というところまできています。
Q
最後に、21世紀社会デザイン研究科に期待されることなど
をお願いします。
僕はさらに、21世紀社会デザイン研究科が外に向けて、もっと
ネットワークを張っていく、今はやりの、ユビキタスを目指して
いくという、その先鞭をつけることを期待しています。それの一
里塚としての「21世紀社会デザイン学会」がいよいよ始まるし、
それに僕も参加できるので嬉しいです。もっと社会にいろいろ発
信して、いい意味でのユビキタスになってほしいと思います。
僕自身もうちょっと余裕ができたら、また21世紀社会デザイン
研究科で授業を担当して皆さんから刺激を受けたいですね。21世
紀社会デザイン研究科の先生たちからは「また来てよ」っておっ
しゃていただいているので、21世紀社会デザイン研究科に戻れる
日が実現することを待っています。この立教のニューズレターを
跡見でもぜひモデルにさせていただきたいと思います。跡見と一
緒に作ってもいいですよね。号外とか、そういうネットワークを
どんどん張っていきましょう。
(聞き手:鈴木千秋)
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