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【図表 7-2】新日本製鉄における国内フラグメンテーション
(出所:パディンハウス「白地図(都道府県)」を元に筆者作成)
ただし、生産工程がフラグメントされているかどうかは、各営業所への資源配分や扱う工程
を見なければならない。
【図表 7-3】、【図表 7-4】では、新日本製鉄の各製鉄所・事業所におけ
る設備投下資本、従業員数の推移を示している。これより、新日本製鉄成立以降、新日鉄住金
成立の2012年度まで設備においては徐々に投下資本額が減少していき、従業員数においては
1990年度以降大幅に削減されている。また、その労働・資本の資源配分は比較的分散的である
ことが分かる。また、【図表 7-5】では各製鉄所・事業部の生産品種の推移を示しているが、
1980年代以降は製鉄所ごとに生産品種を集約化させる傾向にある。例えば、銑鉄から最終鋼材
まで全てを一貫して生産する一貫製鉄所は、1981年度には八ヶ所あったにもかかわらず、2005
年度の時点で八幡製鉄所・名古屋製鉄所・君津製鉄所に集約されている。また、鋼板を生産す
る設備も、1981年度では七ヶ所であったにもかかわらず、2005年度には五ヶ所に集約されて
いる。以上より、新日本製鉄における国内フラグメンテーションは操業時から1970年代がピ
ークであり、それ以降は集約傾向にあることが分かる。
八幡製鉄所創業時(1901年)
終戦時(1945年)
新日本製鉄成立直後(1971年)