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CWのスピード

CW(Continuos Wave)とはいわばモールス信号です。


一般の音声で通信する事に比べて、混信に強く、低出力で遠方まで到達する事が出きます。また、その変調や復調の方法も比較的簡単です。一方では、符号を知らない者にとっては、何が何だかさっぱりわからず、とっつきにくいものです。
最近では、国際的な通信も技術の発達で、高速・大容量になり、わざわざモールスの省エネルギー的な特性を使う事もないようです。プロの通信の世界からもモールスが消えつつあるようですが、アマチュアの間では依然として重要な分野を担っています。
アマチュア無線家には、その得意分野に応じて名前がなんとなくついています。その中で、CWを愛用する方はCW党と名乗ったりします。そんな名前のHPもありました。「党」のイメージがフリークな様子を端的にあらわしていると思いますが、いかがでしょうか?


さて、この信号をどの程度の速さで送るのでしょうか。日本のアマチュア無線の試験では、2級の場合は欧文で45字/分、1級で60字/分の聞き取りの能力が要求されています。アメリカのアマチュア無線の試験はFCCといい、これもいくつかのクラスに分かれており、最高のエクストラ級では20WPM(Words Per Minute)が要求されていました。これは1W=5字とすれば100字/分に相当し、かなり速いと思います。しかし、FCCは2000年になって、すべてのクラスで5WPMに統一されました。「アマチュア無線のモールスは、非常用として重要で、受信・発信ができれば遅くてもOKである」との発想でしょう。速くしたい人は勝手に速くしていきますから。
60字/分、あるいはこれに相当すると思われる12WPMといっても、まだ正確には分かりません。つまり、モールスの信号には短い字、たとえばe、i、tがあります。また、長い字には、j、z、qがあります。これらをどう組み合わせるかによって、同じ時間内に送れる字数が変わってくるのです。
CWTWというモールスの練習ソフトではパリス方式の説明が記してありました。PARIS(・― ―・、・―、・―・、・・、…)と打つと、短点を1単位として、長音は3単位、音と音の間隔を1単位、字の間隔も3単位、単語の間隔を7単位取って、全体で50単位になり、50単位を1Wordとするようです。



実際の送受信、あるいは試験では平文を使用します。これは意味がある文章の意味で、暗文(あんぶん。ランダムにアルファベットが並んだ文。あるいは暗号によって書かれた文。後者はかならずしもアルファベットの字の出現率は均一ではない。ここでは前者の意味で使用している)に対する言葉です。平文では、すぐに想像できるように、e、i、tなど上記に示したような短い字がよく出てきます。もう少し示せば、a(・―)n(―・)s(…)r(・―・)m(― ―)などがよく出てきます。モールス信号を作ったときには、通信の効率化を考えて、高頻度で使用される字に短い符号を充てたのでしょう。
この影響で、暗文で180字を打つ場合と、平文を180字打つ場合を比べると、1単位(・)は同じスピードでも、後者のほうがずっと速く終わってしまいます。逆にいえば、3分間に同じ字数を打つ場合は、暗文のほうが平文よりも速い1単位を送る必要があります。ランダムジェネレーターで暗文の12WPMが平文の60字/分の速さには相当せず、字数が同じなら平文ではもう少し遅くても大丈夫です。実際に180字程度の平文を12WPMではなく、11WPMで送っても3分かからず、2分45〜50秒で終わります。


CWの使用に経験を積んだ方は、スピードが変化しても対応するようですが、初心者としては、なるべく試験のスピードにあわせて練習する事がよいと思います。速いスピードに慣れているとf(・・―・)は、最後の・が待ちきれなくて、ue(・・― , ・)と採ってしまったりします。したがって、60字/分の練習は12WPMではなく、11WPMでやるのがお勧めです。12WPMはあがった時の対策として聞いてみるのがよいでしょう。


























短い字

e ・ トン
i ・・ トントン
t ― ツー
長い字
j ・― ― ―
z ― ― ・ ・
q ― ―・―