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筆者は2005年度から東南アジアで活動するアフリカ人交易人の活動に注目している。


アフリカ訪問の往路、復路での調査が主体であるが、情報は集積されつつある。本日はタイを訪問する交易人の概要といくつかの実例を紹介したい。(ここでは紙幅の関係で実例を1例だけにして、概要は割愛します)。


交易人のAは40歳代の女性で、タンザニアで生まれて看護師として働き、1984年にボツワナに働きに行き、ボツワナの首都のハポローネに居住している。Aの夫はタンザニアでは建物の設計技師として働き、夫婦とも高学歴で定収入があった。ボツワナに移住してからもそれぞれ設計技師と看護師として働いていた。ボツワナはダイヤモンドによる収入があるが、十分に教育された技術者や教育者は国内には少ない。そのため、周辺の国々から高給でこれらの人びとを雇用しているのである。


Aは看護師として働きながら、同僚の医師の夫人の勧めでタイを年2回程度訪問して、衣料品の買い出しをおこないハポローネで販売していた。これは2001年に始まった。やがて、A夫妻の子ども二人が南アフリカの大学に入学し、教育費がかかるようになった。二人の子どもの教育費(学費+寄宿料など)は年間120万円程度である。これをきっかけに2004年にAは看護師を辞め、交易に本格的に従事するようになった。以後、Aは年4〜5回タイを訪問している。


Aは、1回タイ訪問をすると約50万円相当の衣料品を購入する。これは重量では250kg程度になる。航空貨物250kgをバンコクからボツワナの首都ハポローネまで送ると、その運賃は約13万円である。
ボツワナでの衣料品に対する関税は100パーセントである。関税だけで価格が2倍になってしまうが、実際にこの金額を税関で納める事はない。ハポローネの空港では、バンコクで購入時の領収書にもとづいて課税される。Aはバンコクの販売店に依頼して、実際の購入価格よりも非常に安い金額での領収書を入手して税関を通過する。


バンコクでの購入価格の3倍程度でアフリカ内では販売できる。購入価格の3倍で販売した場合の収支を検討したい。
収入は購入価格の3倍の150万円。


支出は、購入価格50万円、航空輸送代金13万、航空運賃12万、関税20万、タイでの滞在費数万円の合計で約100万円。これ以外にもハポローネで借用している店舗の家賃、光熱費、店番中の食費などが必要になるがわずかな額であり、設計技師を続けている夫の給与からも支払い可能である。


タイでの購入価格の3倍で販売できた場合には、1回について約50万円の利益を見込む事ができる。タイへの買い出しを年間に4〜5回おこなって、子どもたちのために120万円を毎年稼ぐ事は可能である。


このような衣料品関係(布、靴、鞄なども含む)の交易人が年間数百人規模でタンザニアからタイへ来ていると想定される。その規模は、年間の取り扱いの金額が数十万円から数千万円までと多様である。しかしすべて自己資金でおこなっており、企業内で俸給者として働いて交易に携わっている者はほとんどいない。




2006年撮影
バンコクの空港でエチオピア航空のチェックインをする交易人。エチオピア航空では交易人の利用獲得のためか、エコノミークラスでも40キログラムまで預け入れの荷物にして、12キログラムまで手荷物での持ち込みが可能になっている。その他のマイレージクラブの特典などとあわせて60〜80キログラムも持ち込むことができるので、写真のように交易人が多くの荷物を持ち込む光景が見られる。


中国 広州のタンザニア人についての記事はここです。

『ニューズレター』17に寄稿した記事を小改稿しました。


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タイ=アフリカ の小規模交易人の実例